小さな少女の大きな地雷
「…発言の意図を理解しかねます。どういう意味でしょうか?」
警戒心を顕にした、敬語状態のステラ。
「いやいや、とぼけんなって?」
目の前のヘラヘラした男に、殺意によく似た怒りが湧いてくる。
「冷静に考えて、数日前に冒険者になったばかりのひよっこルーキーが、バーグベアなんて討伐できっこねぇよ!なんか不正でもしたんじゃねぇの?」
「「そーだそーだ!!」」
ギルド内の殆どが、不快な男の味方をしている。
「状況説明は真偽球の前で事細かに説明しましたが…」
「それにさぁ!えぇ?こないだの薬草の件、あれもおっかしいよねぇ?なぁんであんなに事がスムーズに運ばれたんだろうねぇ?おや、そう言えばキミも関わっていたよねぇ!実はぜーんぶキミの仕業なんじゃないのかい?」
「繰り返しますが、状況説明は真偽球の前で事細かに説明しました。それとも真偽球の判定を信じられませんか?」
「信じられないね。だってキミは、重篤犯罪者なんだから!」
「 」
話の途中から勘付いてはいた。恐らくただの妬み僻み、それらに近いものだったのだろう。
しかし。
奴らは踏んでしまった。
ステラの抱える特大地雷を。
「」
言ってしまえば、彼らの理論は滅茶苦茶だ。少し突けば、簡単に崩れる。
しかし、ステラにその余裕が無かった。
そうだ、自分は重篤犯罪者だ。
でも、それだけで?
それだけで、ひとごろしを疑われないといけないの?
どうして?
分かっている、自分に社会的信用が、これっぽっちも無い事くらい。
でも、それが真偽球を否定するほど?
わからない、わけがわからない。
いたい、くるしい。
やめて。
もう なにもかも―――
ダ ァ ン っ !
「ステラちゃんがいつもの時間に帰ってこないからと、心配して来てみれば…」
殺人鬼は、怒りに震える。
「お前ら…何してやがる?」




