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子猫は鳥に拐われた!

ニャァァァ!


 俺は今日も空を飛ばされている。ああ、何ていい天気だ。青い空が何処までも広がってる。……現実逃避してる場合じゃない!


 近くの枝に全身でしがみつく! 尻尾でやれ? こちとら命かかっとんじゃい!


 しがみつき、ホッとした瞬間体が宙に浮いた。


ニャ!(チャバネ鳥!)

ニャ!(持ってかれる!)


 下ではお父様とホワートさんが慌てている。チャバネ鳥て?


 上を見上げるとワシのような猛禽類が胴を掴み羽ばたいていた。


ニャー!(お父様! 助けて!)


 足をじたばたさせても地面は遠ざかって行く。ああ、猫が蟻のようだ。


ーーそれから1時間後。


ナー?(どこ飛んでんの? ピースケ?)


 俺はチャバネ鳥とか言ってた鳥の背に乗っていた。暴れて落とされそうになったから首に尻尾巻きつけてよじ登ったんだ。気分はロデオ! 振り落とされないようにしてたらおとなしくなった。そんで、もとの場所に戻りたいんだが……。


ナー。(見渡す限り、緑)


 森の上を飛んでいるがどっちいけばいいのかわからん。 ピースケもピーピー鳴くだけだし。


「ゴブゴブ!」

「ゴブゴブ」


 第一森人、発見! ……汚れた緑の人だ。余りお近づきになりたくない人達である。何か追いかけてるのか? 1つの方向に向かっているみたいだ。


ナッ!(ハイよ!シルバー!)


 ピースケの首に巻いてある尻尾を操り、向かっている先へ飛んでもらう。ピースケも諦めているのかおとなしく向きを変える。


ナッ!(ノラがいた!)


 ピースケの上で手を振る。わき目もふらず走っているので見えるわけがない。人(?)を無視するとはいい度胸だ!


ナッ!(突撃!)


 急降下するピースケのくちばしがノラの後頭部に突き刺さる。そりゃもう、グッサリと。


ニャギャ!(イテエ! 何すんだテメエ!)

ナー。(ちょっと道を聞こうとしただけですが)

シャァァァ!(テメエは道聞くために後頭部にくちばしぶっさすのか!)


 虎縞のノラ。見た目ほんまもんの虎が毛を逆立てて怒っている。


ンニャ?(ん? 何でここに子猫がいるんだ?)


 最初に気づけや!


ナー、ナッ!(おじ様~。僕、迷子なんです。森の外まで連れてけや!)

ニャー。(なんだ、この子猫ガキ、親の顔が見てみたいぜ)

ナー。(外に連れていけば、見れますぜ。今ならなんとタダ!)

ニャガ!(皮肉で言ってんだ!)


 何怒ってんだろ? このオッサン。


「ゴブゴブ!」

ニャ!(来やがった! 逃げるぞ!)


 ゴブゴブって、さっきの薄汚い緑の人? 


ニャー。(ゴブリンだ。増えたアイツ等が集落を襲って来たんだ)


 マジっすか。



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