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【アニメ2期!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

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2403/2420

集まり、


「お手数をおかけして申し訳ありませんでしたブライス隊長。団服の汚れで身分証明を諦めてしまった自分の落ち度です。そういった方法も鑑みるべきでした」

「八番隊は掃討殲滅任務ばっかでこういう状況も少ねぇからな。まぁハリソンみたいに味方と戦闘まではしなかっただけマシにしてやる。真似すんなら勝手にしろ」


スタッフを誤射から守るべく武器を下ろせなかったノーマンも、今はしっかりと武器をしまい謝罪する。

味方や救出対象者の混じった場で戦闘を行うことが多い二番隊のブライスと違い、八番隊は単独行動も加えて他者に誤解されても問題無い局面や任務が多い。一番の潔白証明である団服を見事にベタベタに汚したことも、突入隊に対してあまりにも頑なな張り合いをしていたことも呆れるブライスだが、しかしきちんと謝ることができるノーマンをこれ以上責める気はしなくなる。ハリソンであれば間違い無く武器を向けてきた突入隊も全員交渉の余地なく無力化していただろうと考えれば、むしろ良い子な方だと思う。「行くぞ」と一言掛ければ文句も言わずついてくるノーマンに、ブライスも小言を捨てて報告を促した。

侵入者経路は破壊し、舞台裏の侵入者殲滅後にスタッフ通路へとスタッフに案内を頼み追討を行っていたとノーマンも正確に説明する。


「しかし、先ほどの爆破で侵入者らしき者達がこちらに逆走してきました。恐らく先ほどの爆破音に恐れて逃げ帰ってきたのでしょう。自分も彼らの掃討と、スタッフの安全を優先し一時撤退を選びました」

「よーし正解だ。その爆破も味方だから問題はねぇ。陛下の元へ戻るぞ」

会場の侵入者を掃討していたブライスは、爆破の正体が何者かも想像はついていた。

ノーマンを連れ、再び会場の人混みを押しのけ進むところで今更ながらに怪我の有無も彼に確認する。血塗れなだけで、傷は一つもないと語るノーマンもそこで初めてブライスの怪我の有無を確認した。


突入隊の数と迅速な誘導のお陰で、早々に会場の人口は激減し始めたお陰で帰りは二人も歩きやすくなった。

一階席の会場からちらりと見上げれば、まだ主君が残り、こちらを見下ろしているのが目に入った。途端に二人も静かに足を早める。途中、アネモネ騎士と第一王子がスタッフ用通路から会場に姿を現したのを見かけたが、もう足を止める暇はない。主君がまさか近衛騎士である自分達を待っている可能性を鑑みていなかった二人は、無駄口の一つもなく階段を駆け上がった。

突入隊による避難誘導は二階席の来賓は当然優先され、既に半数が消えていた。

その中で女王ローザを始めとするフリージアの王族は全員が悠然と席に掛けてそこにいた。

近衛騎士として護衛を続けたケネス以外にも、突入したフリージアの騎士達がずらりと今はその背後に控えている。


「よく戻りましたね。ブライス、ノーマン」

大変お待たせ致しました。そう、ブライスとノーマンは意図せずとも綺麗に声を揃えた。

フリージアの騎士達が控えているところから考えても、本来であればとっくに会場外へ避難していた筈の王族が全員残っていたことにブライスもノーマンも表情に出さずとも疑問を浮かべる。何か問題でもあったのかとも考える二人をよそに、そこでゆっくりと最初に腰を上げたのは摂政のヴェストだった。

長時間座っていたことによる服の皺を伸ばし、周囲の安全を確認するべく見回すヴェストの手に今は剣も握られていた。騎士が傍にいる以上安全は間違い無いが、それでも女王の補佐として彼女を守るべくの心得もあるヴェストは騎士から剣も受け取っていた。


「さぁ、もう宜しいでしょう姉君。満足なさったのであれば我々も早く会場から退避すべきです」

「母上っ、お二人を少しだけお借りしても宜しいですか?!」

ここに居ては他の突入隊の邪魔になるだけでなく、自分達を守るべく控えている騎士達も次の行動に移れない。そう判断し、落ち着いた声で告げるヴェストに、ローザと共にティアラも立ち上がった。

明らかに自分を待っていた様子の王族達に、流石のノーマンだけでなくブライスも大きく瞬きをする。騎士としても今は無駄口を叩ける状況ではない為、同じ騎士に尋ねることも、そして彼らも教えることはできない。当然、王族へ直接口を聞くなど論外である彼らへ跳ねた足でティアラが駆け寄った。女王に許可を得たまま、二人を傍へと手招く。

アネモネの宰相へ呼びかけ、そして断られた叔父と母親がケネス達を連れて先に階段を降りるのを見計らった。第二王女に呼ばれ、姿勢を正しつつ近付く二人にティアラは口元に手を添えて声を潜める。


「母上、自分の近衛騎士の初任務を見届ける義務があると仰ってずっと待っておられたのですよっ。お二人ならすぐに戻って来られると、ヴェスト叔父様も信じて共に待っておられました!」

もちろん私もですっ!と、誇らしげに胸を張るティアラの姿はブライスとノーマンの目にも幼く映るほど愛らしかった。

しかし今はそれ以上に、まさか女王が自分達をわざわざ待とうとしたという事実に衝撃を受ける。自分達に任務を命じたのは確かに女王だが、避難誘導となればそちらを優先するのが当然だ。それを、初任務を見届けたいという理由だけで留まるなど信じがたい。更には、それを摂政と第二王女まで良しとした。騎士への信頼があってこその行動だが、それでも近衛騎士を待って危険な場所に留まるなど、それこそ王族でも最高権力者の女王でなければ通らないような暴挙だ。たとえ第二王女のティアラが「残ります」と言ったところで、騎士達に無理矢理避難させられていてもおかしくない戦場に、今この会場は成り果てている。

少なくとも、元々はそんな感情論で留まるような人間ではなかったとブライスは言葉にせずとも確信する。女王として常に完璧であった彼女が、そういった基本を逸脱する行動など騎士達の間でも滅多に聞いたことがない。

「行きましょっ」とご機嫌で二階席からの階段へと向かうティアラの背後につきながら、ノーマンも首を捻りたい気持ちをぐっと自重した。

血しぶきを拭き取るのが遅れたせいで、少しまだ汚れの残った眼鏡で進むノーマンの目つきにティアラが「どうかなさったのですか?」と気付いたその時。


「ティアラ・ロイヤル・アイビー第二王女殿下!!」


息を切らせ、駆け込んできた。

ローザとヴェストが階段を降りきったところまできちんと待ち、それから避ける騎士達の横をすり抜け階段を逆に駆け上がってくる王子に、ティアラはきょとんと瞬きを繰り返した。


「よくぞご無事で」と、頬を湿らせながらも満面の笑顔を浮かべるミスミ王国第三王子に。


「ぁ……アルフォンス第三王子殿下っ……どうしてお戻りに……?」 

駆け寄ってくる影が何者かを理解しながらも、一度は阻むようにノーマンとブライスは前へ出る。

女王により一時的に借りた形とはいえ任されたティアラの護衛として、安易に近づいてくる相手を通しはしない。それは、たとえ相手が王族であろうとも同じである。

危害を加える為に扮した別人の可能性もあれば、王族同士であろうとも諍いや暗殺など歴史でありふれている。

ミスミ王国の第三王子もまた、阻まれたところで目の前の騎士を無礼とは思わない。自分もまた背後に護衛の兵士を連れている。

ティアラを目前に一歩引いた位置で踏みとどまる第三王子は「突然申し訳ありません」と礼儀を通した上で改めて挨拶を重ねた。


「フリージア王国がまだ避難をされていないと聞き、居ても立っても居られず……!この度は我がミスミ王国の警備不行き届きで大変申し訳ありませんでした」

「いえ、とんでもないことでございます。それよりも早く避難をしましょう」

私達もちょうどこれから避難するところでしたと笑うティアラに、ノーマンとブライスは互いに無言のまま視線を通わせる。

一国の王子が駆けつけたにも関わらず落ち着き払い優雅な笑みで返すティアラは流石は第二王女だと思う。同時に、こんな戦場にわざわざティアラを指名して駆けつけるその心意気も賞賛に値する。これ以上わかりやすい意思表示も少ないとすら思う。

それは、ローザの護衛として先に階段を降りていったケネス達騎士隊もまた思考の中では同じだった。一斉突入により、ミスミ王国の警備兵達が駆けつけてから一度は誘導されるまま優先的に会場からミスミ王国の王族は全員避難している。それをわざわざ戻ってくるなど、この状況でなかなかできることではない。

一度は国王と王妃、そして兄弟達と共に会場外にまで避難した第三王子だったが、自分達とほぼ同時に自国の護衛隊が駆けつけた筈のフリージア王国がいつまで経っても会場外に出てこない。何か遭ったのではないかと考えたところで、国王にもフリージア王国を捨て置けないと許可を得て護衛と共に舞い戻っていた。

侵入者に苦戦しているのか、異例の事態が起きたのかとここに来るまでにいくつもの可能性を鑑みたが、実際はただただ近衛騎士が揃うのを待っていただけの話である。しかしそれを知り得ない王子は、無事なティアラの姿に心から安堵の息を漏らした。

本当にご無事で良かった、と。一度は置いていってしまったことに不義理を覚えながらも今は見ないふりをして笑みを作る。これから階段を降りる彼女に「どうぞ」と手を差し伸べた。

わざわざ自分の為に戻ってきてくれたのであろう王子に、ティアラも控えめな手つきでそれに応える。第三王子からの好意は一年以上前から自覚しているティアラだが、まさかこんな状況で戻ってきてくれるほどとは思わなかった。


─ こういうふうに、私の為に頑張ってくれる人は意外にいるのかもしれない。


もしかすると。と、ティアラは胸の底で小さく思う。

少し前までは、姉であるプライドの存在が大きすぎて誰も彼も絶対に自分より姉に心を奪われるに決まっていると信じて疑わなかったティアラだが、今は少しだけ自分に自信も持てている。

未来の王妹として民の前に経つ覚悟を決め、父親やジルベールの補佐をし公務にも関わり学んでいる。プライドの内面を知れば誰だって心を奪われると確信は今も変わらないが、〝自分〟だからこそ好きだと思ってくれる人も世界には存在することを今は知っている。少なくとも、間違い無くたった一人は。

そう考えれば、今自分の手を取ってくれる王子もその一人かもしれないとも思う。

自分を心配してわざわざ駆けつけてくれた。しかも彼に対しては、自分は変にいじわるになってしまうこともなく素直に好意を受け取ることができる。


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― 新着の感想 ―
セドリックー!!!来るでしょ!?早くー!!
ティアラがちょっとづつ自覚してるのが嬉しい! こんな感じでプライド様も第一王女だからじゃないってわかってくれたらいいけど…まぁあっても遠そう
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