えっ? 魔法って使えないの?(人間限定)
お母様が帰ってきている。毛繕いしてるとこ悪いけど聞いて。
ナー。(体から力(魔力)が抜けてだるいっす。これ鬱病ですよね)
ニャ。(また、変な事したんだろ)
頭にニクキューのせて爪立てようしないで! グリグリってのも止めて! 首が変な方向に曲がっちゃいます!
ナナー。(変態さんがいたから尾剣で足引っ掻けようとしたら魔力が抜けたんよ)
ニャ。(人間の前じゃ猫魔法は使えない)
は? 知らないよそんなの。説明kwsk!
ニャ。(猫魔法と人間の魔法は魔力の質が違うのさ)
ナッ!(なっ、なんだって~!)
ニャ!(わざとらしいわ!)
痛い痛い!爪爪ッ!
ナー?(だからって使えないのはおかしくない?)
ニャ。(人間が出してる魔力の方が濃いから、猫の薄い魔力は散らされるって言ってたね。長老が)
ガッデム! あの変態を見つけてもションベン引っ掛けることしかできないのか~!
ニャー?(それはいいけど、ミラがお兄ちゃんにいじめられたって言ってたけど?)
ッナー。(いやそれは、ちょっと違うって言うか~。見解の相違? ちょっと待って首が痛いから押し込まないで)
(ФωФ)
私は考える。このよくわからない息子の言ったことを。今も折檻してその辺でヘンテコな格好で死んだふりしている。
息子にも言ったが、普通は猫が人間の前で猫魔法を使うことができない。その前に使おうとさえ意識できない。
この子は普通じゃない。
長老の奇妙キテレツな言動に着いていくのを見たときから思っていたが、一種のてんさ……奇才を持って生まれてきたのだろう。どうなるのか悩むときもある。
しかし、どんな猫になろうとも私の息子だ。見守ってやるのが母親の役目だ!
ニャ?(お兄ちゃん?)
この間から私の娘になったミラが帰ってきた。この家の娘に振り回されて帰ってきたようだ。死んだふりしている息子を前足でツンツンしている。
ニャガ!(ミラ! マイ、シスター!)
ミラを抱きしめ、
ニャニャ!(寂しかったんだよ。お母様に潰されるし。慰めるために耳をナメナメされろや!)
ニャー!(おかあさん助けてー!)
必死で逃げようとしているミラがこっちを涙目で見ている。ノラの子供だから簡単にはね飛ばせるはずなのに……仕方がない。
ニャ!(何してんだ!)
ナー!(ひでぶー!)
踏みつけると潰された虫のようにじたばたしている。
ナー!(癒されたいのよ~。癒されたいのよ~。ミラがダメならフカフカオフトンでも可!)
本当にこの息子は普通じゃない!




