しょうがないので荷物を取りに来た。
「おっちゃん、荷物取りに来たよ」
「おお、ちょっと待ってろ。奥から持ってくる」
「ペケちゃん、持ってくるまでこっち来なさい。お菓子あるわよ」
「ありがとう! お姉さん」
ハゲたおっさんのお店に頼んであった荷物を受け取りに来た。初日に来た時にアルさんからのメモを渡しておっさんに集めて貰っていたのだ。おっさんは顔と額が異常に広いからいつもこうやって、集めてもらっているそうだ。そうだよな。広いよな後頭部までいってるよな。
「誰の額が後頭部まで広がってるって!?」
「うるさいよ! 黙って働きな!」
おっさん! 心の声にツッコミ入れんな!
「……その子誰だい?」
俺が手を引いている少女にお姉さんが気がついた。有り合わせのシャツとズボンを着せたルビーだ。
そのルビーはお姉さんの顔をじーっと見ている。
「この子はルビーって言って俺の妹です」
そう説明した。ルビーが足を蹴ってくる。何でだ?
「よろしくね。ルビーちゃん」
お姉さんは笑顔でかがんみルビーの頭を撫でる。撫でられるルビーの顔は少しだけ嬉しそうにしている。
「さあ、こっちに来てお菓子食べなさい」
俺とルビーを座らせてお茶とお菓子をだす。お菓子はクッキーみたいなものだ。それをルビーは両手に持って夢中で食べている。お姉さんはその様子をにこにこして見ている。
「かわいいわね。あの人が連れてた子猫みたい」
それはやっぱりビーライト商会の先代の話だった。子猫を始め連れて来た時の事、ここに泊まり込んだ時に自分の娘の様に可愛がっていた事、亡くなった時に子猫を引き取ろうと申し出たが死んでしまったと聞いた事。
ルビーは黙ってそれを聞いていた。それにお姉さんもルビーに教えるように話している。
その横で俺はお菓子を頬張っていた。ルビーの持ったままのお菓子も食う気が無さそうなので美味しくいただきました。
「用意できたぞ」
入り口に山盛りの荷物を置いた汗まみれのおっさんが呼んだ。
「クレイ!」
表に待っていたクレイが自分で背中に荷物を押し込み荷物の山は瞬く間に消えた。おっさんがあんぐりと口を開けていた。その中にお菓子を入れてやる。俺からの報酬だ。
「お世話になりました」
まだ動かないおっさんはそのままにお姉さんに挨拶をする。
「また来てね」
微笑みながらお姉さんが手を振る。その前にルビーが立ち、
「……ありがとう」
そう呟いた。
クレイを連れて、隣に歩くルビーに聞いた。
「ナー?(何であそこに隠れてたんだ?)」
「ニャ。(あの人がお母さんの次に私に優しかった)」
寂しそうなルビーの頭を撫でる。……手触りがいいな。
「イタッ!」
あまりしつこく撫ですぎた為、ルビーに手を噛みつかれた。
「離せ! 痛い! 痛いから~!」




