トラウマを植え付けたった!
夕飯はパシュティに一品捧げて、顔を血塗れにされました。アルさんも治療すんのを止めとこうとしたけど、土下座してお情けで治療して貰った。
そして、
ナー!(へい、ユー! 猫爪術を教えてちょうだい!!)
夜になり、アルさんが眠った事を確認してパシュティさんの元へ。そんでさっきの一言。
パシュティさんは後ろ向いたまんま反応しません。
ナー。(返事がない。ただの屍のようだ)
パシュティさんは後ろ向いたまんま反応しません。
ナー?(お姉ちゃん、暇かい? 夜のドライブに行かないか?)
パシュティさんは後ろ向いたまんま反応しません。
ナー。(粘土を)
フシャァァァ!
毛を逆立てて威嚇してくる。やっと反応してくれた。
ニャー。(なんかー、今日はー超ダルいって言うかーだめっしょ)
そいじゃ、粘土で……。
フシャァァァ!
パシュティさんが威嚇するが関係ないね。猫の姿で捏ねてみる。
モミモミ、モミモミ。ああーそこ。
捏ねているはずなのに、CM にでるデブ猫を揉んでいる猫にしか見えない。
色は変わっていくのだが、ニクキューの形についていくのは何でだ? ニクキュースタンプ、ポンポンポン。
粘土の全面に色とりどりのニクキューの花を咲かせ、いい仕事したぜ! と汗を拭う。
ナッ!(芸術作品が!)
目を離した隙に粘土の塊がスライスされて目の前に広がった。犯人は目の前にいる灰色猫だ。
ナー。(せっかく、良い作品ができたのに……)
題名? 『塗り込められるぬこ』 パシュティさんの悲哀が表現された作品です。
ニャー?(言い残すことはある?)
首筋に前足からのびる爪が添えられている。首回りの毛が凍りついてきてるんですけど……。
よく見ると爪というよりも刃に似た形をしている。北極の永久氷土から切り出し、名工に作られた刃。そんな印象を受けた。
それを爪先でちょいちょい触る。
ナー。(魔力を綺麗に爪に纏わせて伸ばしている。これが猫爪術か)
ニャー。(それが最後の言葉でいいな)
パシュティが爪を振り上げる。すかさず、
ナッ!(粘土で!)
パシュティが固まる。不意打ちの粘土はトラウマのパシュティにはきついみたいだ。さらに、
ナッ!(粘土を!)
ナッ!(粘土して!)
ナッ!(粘土する!)
パシュティの四方を囲み動きを封じる。マジで毛を逆立てて震えています。
ニャー。(助けて……)
一時間ほど放置して粘土を退けてやると泣くほど感謝された。
全身を引っ掻かれたけど。……げせぬ!




