猫はスネーク中に血の涙を流す
柵を越えて、するすると木を登るエメドラに掴まり葉の間に隠れる。こんな時にエメドラの色が緑で助かる。それにしてもこいつよく延びたな。海賊の某ゴム人間並みだった。変な実でも食ったか?
しばらく尻尾を引っ張って遊ぶ。そして待つ。
ふふふ、このまま逃亡するとでも思っているのか分からないが、追っ手が来てもここで見ていれば分かる。
「罪人を捕まえろ!」
ニャ。(帰ってきても飯抜き!)
ルビーとパシュティの声がした。見下ろすと、
「……騎馬戦?」
3体のマネキンが組んで馬になり、その上にルビー達が乗っている。よく見るとルビーの頭にはタランが乗っている。あいつが操っているみたいだ。
下を走り抜けていく集団(?)を見送り、これからの事を考える。このまま逃亡生活をしても自力で魔の森を抜けるとは思えない。ならば、ルビー達をおちょくるためにスネークミッションをしてみよう! ……ダンボール無かったよな?
「ペケ~?」
石をひっくり返すルビー。
ニャ。(爪研ぎ)
木で爪を研ぐパシュティ。
…………。
穴を掘ってその中でくつろぐタラン。
どう見ても遊んでいるようにしか見えないんですけど! 説教してやらなあかん!
木を降りかけて気がついた。……これは俺を誘き出すためのトラップだと。あえてボケてツッコミに走る俺を捕まえる気なんだと。
「あぶない。もう少しで引っ掛かる所だった」
俺はスネークミッションを継続。しばらくして、
ニャ。(出てこないね。ここにはいないか……)
やっぱりか! パシュティさんの作戦ですか?
ニャ。(さて、帰りますか)
帰るの!?
「その前に……試す」
パシュティさんを抱き抱え、
ーープニプニプニプニ……。
ニクキューをいじりだした。その光景を見て、飛び出しそうになる自分を押さえる。おのれ~! ルビーめ、俺の前で悠長にプニプニするだと! ギリギリとその思いを噛み締めいつの間にか血涙を流していた。
その為に俺は背後に迫るモノに気がつかなかった。
ーーシャァァッ!
エメドラの声に振り向くとタランがゴーレムと共に木に登って来ていた。ルビー達は囮か!
「エメドラ!」
別の木に飛ぼうとするエメドラの尻尾をゴーレムが掴み引っ張る。そうはさせないとこっちもエメドラを掴む。しかし、このままでは不味い。すぐにルビーとパシュティも来て捕まるだろう。ならば!
エメドラの頭を掴んだまま飛び降りる。当然そのせいでゴーレムはバランスを崩し尻尾を握った状態で一緒に落ちる。
「せい!」
その時にエメドラを振り回す。ゴーレムの手が尻尾から離れて自由になる。そして、エメドラの羽で少し滑空して着地ーー
ーーガブッ!
出来なかった。いきなり噛みついてきた蜥蜴に驚いて足を曲げ、エメドラの羽ばたきによって先に飛んだおかげで助かった。エメドラ、グッジョブ!
で、こいつ何なの?




