お肉取りに行ってこいって放り出されました。
毎日、毎日、魔法訓練(パシュティ引っ掛かれた傷を治すのを含め)だいぶ使えるようになってきた。
「基礎は大分出来てきたね。今度は実践で使えるようにしないとね」
組手かな? 相手はアルさんしかいないけど。
「その辺の魔物を狩ってきて。解体は出来ないだろうから、そのまま持ってきてくれればいいよ」
…………えっ?
襟首を掴まれ、柵の外にポイ捨てされた。
えぇぇぇぇっ!
「アルさん! ちょっとアルさん!」
「あんまり遠くに行かなければ大丈夫」
頑張れよ~! と手を振るアルさんに背を押されて、森の中へ……。
「武器も無しに子供をこんな場所にだすなんて何てスパルタなんだ?」
ニャ。(危険なことになれば私が連絡するから大丈夫よ)
おや? パシュティさん、いたんですか?
振り向くとパシュティさんが後ろを付いてくる。
ニャ。(ネズミが来るわよ)
慌てて前を向くと、草の根元からこっちを覗くワニ口ネズミがこちらを見上げて慌てて逃げていった。別に好き好んで自分よりでかいやつに襲いかかろうとはしないよな。
ニャ!(何してんのよ! 闘いなさいよ!)
そう言うパシュティさんを首の後ろを掴み持ち上げ、そのまま抱き上げて撫でる。パシュティさんは不機嫌に尻尾を振っている。
「逃げるのを殺っても……ねぇ?」
再び歩き出そうとした時、草木がガサガサざわめく。そこから大量のワニ口ネズミが現れた。
ニャ。(あいつら、仲間呼ぶのよ)
それ、早く言って!
俺はパシュティさんを抱えたまま走って逃げた。
「『風脚!』」
足に風と光の魔力を流す。そのキーワードとして設定した呪文というか名を呟く。
足に流れた魔力が走る力を底上げして今では倍近い速度が出せる。しかし、重いな。
「パシュティさん、下ろしていい?」
「引っ掻いていい?」
その爪引っ込めなさい。投げないから! 袖に爪引っ掻けるな!
走り回っていると目の前に巨大な木が見えてきた。あれに登ればよくね?
ニャ!(ちょっと待ちなさい!)
それより逃げないと。俺がが20人で手を繋ぎようやく囲めそうな木を登る。凸凹してるから登りやすい。
「ここまで来れば……」
ニャ!(何してくれてるのよ! こんなところに登って!)
緊急避難だからいいでしょ? それにワニ口ネズミも近寄って来ないし……?
シャァァァー。
何処かで聞いたような声が……?
ニャ。(ここはアイツの巣なのよ)
下を見ると途中に開いた穴から緑色の蛇が顔を出して、ワニ口ネズミ達を睨んでいる。
穴から飛び出すと羽を広げ、ワニ口ネズミ達に襲いかかった。
「共倒れすれば、労せずお肉ゲットだぜ!」
ニャ!(そんなこと言ってる場合か!)




