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猫はどうしても猫だった。

「『火よ!』『火よ!』『火よ!』『風よ!』『火よ!』『火よ!』不意を突いて『水よ!』」


ニャー。(全部、ダメ)


「神よ! なぜ!私を見棄チートなしなんだてたのだ!」


 両手を天に延ばし哭いた。チートはテンプレだろうが! 


 手の上で蝋燭の火が、空気が動いた? だの、すずめの涙か? 等はいいからまともに魔法発動しろ! そうしないとパシュティのニクキューがプニプニされる事になるぞ!


ニャ?(寒気が……?)


 パシュティさんキョロキョロしても原因は俺だからわからないって。


ニャー。(やっぱり猫だから魔法はダメなのか)


 上に上げた手を下ろしてパシュティさんを見る。猫って放出系のやつはダメだったね。人間になっているけど基本は猫だろうし。それなら……。


「『火よ!』」


ニャ?(何がしたいの?)


 ニクキューを指で押さえながら魔法使おうとしただけですが? ニクキューを通してパシュティさんが燃え上がらないかなって思って。


ニャ。(何で私が燃え上がらないといけないのよ)


 指先が凍りついた! 冷たいのに熱い!


「『火よ!』」


 とっさに魔法を使う。指全体が炎に包まれて氷を溶かした。指先が凍ったまま壊死しなくてよかった。


「フシャァァァ!(何すんじゃこのアマ!)」


ニャ。(出来たじゃないの)


 パシュティさんは澄まし顔である。


「出来たって、何が?」


ニャー。(魔法よ。手のひらの上に炎を造るんじゃなくて、指の表面にやったら出来たじゃない。……それより髭引っ張るな! 痛い)


 しばらく、引っ張るよ。それ教えるのに人の指凍らせやがって! ムカつくんじゃ!


 やり過ぎて、引っ掛かれた。アルさんに治してもらおう。


「アルさん、引っ掛かれたから治して」


 アルさんの部屋に行くと中は怪しい薬品が所狭しと置かれ、その一角で何やら調合していた。


「また、パシュティにちょっかい出したのかい? ダメだよいじめちゃ」


 そう言いながら、治療魔法で治してくれた。


「あっちもちょっかい出してくるんだけど? ……それで少しは魔法出来るようにはなったけど」


「本当かい。じゃあ、見せてくれ」


 部屋は何かあると危ないので外に出る。ここなら何があってもいいしね。


 気合いいれて、今できる最大出力を……。


「『火よ!』」


 全身から立ち上る炎を見よ! これが人間松明だ!


「『水よ!』」


 わっぷっ! 頭から水ぶっかけられて溺れそうになった。何すんの!


「ペケ君! 大丈夫かい? 魔法を制御できなくて全身に回るなんて……火傷って……無いね」


 心配してくれたんですね。ありがとうございます。でもひどくねえ? ずぶ濡れよ。説明しなかった俺も悪いけどさ……。


 説明したらしたで、


「出来るようにはなったから、いいんじゃないかな?」


 目をそらすなや! 何かムカつく。





 

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