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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

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そして混乱する。


「他の連中は誰一人巻き込んでいねぇ。もともと奴隷共を回収する為だけの援護要因だったからな。お前らに奴隷は任せるって決めたから結局こうして俺一人で来た」


全く自分に非はないと言わんばかりのレオナルドの傍には、確かに貧困街の人間は誰もいない。

たった一人でここに入ってきた。どうやってと思うけれど、もともとこの情報を持っていたのがレオナルドだ。最初から入り口も知っていれば、……力尽くで通ることも難しくない。

騎士達が見張っている筈だけれど、逃げるならともかく裏家業達を倒して一人で乗り込んでいく男を引き留める理由もない。どちらにせよ騎士達が突入して制圧するのだから。私達が潜入していることも知っている今、騎士達も自分達の存在を闇オークション側に知られない方が優先される。

レオナルドは知らず知らず騎士達の監視の中で堂々とここに侵入してきたのだろう。そして、おあつらえ向きにロビーには人がごった返していたと。……そんな彼の、今の目的は残すは一つしかない。


「奴隷共はもう逃がしたか?それともこれからか?別にお前らと競う気も戦う気もねぇさ。こっちが済んだら瓦礫も俺が除けてやる」

奴隷の保護がまだなら今のうちに、もう逃がした後ならちょっと待ってろと。一方的な申し出の彼は、昨夜のように私達と戦うつもりはないことはわかった。本当に奴隷に関しては私達に全面預けて、……その上で自分は別件でここまで来たということになる。

つまり彼にとっては私達との警告を無視して乱入してきたのではなく、ただただ純然たる〝居合わせた〟だけだと。……あくまで、彼にとっては!!


ごくりと、喉が鳴る。私だけではない、この状況を前にもう皆レオナルドの目的はわかっている。火を見るよりも明らかだ。

バサァッと広げた翼をはためかせれば旋風が吹き、そして死体を踏みつける彼の足が浮く。地下のロビーで、天井に頭が触れるまで浮かぶ彼を前に、客は誰も瓦礫撤去に動こうとしない。もうここまでの間にどうなるか、嫌というほど見せしめをされた後だ。

女性の悲鳴が上がり、男性が逃げ腰で震え上がる。いくら権力を持っていても護衛が死んでしまっては彼らに持つ手段はない。銃だって利かないとわかっているなら余計に刃向かう気力も削げた後だろう。

誰よりも高い位置で彼らを見下ろしながら、レオナルドは笑う。ニィと口角を上げて、もうアラン隊長達を見ていなかった。彼の中にだけある正当性を胸に、文字通り宙を舞う。


「闇オークション参加者全員ぶち殺した後でなぁああああああ?!!!」


ハハハハハッ!!と雄々しい笑い声と、新たな阿鼻叫喚が響き渡す。

決して広くはない地下空間で、レオナルドが観客達の密集するど真ん中へ翼と共に飛び込んだ。その瞬間、エリック副隊長が「いけません」と手を横に伸ばすのと、ステイルとカラム隊長がそれぞれ私の目を覆うのが殆ど一緒だった。

アーサー達がもう二歩後方に下がるように引っ張ってくれる中、二人の指で覆われてない範囲から血が飛び散るのがちらりと見えた。ビシャアッ!と肉の裂ける音と一緒に血がプール際の水しぶきのように何度も大きく跳ね上がる。

戦場はもう初めてではないことを皆知っている筈なのに、それでも覆いたくなるような光景であることは私も理解はできた。

戦場というよりも、惨状と呼ぶ方が正しいからだろう。


ゲームでも、そして現実でもこの目でレオナルドの破壊力は知っているからわかる。前世で言えば、人混みにトラックが突っ込むような凄惨さだ。

人が死ぬのも、凄惨な光景も、今世では耐性がある私だけれども、それでも戦場とも違う光景は確かに直視しがたいだろうと静かに思う。大人しく目を隠されながら、もう一つの恐ろしい状況に指先が僅かに震えた。


今、レオナルドを止めることは物理的には不可能ではない。だって、アラン隊長もエリック副隊長も堂々と動けるのだから。きっと二人だけでもレオナルドを止めることはできる。ただ、今この状況で、…………もう理由が、ない。


ここが、普通のオークション会場なら私達の命令も必要なく騎士達も飛び込んだ。

ただ、彼らは闇オークション参加者だ。そして、既に母上が国王に殲滅の許可も得ている。騎士団が突入すれば、どちらにせよ闇オークション参加者の結末は変わらない。人身売買以上に、闇オークション開催はミスミ王国でも死罪に値する重罰だ。騎士達が裏家業に値する彼らを守る為にレオナルドに挑む理由がない。レオナルドに罪を犯させない為だけに、護衛を放棄できるわけもない。

状況がもう少し違ったら、たとえ悪人でもレオナルドの人殺し行為は止めるべく動けたけれど、今この場にいる騎士達は全員奴隷救出と私とステイルの護衛だ。優先順位が違う。そしてレオナルドは私達への攻撃意思はない。むしろ立場だけで言うならば、私達はレオナルドを裏家業達から守る方が正しい。

ただ、守る意味なんてないくらいレオナルドが圧倒して掃滅しているだけだ。


まさか、この状況も全てレオナルドはわかってここまで来たのか。そう思うと恐ろしい。

私達の正体までは知らない筈だけど、彼は本当にただただ闇オークション参加者を皆殺しにする為にここまで怪我を押してまで来たのだから。

殺意、という言葉の意味を再認識するような感覚に襲われる。


「……そろそろ突入時間です。レオナルドも一時拘束されるでしょうが……」

ぼそりと、カラム隊長が私達に聞こえる声に抑えて教えてくれる。

突入した騎士が驚異もしくは敵と判断しなければ、彼の罪状はあくまで「殺人罪」程度だろうか。一般人が罪人を殺すことが公的には認められているわけじゃない。邪魔をすればそこに執行妨害も含まれるだろうけれども、彼の発言から考えると邪魔しない程度の分別はありそうだ。正気でここまで皆殺ししているのも恐ろしいけれど。

彼が今暴れているのは仲間の為でも、奴隷達の為でもない、ただの憂さ晴らしだ。いや、復讐と言った方が正しいかもしれない。レオナルドの復讐心を舐めていた私の責任だ。

ゲームではラスボスであるオリウィエルへの憎しみを募らせていた彼だけれども、そもそも彼は自責と人身売買をはじめとした裏家業のことも──



『俺は、二度も奪われた』



「…………え?!」

思わず出てしまった声が、ステイルの手の中で膨らんだ。

ステイルが肩を上下させ「どうなさいましたか」と尋ねてくれるけれど、今は瞼が開いたまま瞬きもできない。あれっ、今、なんか、すごく大事なことを??

嫌だこの感覚、すごく、すごく覚えがある、わかる。今、頭に過ったゲームのレオナルドの台詞をもう一度思考の中で掘り返す。

主人公のティペットに、哀しげに吐露していた横顔だ。私、なんて思った??人身売買をはじめとして裏家業のことも彼は恨んでる。それはわかってる知っている。でも、でも彼の恨みはアレだけではなくて……?!

足下がおぼつかない。さっきの揺れみたいにぐらぐらする。視界まで回ってきて、心臓が理由もわかる前から予兆みたいにバクついた。どうしよう、まずいと感情の方が先に前に出る。

レオナルドの大量殺戮から私達を守るために前に立ってくれているアラン隊長とエリック副隊長が視界の中でこちらに振り返る。姿は見えなくても、ステイルか、アーサーか、カラム隊長か誰かが私に呼びかけているのかもしれない。

頭がぼうっとして耳まで情報が脳に届かない。それよりもゲームの記憶を掴むのに必死で余裕がない。確か、レオナルドが人身売買だけじゃなく裏家業が嫌いなのは

「ハハッ!命乞いしろ!!今度は俺がお前らの人生を奪ってやる!!」




『今度は俺がお前らから全てを奪ってやる!!!』





ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

今暴れるレオナルドの宣言が、強制的に記憶を引っ張り出した。今の彼よりも遙かに、怒りと増悪を抱いたレオナルドの顔が頭によみがえる。ああああああもう私は!!なんで今まで思い出さなかったのだろう!!!

先生やオスカーに続いて、レオナルドの詳細も全部把握する前に満足していた!駄目だまずい!!こんなところで殺戮観覧なんかしている場合じゃない!!!なによりも!!


「もごっ!!もっ……ッ彼を!!!今すぐ止めてください!!!!!」

ステイルからの手を今度こそ振り払い、肺の底から騎士達へ声を張る。

アラン隊長とエリック副隊長も大きくこちらに目を見張る中、私は姿の消えたまま構わず手を伸ばす。今も暴れ続ける彼へと五指を伸ばし、騎士である彼らに〝予知〟の形で




ドッッガァァアッ!!!!!!!!




明確な爆破音が、新たに重なった。

今までのレオナルドのものとも違う、激しい爆発音に声が空になる。アラン隊長とエリック副隊長もこちらに背中を向けて素早く剣を構える中、第二撃目が間を空けずにまた爆風と共に爆音が響かされた。


今度は吹き飛び落下した物体が、ロビーに現れた。床に墜落し、観客を巻き込んだのは会場に通じる分厚い扉だった。

しかも一階ではない、上階の二階席に通じる扉が内側から吹き飛び落ちてきた。突然のそれにレオナルドも止まったのか、悲鳴も消えた。アラン隊長がのぞき込めば、その正体を確認したらしく大きく目を見開いた。


「ハリソン!!」


アラン隊長が声を張った途端、短い風が吹いたと思えば私達の目の前にハリソン副隊長が姿を現した。

剣ではなく大振りのナイフを二本纏めて片手に握っている。本人は傷一つないまま真っ赤に血飛沫だけ浴びるハリソン副隊長は、レオナルドも観客も無視して鎖の手足でアラン隊長の眼前に立つ。

なにやらかしてんだとアラン隊長が大声を上げる中、それも無視して重ねるハリソン副隊長の報告事項は簡潔だった。




「緊急事態だ」





これ以上の最悪が、まだあった。


「バッドエンドから一年後~誰にも期待されない魔法使いの私が、伝説の精霊魔法使いに実力を認められ王子を救う~」

ncode.syosetu.com/n9682ly/

本日最新話更新されました!

第三章完結しました…!

是非、これを機会によろしくお願いします。


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