変態です!お巡りさん。
昨日はお母様が帰ってこなかった。その為、ミラの理不尽な寝相攻撃でシャレにならん事態になりかけた。
ナー!(痛いよ~!)
ナッ!(痛かったのはこっちだ!)
ミラの背中に乗っかって額にニクキュー16連打。誰だよミラに四の字固め教えたの。
ニャー!(お兄ちゃんのバカー!)
ミラはその罵声を残して飼い主の所に行ってしまった。胸に台詞が突き刺さって痛いが、後悔はしていない。
ナー。(き、今日もお外で遊ぶもんね)
トボトボと外に出ていく。さ、寂しくなんか無いんだからね!
外に出ると木の影に昨日の人がいる。
ナー。(ヨーヨー、兄ちゃんここで何してんの? 昨日もいたよね)
男は手先でシッシッてした。なめとんのか!
ナッ!(我、魔術を見よ! 尾剣!)
おお、きたきた。尻尾に魔力が集まっている。さあ、これで足を引っかけて……尻尾が伸びないんですけど? 魔力もいつの間にか尻尾からぬけてる?
ナー?(ホワイ?)
首をひねっていると、男の雰囲気が変わり真剣なものになる。何があった?
「遊びに行きましょねー」
家の方を見るとミラを抱えた飼い主が遊びにいくところだった。
ーーポタッ……ポタッ。
ん? 雨かな? でも色が赤い……?
「……天使たん」
ポタッポタッ落ちてきたのってお前の鼻血かよ!
「猫たんを一生懸命抱えて歩いている姿も愛らしい。このまま拐ってしまいたい」
ナッ!(お巡りさん!変態です!)
拐うとか言っちゃってるよこの人! 『イエス、ロリータ、ノー、タッチ』万国共通の合言葉よ? 知らんの?
「まあ、いっ今は君のことを迎えに行けないけど、計画がうまくいけば……」
計画? なんの事かわからんがろくでもない事だろう。許せん!
ナッ!(制裁!)
「オワッ! この猫がションベンかけやがって!」
小1時間ほどおちょくってやったぜ!
(ФωФ)
深夜、中天にかかる満月の下。
「ゴブゴブ」
木々の間を埋め尽くすようにゴブリンが集まっている。それはこれほどの数が集まっているというのに暴れる者もなく、ただ指示を待っている。
それから少し離れた場所にマントをかぶった影があった。ゴブリンの集まっているのを見て笑っている。
「もうすぐだ。もうすぐこいつらを使って計画を……」
月明かりの下、その笑い声だけがいつまでも辺りに響いていた。
ニャー!
それを見ている猫がいることは月だけが知っている。




