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【アニメ2期!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

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2402/2418

Ⅲ322.会場は開け放たれ、


「来賓関係者の皆様は安全の為!指示があるまでその場を動かないで頂きます!!!」

「侵入者が紛れ込んでいる恐れがあります!!我々が順に誘導致します!!」

「抵抗する者は何人であろうとも来賓全体の安全の為一時拘束をさせて頂きます!」

「誘導無しに出てこられる御方はミスミ王国並びにフリージア王国が合同検挙致します!!」


号令が、複数人から一斉に放たれたのは僅か一分前。

各国の護衛代表者による命令に兵士も騎士も関係なくそれぞれの正面扉へ蹴破らん勢いで飛び込んだ。少し前までは固く内側から施錠されていた筈の扉はどれも何の詰まりもなく開け放たれた。

すぐにでも安全な会場外へと駆け出そうとする来賓を、騎士や兵士の多くが一声に制止をかける。開催国であるミスミ王国、そしてフリージア王国という名に来賓達も我に返り、足を留まらせた。

ある程度の権力がある国の王族であろうとも、決してふんぞり返れない国を挙げられれば従うしかない。間違って検挙されるのも恥、そして検挙されたことに後から文句を言おうにも、敵に回したくない大国を盾に出されてしまえば従う他ない。

それでも構わず来賓貴族の振りをして正面出口から逃げようとする侵入者もいたが、それも雪崩こんでくる兵達の流れに押されて辿り付くのもままならない。やっとの思いで正面扉の先へと縫い込み出ようとすれば、すかさず監視に立っていたフリージア王国の騎士に取り押さえられた。

静まり返っていた筈の扉が突如として全て開け放たれ、そこから大勢の突入まであっという間の出来事に反応できず、意図せず立ち尽くす者もまた多かった。


「ッ陛下!!ご無事ですか!!」

「国王陛下お待たせ致しました!!」

「姫様!!お怪我はございませんか!?」

突入した兵や騎士が最初に優先し駆けつけるのは、当然ながら自国王族の元だ。

フリージア王国から事情を聞き、一度は騎士団長とミスミ王国により会場外で控えていた彼らとその一団が国同士の関係を越えて協力したのも自国の王族を救う為に他ならない。負傷した護衛はいても、王族には傷一つないことを確認してから彼らはまた動く。一部は王族の護衛に、そして残りは裏家業を始めとした掃討対象へと惜しみなく剣を振るう。

会場内の警備とは異なる、最低限以上の武器を使う戦闘の熟練者達を相手に勝てる者はそういない。明らかに武器を持つ、もしくは王族や来賓の証言により判明した侵入者は捕らえ、武器や抵抗を見せれば斬り伏せる。

中には往生際悪く人質を取ろうと手近な人間を捕まえる者もまた出てくるが、牽制する間に〝見えない相手〟に武器を叩き落とされ無力化される。

騒動に乗じて紛れ動くのは、フリージア王国の透明化の騎士もまた同じである。


「招待状をお出しください!!招待状を提示された方から外へとご案内致します!!」

彼らの呼びかけに、来賓は誰もが招待状を握り掲げる。

この会場へ入る為に提示が必須である招待状を持たない来賓は一人もいない。騎士や兵士もその証拠を手に、来賓の数を確認し数組ずつ外へと誘導していく。突入した王族護衛隊だけではない、ミスミ王国の警備達もまた大勢が来賓を丁重に誘導へと務めた。

更に二分の時間差を置き、会場避難経路からも別働隊が突入した。真正面のみならず、その裏側からも大勢の兵士や騎士達がなだれ込み、はさみ打ちにされる侵入者達に逃げ場はない。堂々と会場内を行き交うのは、掃討作戦に参加した兵士や騎士のみだ。


「おーいノーマンいるかぁ?そろそろ撤収しろ」

その突入隊の群れを我が物顔で切り込む騎士の一人は、やや眉間に力を込めたまま溜息交じりに舞台裏へと足を運んだ。

正面扉からも避難経路からも突入による人口密度増加が続く中、当然舞台にもその手は伸びていた。来賓のいる会場席と比べれば密集の度合いも少ないが、救助の順番を待つスタッフ達だけでなく侵入者掃討の為の掃討隊も大勢が集った後だった。

もう味方同士を見つけることも難しい中、ノーマンと行き違いになることも考えたブライスだが、真面目ではある彼がまだ侵入者相手に最後まで戦闘に集中をしている場合も考え呼びに来た。ただでさえ八番隊は個人行動の癖が強い。

突入が始まったところでブライスは目の前の侵入者だけを始末して切りを付けたが、討伐すべき相手を補足して深追いするのは若者のよくあることだと思いながら、ブライスは混沌とする舞台裏を進み歩む。王侯貴族のような来賓はいないが、何人ものスタッフが救助を求めて声を上げている。しかし突入した兵士や騎士もその多くが侵入者全掃討を優先し、今はスタッフにまで配慮ができない。重傷者のみは運び出し、軽傷者や怯えるだけの者を横切り侵入者捜索に走り抜ける。


「ッですからもう侵入者はいません!!全員騎士様が倒してくれたのですから!!!」

そう、恐怖を通り越して怒声まじりに叫ぶスタッフの声が聞こえれば、ブライスも「仕事はしたな」とややのんびりとノーマンに思う。

自分達の救助よりも侵入者掃討や競売品の確保ばかりを口にする兵士や騎士に、救助を後回しにされるスタッフ達が不満を覚えるのも当然だった。優先順位として仕方ないことと言うならば、そのスタッフ達が緊張の糸が切れた後で感情が逆立つのもまた仕方ない。

普段の任務であれば被害者を第一に救助へ動くブライスも、今は安全は保証されたスタッフを横切り進む。貴族と違い、スタッフ証は持っていても招待状を持っていない彼らが本物か偽物かをきちんと判断することはミスミ王国の警備達でなければできない。突入隊に今できることは、彼らへ危害を加える根源を排除することだけだ。

そんな中「騎士様が倒してくれた」という言葉に、ブライスは少なからず満足を覚える。

ノーマンがスタッフの安全を優先して動いたからこそ出る証言だ。八番隊へはハリソンのせいで不信感も拭えないブライスだが、やはりアーサーが推薦しただけはあると思うことにする。

ここにもいない、ここにもいないと、スタッフや突入隊に紛れながら進むところでやっとノーマンらしき影を見つけたブライスは、そこで小さく息を吐いた。……突入隊の兵士と異国騎士に囲まれ武器を()()()()()()()ノーマンに。


「もう一度言う!!人質を離せ!!武器を捨てろ!!」

「何度でも申しますが自分は騎士で背後に控えているのがスタッフでこの者達はそれなりの格好をしているだけの侵入者の一味です。自分に武器を向けることは無理もないことと認めますがスタッフにまで銃口を向けるのはやめて下さい道案内だともう五度は言っています」

あ゛あ゛あ゛……と、ブライスは折角見直したノーマンの状況に頭を押さえる。やはりノーマンも所詮は八番隊だったと諦めた。

十人以上いる突入隊の中にフリージアの騎士がいなかったことがそもそもの不運でもある。頭から血を浴びて真っ赤に染まったノーマンは本来のたんぽぽ色の髪色もわからないほどだった。眼鏡も返り血で汚れよく見えない状況で、非常に目つきまで悪い。その中で、貴族の侵入者を捻り上げその首にナイフを突きつけるノーマンが着ているのが純白だった団服であるという判断は誰の目にも難しい。

そのノーマンの背中に隠れている男性二名も、力仕事の為に身体付きがしっかりしている二人であることも不幸の事故の要因だった。

ブライスも冷静な目で見れば見るほどに、オークションの来賓である貴族が殺戮犯三人に人質に取られている光景にしか見えない。スタッフ二人も必死に無実を訴え、突入隊側に行こうとするが逆に「動くな」と武器を突きつけられる。更にはまだ息のあったその闇オークション参加者貴族が「助けてくれ」と被害者を気取るから余計に事態を悪化させていた。


「ッノーマン!!!血塗れで何言っても説得力あるかァボケ!!」

一喝と同じ声量を放ったブライスに、ノーマンだけでなく突入隊も全員が大きく振り返る。

ノーマンほど返り血の量は多くないブライスだが、しかし彼もまた団服の上着を纏っていない。ノーマンと同じように侵入者側かと反射的に何人かには銃口を向けられた。

「何者だ!!」と怒鳴られたところで、ブライスも自分が団服がないことを思い出す。何よりノーマン以上に自分の人相は悪い。上着がなくとも装いから身分のある護衛者であることは判断できるが、それが侵入者かの可能性も否定できない。が、しかしブライスへの構えはすぐに解かれた。団服の上着を置いてきた今、その下に着込んだ鎧が露わになっている。

遠目ではわかりにくいが近距離であれば間違いようがない証が、その鎧の胸中央には刻まれていた。フリージア王国騎士団の紋章だ。

失礼致しました!!と、慌てて銃の構えを解く兵達の視線はブライスの顔にではなく紋章へと集中していた。様子を見たノーマンも、その手があったかと今気付く。


「フリージア王国騎士殿とお見受けします。……彼の証言は、まことでしょうか?」

「ええ、ご推察の通りです。大変失礼致しました。ブライス・アッカーマンと申します。二番隊……いえ、フリージア王国ローザ女王陛下の近衛騎士を任じられております。彼もまた同じく陛下の近衛騎士の一人です。装いから誤解なさるのも無理はないでしょう」

なにがお見受けだ今さっき銃口向けたくせにしらばっくれるなボケ。……そう、心の中で念じながらもブライスは言葉を整え深々と礼をする。

人相や先の発言を置けば、騎士らしい振る舞いのブライスと〝女王の近衛騎士〟という言葉にやっと突入隊も武器の構えを下ろした。ノーマンとブライスに謝罪を済ませ、招待状を持たない貴族を捕縛する。

またその先に侵入者はいないかと、足早に会場裏の奥へと進んでいった。


「お手数をおかけして申し訳ありませんでしたブライス隊長。団服の汚れで身分証明を諦めてしまった自分の落ち度です。そういった方法も鑑みるべきでした」

「八番隊は掃討殲滅任務ばっかでこういう状況も少ねぇからな。まぁハリソンみたいに味方と戦闘まではしなかっただけマシにしてやる。真似すんなら勝手にしろ」

ブライスの鎧は紋章を特別に敢えて入れてあるだけだ。

特殊能力で身体は強度を誇るブライスだが、その分無茶な突入をすることも多い。特殊能力の身体は耐えることはできても団服は耐えられず破損することが多い為、他に壊れにくい箇所へ騎士の証を入れることにした。


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そりゃ血塗れだってら説得力ないわなww
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