野生の魔物には油断しないように
「お肉、ゲットだぜ!」
虹羽ヘビを持ち上げて叫ぶ俺。冷ややかな目で見る猫。
ニャ?(あんたは何かしたっけ?)
ヘビを振り回しました。……それ以外してない。
「でも、お肉ゲットだぜ!」
パシュティさんは前足を舐めて聞いていない。……寂しい。
ニャ。(早く帰るよ)
ネズミをヘビにくくりつけるの止めなさい。その上に乗らないで。重いから。
ニャ。(はいよ、シルバー)
いえ、俺はペケちゃんです! ため息つきながら、ヘビを引きずっていった。
「アルさん! 大漁です」
柵の前で叫ぶ。……出てこない。パシュティさん出番です。
ニャ。(呼んでくる)
柵を越えてパシュティさんが戻ってくる間、暇だな。
「ペケ君、一杯獲ってきたね」
柵に寄りかかり魔法の訓練をしているとアルさんが柵の上から顔を出した。
「ヘビも獲ってきたよ」
頭を持ち上げて見せる。もちろん自慢です。
「エメッドヘビの子供だね。羽もとれてないし、親はいなかった?」
これで子供? 長さだけなら俺のの1.5倍あるのに。
親? 見なかったよね、パシュティさん。
ニャ。(いなかった)
「見てない。木の穴にこいつだけいたんだけど」
「よかったね。親はペケ君を一呑みできるだけの大きさだから会っていたら死んでいたね」
俺を丸のみ? どんだけでかいの?
「さて、この肉はどう料理しようか?」
アルさんがヘビの羽を持って考えている。
ヘビは蒲焼きを希望します。
ニャ。(食えればいいわ)
アルさん、そんなヘビ見つめてどうしたの? 毒でもあるの? そのヘビ。
「死んでないね」
死んでるよね? ここに着くまでの扱い考えると。そうだよな? おい。
ペチペチーーガブッ!
アルさんが下ろした虹羽ヘビの頭を叩いていていたら咬まれた。
「いてえぇぇぇ! アルさん助けて!」
「よし、そのまましといて」
アルさんが何か思いついたのか俺とヘビの足元に魔方陣を書き始めた。何してんの!
「大丈夫だよ。痛かったら手を上げてね」
どこの歯医者だよ! あぁ、なんか気分悪くなってきた。
「あ、アルさん。こいつ毒持ってないよね?」
「よし、出来た!」
聞けよ!
「ペケ君、ヘビに魔力を流して、手を治しながら」
魔力? 治療魔法を噛みつかれた場所に流す。食い込んだ牙を通してヘビにも流れている感じがする。
「『魔物よ、魔力より結ばれ、主とし従え!』」
あの……目眩が……ヘビになんか吸われてるんすけど。
倒れこんだ床の魔方陣が薄く光ると、消えてしまった。何なの?
「ペケ君、よかったね。使い魔が出来たよ」
そんなことより、気が遠くな……る……。
目を覚ますとベッドに寝ていた。夢だったんだな。死んだヘビが生きていて噛みついてくるはずないよな。
大きくのびをすると、目に入ってくる物がある。それは右手を包み込み、床までダラーンと伸びている。
「アルさん。アルさん!」
「どうしたんだい? ペケ君」
「とりあえず、外しとけや!」
アルさんをヘビでぶん殴った!




