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蜘蛛には子供がおりました。……かわいい?

「新種の蜘蛛が出たって?」


 朝の食事中に夜の事を(猫の事は省く)話して見た。


「それで、その蜘蛛は?」

「こいつの腹の中です」


 何かでかくなっているエメドラを指差す。羽の大きさも変わったみたいで、俺の両腕広げたより大きくなってる。


「そうか、この中にあるんだ」


 アルさん、メスみたいな物持ち出して何するんの? 解剖しないよね? エメドラも怯えてるから。


「生態系が変わってこっちに流れて来たんなら他にもいるかも知れないですよ」


 とりあえず、興味をエメドラから蜘蛛に移るように話題をふってみる。


「……生態系って何?」

「その土地にいる生物の分布がーー」

「分布って?」

「同じ生物が生きていくために必要な空間?」

「……」


 あれ? なんだろ、この噛み合わない感じは……?


「アルさん、薬草とか採取に行くときには大体行く場所って決まってますよね?」

「大体、その辺にあるよね? この近くとか……無ければ他の場所を探すし」


 ダメだ。こういう薬草はこの場所に生えてるとか考えない人だ。


「そんな事よりも、蜘蛛を探しに行きましょう!」


 俺、これ以上は説明の仕方とかよく分からんし。めんどくさい。ここらで終わらせねば。


「いやいや、この話の方が興味があるね。薬草学とか魔法理論とか違った面白さがあるから」


 ……どうしよう。子供みたいに目をキラキラさせてこっちを見ている。パシュティさん、ヘルプ!


ニャ?(何? ごはん?)


 寝ぼけている。ダメだ。


 ルビーを見る。


 エメドラの鱗を剥ごうとしている。嫌がってるから止めなさい!


 さあ、どうするか……。



「大きな穴だね」


 なんとか誤魔化してアルさんを穴の所に連れてきた。その穴を覗き込んでの一言である。


 猫の時に見ていたのとは違い小さく見える。大体俺の体が何とか入るくらい。


「奥には何かあるかな?」


 アルさんは穴の縁に手を触れた。すると穴の中身がせり上がり、目の前に現れた。

 ワニ口ネズミが糸に巻かれて死んでいる。その体の上を小さい蜘蛛が這い回っている。正直気持ち悪い。


「これが新種か?」


 アルさんは這い回る蜘蛛をつまみ上げ観察する。色の白い蜘蛛ばかりだけど、中には色の違うのもいる。


「ペケ、かわいい?」


 ルビーもそんな1匹を掌に乗せて見せてくる。赤っぽい蜘蛛だ。


「かわいくない」


ニャ。(かわいい)


 よくわからんが、キモ可愛いってやつか?……今は言うのか? ルビーの手の上でうろちょろしている蜘蛛を見て思う。そうしていると蜘蛛が前の2本を上げてこっちを威嚇してくる。


「……め!」


 ルビーの声に前足を下げる。心なしか落ち込んでいるようだ。蜘蛛なのに。


「ほうほう。これは使い魔にできるな。よし、しよう!」


 数匹の蜘蛛を瓶に入れてテンションがおかしくなっているアルさんがルビーに言った。


「使い魔?」

「そうそう。そうすれば一緒にいれるからね!」

「…………する」

「なら、行こう! そうしよう!」


 ルビーを脇に抱えて走っていった。俺達はおいてけぼりかよ!


 邸に着くと使い魔になった蜘蛛に餌をやっているルビーが一人。アルさんは実験だとか言って籠っちまったそうだ。


「かわいい」


 そう言って蜘蛛を見せてくるルビー。もう手のひら位に大きくなってるんだけど? どうやったらそうなるの?

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