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小汚ないオッサンが現れた!

ナー! ナー! ナー! ナー!(動物虐待反対ですから。痛いって!髭、ヒゲー!)


 あの日から2日経っているが飼い主の機嫌がなおりません!


 吐くまでワシャワシャしたあんたが悪いんだ! 尻尾は引っ張るのやめーい!


 お母様とミラはその様子を物陰から見てる。見てないで助けて!


…………。(…………)


 一通り俺がいじられてるのを見て、満足したのか2匹は去っていった! ガッデム! この畜生どもめ! ……そのまんまか。


 こんな時は無心になって終わるのを待とう。幸いにもニギニギ教の教えは有効だ。ニギニギ、ニギニギ。髭引っ張られながらニギニギ。耳引っ張られながらニギニギ。尻尾を……。


 しばらく無心(決して諦めの境地ではない)になって飼い主にいじられていると部屋に飼い主のお母さんが入ってきた。


 顔色が悪く、困ったような悲しいような表情してるけど……どったの?


「姉さん、こんな所出て家に帰ろうよ」


 お母さんが入ってきたドアから見たことの無いオッサンが入ってきた。あたまうすいし、顔色悪くてげっそりと痩せている。……いや、マジ誰だよ?


「お母さん、この小汚ないオッサン誰?」


 飼い主! 指差しちゃダメ! 下手なこと言うと拐われちゃうよ。


「だ、誰が小汚ないオッサンだ! お前の後ろにいるおばさんより若いんだぞ!」


「ふん!」


ーードスッ!


 腹を抑えうずくまるオッサン。お母さんの腰の入ったかちあげ気味の拳を良いところにもらったみたいだ。

 小汚ないオッサンは生まれたての小鹿みたいに震えながら踞ってる。

 それを見下ろしながらお母さんが言った。


「もういっぺん言ってみる?」

「……お姉さまは昔と変わらず美しいです。勘弁してください」


 少しの間、息を整えて復活したオッサンが、


「姉さん、家の再興の為に戻ってきてください。今ならベスター卿が後ろ楯になってくれます」

「もう、家は没落してるのよ。そんな事して何のメリットも無いわ」

「姉さんが妾に……」


 お母さんの額に青筋がうかぶ。


「あのクソオヤジ……。初めて会った時から嫌らしい目で見て、お父様に嫁にやるように言っていたから彼の尻ひっぱたいて逃げ出したというのに。諦めてなかったのか」


 ……前回の発言では、旦那さんが家から連れ出したように言ってたような? 違ったっけ?


「だから、姉さん」

「お断りよ! あんなエロオヤジに会うくらいなら、ナメクジだらけの洞窟に下着姿で入る方が何倍もましよ!」


 小汚ないオッサンが苦虫噛み潰した様な顔して睨んでる。


「仕方がない」


 睨んだまま、手を軽くふる。すると、ゴブリンがどこからともなく現れた。



 

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