魔法の練習。……ちょっと外野が危険な目に合ってますが。
「……と、言う訳で魔法の練習をします」
外に出るとエメドラも着いてくる。アルさんに言って粘土を貰い、エメドラに与える。噛みついたり、巻き付いたりして遊んでいる。
「『風脚』」
風脚は風の魔力を使って走る力を上げる訳だが、ジャンプ力はどうだろう? その場で跳んで見る。
ニャ。(不格好な蛙がいる)
同じ場所で跳び跳ねている俺を見て、パシュティが笑う。両足揃えて跳び跳ねていればそう見えるだろう。方向をパシュティのいる方に変えて目の前に飛び出てやる。
ンニォ!
目の前に跳んで来た俺を見て変な声をあげ、飛び上がった。驚きすぎだろ。
「縦に1m位で、横はパシュティの前まで」
風脚は跳ぶ力も強化されているようだ。これを極めれば、とある海賊のコックのように空飛べんじゃね?
あれは空気を蹴って空に止まるんだよな? 空気って蹴れんの? パシュティさんをじっと見る。
ニャ?(何よ?)
先程、驚かしたのを警戒してか直ぐに行動を起こせるように構えている。そんなに警戒せんでも……。
シャァァァ!
パシュティさんの背後から忍び寄ったエメドラが飛びかかり拘束する。エメドラちゃん、食い物じゃないから飲み込もうとしないの!
ニャ!(お母さんが川の向こうで手を振っていた!)
臨死体験ですね。ありがとうございます! エメドラちゃんに注意して反省してもらう。小さくうなだれている。パシュティを捕まえるのは私の指示ですが、何か?
パシュティさんのニクキューをプニプニして考える。空気を蹴ることができないのはそれだけの密度が無いからだ。
……となると、代用品が何かないかな? 魔力?
右足を上げて、風の魔力を足の裏に集める。魔力の板をイメージして右足に体重をかける。一瞬、足の裏に抵抗があったような気がする。
何度も同じ事を繰り返してみるが、軽い抵抗があるだけでそれ以上はない。
ニャ?(何してんのよ?)
軽く上げている足に猫パンチくれるパシュティさん。そんなとこいると危ないって。
そんなにペシペシしても何もないよ? 少し邪魔。
ニャ?
足の裏に集めた風の魔力をパシュティに向け風にする。面白いようにゴロゴロ転がった。結構強い風が出るな。あっ! これ使えるんじゃね?
吹き飛ばされたパシュティさんに文字道理絡んでいるエメドラを横目に、両足を揃えて足の裏に風の魔力を集める。そのまま一気に風に変える。
「おおっ! とんーー」
足の裏に発生した風の勢いで体が浮いた。喜んだ瞬間にそのまま後ろにスッ転んだ!
シャァァ。
エメドラに笑われた! 振り返ってみると違った。パシュティさんを喉に詰まらせてもがいていた。何してんの!
エメドラの口を開いてパシュティさんを救出すると、
ニャア。(この川越えれば、いいのよね)
虚ろな目でそう言った。渡っちゃダメ! しっかりして!
アルさんから気付け薬と手厚い看護を受けなんとか戻ってきた。エメドラは反省してもらうために粘土で固めて一晩放置!




