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パシュティさん待ちである。

 日が落ちて、夕飯にパシュティが現れなかった。アルさんに聞いてみたが、


「……聞かないでくれる?」


 そう言って目をそらされた。いったいどうなった!


「あっ、明日から御飯、パンとサラダだけになるから」


 ……は?


「お肉……無くなっちゃた」


 お肉ってあのワニ口ネズミだよね? ああ、パシュティが再起不能で取りいけないのか。


「パシュティ待ち?」

「パシュティ待ち」


 今日のお肉は味わって食べよう。


 夜~のとばりで~、猫になる~♪


ナー。(猫爪術を習おうと思ったのに、姉さんはグロッキー)


 柵の上に飛び乗り、月明かりに照らされた暗い木々を見る。ガサガサと音がするのはワニ口ネズミ等の夜行性の魔物のたてる音だろう。


ナー。(暇なのだ)


 柵の上から生い茂る木々をだらけて見ている。その木々の間から一匹の虫が出てきた。背中にユラユラ揺れる小さな火を背負ってエサを探しているのかうろちょろしている。


ーーパクッ!


 火を背負った虫が消えた。気がつけば、虫のいた場所にトカゲがいた。口から虫の足が見えるから食われたのだろう。


 トカゲはその場で回りの地面と同化するように消えた。気配も何もない。動いていないからそこにいるはずだが……。


 こんな風にたんたんと語っているけど、虫は俺の半分くらい。ゲジゲジみたく複数の足で這ってました。たぶん毒もあるだろうね。


 トカゲは俺の体よりも少しだけデカイ。全体的に平たく足が体の端の方に片側4本ずつついている。頭が虫を丸のみできるくらい大きいから俺も下手すると半分くらい持ってかれんじゃないかな?


 俺は暇潰しに小石を柵の上からトカゲがいた場所に向けて投げてみた。


 いくつか投げてみたが反応がない。いなくなったのだろうか?


 しつこく投げすぎてその場所に小山が出来た頃、今度は虫が集団でやって来た。その後ろには追ってきたのかワニ口ネズミが3匹着いてきている。


 虫が小山に近づくと小石の山をはねのけてトカゲが現れ、虫にかぶりつく。そして後からきたワニ口ネズミに見つかり、襲いかかられる。


 トカゲ対ワニ口ネズミ3匹の争いを上から眺める。まるっきり怪獣大戦みたいだ。ワニ口ネズミの1匹は噛みつかれ振り回される。残りの2匹が足に噛みついて動きを止めようとする。


 トカゲに噛みつかれたワニ口ネズミは反撃にトカゲの口に噛みついて引き剥がそうと頑張っている。


 口に噛みつかれてトカゲは狂ったように暴れ、噛みついていたワニ口ネズミは足を食いちぎられて瀕死になっていた。それを捨てて他のワニ口ネズミに頭を向ける。


 残った2匹はそれを見て逃げ出した。


 トカゲは瀕死のワニ口ネズミを腹におさめると地面と同化してわからなくなった。


 暇潰しに外に探検に行こうと思っていた俺は目の前でおきたリアル野生の王国を見て、おとなしく寝ることにした。下手に行くと命が足りない。


ナー。(俺がここに来たのって幸運に恵まれたんだな)


 なんにつけても、パシュティさん待ちである。

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