ヘビ対ネズミを観戦してます。
俺の足の下では虹羽ヘビとワニ口ネズミ達の戦いが繰り広げられている。
虹羽ヘビが羽を広げ威嚇し、その周りにワニ口ネズミ達が30匹位広がっている。
シャァァァッ!
虹羽ヘビが声と共に羽を動かすと前にいたワニ口ネズミが血を噴いた。虹羽ヘビが何か下のか?
ニャ。(風の魔力を使って切り裂いたみたいね)
なっ! 何だと!? ヘビなのに飛び道具使うのかよ!
「俺だって……使えないのに」
ニャ。(ほら、ニクキュー)
パシュティさんが前足出してきた。パシュティさんの優しさを感じながらプニプニする。ああ、気分が癒される。
虹羽ヘビの風魔法はそこまで威力がないようで傷付いたワニ口ネズミは構わず虹羽ヘビに突貫して体に噛みついている。
ワニ口ネズミを一呑みできるだけの頭をもつ虹羽ヘビ。その体も合わせて長く太いのだが、蟻みたいに数にものを云わせたワニ口ネズミ達に群がられて長い体を振って追い散らそうとする。
ニャ。(数が足りないわね)
半数近くのワニ口ネズミが潰されている。虹羽ヘビも傷付いているがまだまだ大丈夫だ。
「でも後続が来たぞ」
ワニ口ネズミの集団が血の臭いにつられてやって来たようだ。何匹かは潰れたワニ口ネズミの死体を引きずって持ってった。共食い?
増えたワニ口ネズミが突撃をかまし、噛みつき、引きずるようにして虹羽ヘビの体を倒そうとする。嫌がり体をとぐろを巻くように丸め風魔法を連発する。
「丸まっちゃダメだよ」
ワニ口ネズミは体に取り付き頭を目指して登って行く。互いに下になるのも構わずに。そのかいあってか、ワニ口ネズミの何匹かは頭やら羽に取り付くことが出来た。
ジャァァァァー!
虹羽ヘビは壊れたロボットのようにデタラメに暴れだした。丸まっていた体を伸ばし木に当たろうが構わず動き回り、最後に頭を俺達の登っている木にうち当ててぶっ倒れた。
「……死んだかな?」
木上から覗き込む。足元のちょうど隠れたところだから見えないのよ。
ニャ?(どれどれ? 肉のとれそうなネズミはいる?)
頭の上に乗るな爪が痛いって! パシュティさんを退かそうと思い手を頭に上げたのがいけなかった。
ニャ。(なによ)
手を避けてパシュティは頭から飛んだ。その反動で覗き込んでいたバランスが崩れ、
「ちょっ、おまーー」
落っこちた。しかし、空中で身を捻り足から着地する。さすが俺!
「10点満点キレイに着地を決めました!」
ワニ口ネズミ達もキレイに着地を決めた俺に集まって来た。何々? 胴上げ?
ニャ!(ボーッとしてるな!)
1匹が足に噛みついた。イテェッ! 蹴り飛ばすと後の奴等も迫ってくる。数は数匹だから驚異でもない。
「ふん、雑魚が」
俺は近くにあったそれを掴み振り回した。ワニ口ネズミ達は次々にぶちのめされ絶命した。
ニャ。(うわー、引くわー)
うん、俺もそう思う。手の中のぐったりした虹羽ヘビを見てそう思った。




