初心者用の教材を希望します!
「ペケ君、少しは文字を読めるようになったかな?」
そう言って、薬作りが終わったのか上から覗き込むアルさん。
「アルさん、もっと簡単なのないの? 前に持ってきたのってほとんど応用編だよね?」
俺、普通に簡単な魔法から覚えたいのよ。それなのに『土魔法と錬金術における雷魔法の応用』とか『水魔法での成分調整と重力魔法での圧縮過程について』なんて……そんな題名の本をやるな! いきなりハードルたけーよ!
よくわからないが、文字を読めるようになるのはそんなに時間がかからなかった。……異世界補正だろうか。最初、よくわからない単語とかを猫が偉そうに教えに来たのがムカついた。
粘土を入り口に置いたら入ってこなくなったけどな!
ニャー!
時折、ドアの前をうろちょろしているパシュティのことはトラウマが解消できるまでそっとしておこう。
「うーん。それならこれ」
アルさんから差し出されのは『たのしいまほう』と書かれた絵本だった。……極端だな!
なになに……『最初に魔力を感じよう。手のひらから、水が流れ出すイメージで魔法紙に手のひらを押し付けましょう。手を離すと魔法紙に色が付いています。そしてその色を……』
「アルさん、魔力紙プリーズ!」
「ないよ」
……なん……だと。
「あれはただ魔力が写るだけで本人の持つ資質を測れる物ではなかったんだ。だから今は私の作り出した粘土で資質まで計るんだ」
どうやって?
「魔力の色ーー赤、青、黄、緑、白、黒はそれぞれ火、水、土、風、光、闇に対応するんだが魔法を覚えたてのに人は意識して出そうとしても他の色が混じってしまうんだ。綺麗な色は単純にその威力にもなるからそれを覚えるためにも、粘土で色を出すのを覚えるんだよ」
成る程。コネコネにも意味はあったのね。
「そんな訳で、今日捏ねる粘土を置いとくからね」
置いとくのはいいんだけど、天井まで積み上げられたブロック状の粘土をどうしろと? はい、捏ねればいいんですよね。捏ねれば。
今日も粘土をコネコネして勉強をする。
ニャー。
相手にされなくて寂しく泣いている猫の声が聞こえるけど、放置で。あっ、窓の外にも粘土置いとこう。




