死刑、死刑って連呼すんな!
ニャー。(私は変態に連れてこられました)
ニャ。(よし、死刑)
「ナッ!(ざけんな!)」
まだ手にぶら下げられてるのにこの子猫は何言ってんの? ガンタイさんものらない!
尻尾の長い黒猫。頭が良いとか云われている猫のごとく尻尾を股の間にまるめている。ちなみにガンタイさんは伸ばしたままでした。
ニャ。(離してよ)
こっちを見て言う。
「ニャ。(逃げないならな)」
ニャ。(……逃げない)
その間が気になるんですけど! 大丈夫だろう。
ベッドの上に黒猫を下ろす。
ミャー!
瞬く間に子猫達にもみくちゃにされる。俺もよくやられる。1匹2匹ならいいが、20匹は洒落にならない。
ニャー!(助けて!)
誰もが通る道だ。諦めなさい。乗られて、踏まれて、舐められて、尻尾をかじられて……暴れれば更に激しさをますまさに子猫地獄! 1時間後黒猫は悟った(諦めたとも言う)表情で助け出された。
ニャー。(世の中は理不尽でできている)
ナ―。(諦めるな猫生捨てたもんじゃない)
しょげる黒猫に慰めの言葉をかける。
ニャ?(あれ? 私と同じ言葉を喋る人間は?)
ナッ!(俺だ!)
疑わしい目で見る黒猫。
ニャー。(本当なんだぜ。俺も最初は驚いたわ)
ナ―。(驚き過ぎてチビったもんね)
ニャガ!(言うんじゃねえ!)
ガンタイさんとループさんにはここに避難する為に教えた。あそこにいると家ごと潰されるからね。
ナ―?(それで聞くけど、お前だろ? ビーライト商会で使用人窓から落としたの)
ニャ。(お前じゃないルビー)
ナ―?(ルビー?)
ニャ。(お母さんが付けてくれた名前)
ルビーの耳と髭がしおれた。
ニャ。(お母さん……死んじゃった)
泣き出したルビーにどうしていいかわからずガンタイを見た。ガンタイはうなずいて、
ニャ!(死刑!)
ナッ!(何でだよ!)
ニャ。(女を泣かす奴は極刑あるのみ)
女心のわからないガンタイさんに言われたくない!
ナ―。(お姉ちゃん大丈夫?)
ミャ?(どっか痛い?)
子猫達に慰められているルビー。少しは泣き止んだみたいだ。
ナ―。(それじゃ、そろそろ話してもらっていい?)
ニャ。(うるさい。変態)
キレた俺は飛びかかり、耳をガシガシと噛んでやった。




