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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

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そして凝視する。


「おお!また上がりました!!七十七番による入札です!!」


一体どこまでやってくれるのか?!と、面白おかしく声を上げる進行役に、ステイルは札を上げた手のまま無表情で目も合わせない。

たとえ表向きの芝居としてでも奴隷を競りで買い取るのは気分が悪いのだろう。


最高額から少し上乗せした額を提示したステイルに、再び競争相手の入札が入るけれど、今度は間髪入れずにまた同じ要領で額を少しだけ上乗せした金額を上げていく。相手が倍額にしようと、桁数を増やして突き放そうとも、あくまでステイルの値段の上げ方は変わらない。相手よりほんのちょっと上の金額を永遠と提示し続ける。


さっきから、……いや開始からずっと。こうして出てくる商品全てを私達は競り落としている。

アザミー商会という仮名で飛び入り参加したステイルと、そして上の階で同じく仮の商会名で参加しているセドリックとで、全てをだ。

あくまで私達は飛び入りねじ込み参加の商会だから競り落とすのも一応は一定額以下の品だけだ。それ以上の、高額奴隷や武器、薬物みたいなテーブル席の商会が払えておかしいと思われる額まで跳ね上がった商品は上客席にいるセドリックに競り落としてもらうように打ち合わせしている。

客一組で独占ではないように、二組に分けて潜入した理由の一つがこれだ。さっきなんて、ハナズオの盗品だろう黄金の国のペンダントを王弟自ら競り落とした。彼がこれをきっかけに鎖国したくならなければ良いけれど。


落札額のすみ分けもしているから、私達が協力し合っているとは思われにくい。

いくら高額になろうとも、結局は支払いと商品引き取りの手続きを行う前に騎士団が攻め込んでくる手筈だから問題ない。最悪の場合はステイルの瞬間移動で逃げられる。

今、一番最優先すべきなのは、商品が他の客に持ち逃げされないことだ。

途中退場が可能のオークションでは、他の客が競り落とした商品を持って一足先に帰ろうとされたら、追うかその場で捕らえるしかない。最悪の場合は取り逃しだ。この場で闇オークションを殲滅できても、競売品と所有者を見失っては意味がない。無事ティアラからの合図もステイルが受け取ったし、騎士団が攻め込んでくることも決まった今は一つもオークションの品を取りこぼすことなく確保しておかないといけない。


今までも最新機密横流し武器や一人目の……アネモネ王国出身の奴隷も、金銭的価値のある盗品はステイルが、そしてさっきの強盗に殺された画家の遺作や他にもリントン兄弟の共同芸術作品に演奏家の楽器とか芸術的価値で金額が恐ろしく跳ねあがった品は主にセドリックが確保してくれた。

あくまで商品の系統ではなく金額の跳ね上がりでの仕分けだけど、なかなか芸術的マニアがいる品ほど粘着質が良くも悪くも多いと思う。文字通り金に糸目をつけないほど欲しい人が入札するからだろう。

さっきもそれで、セドリックが競り落とした直後画家の熱狂信者にナイフで殴り込みされかけていた。はたから見ればセドリックなんて、なんでもかんでも高いものを競り落としている嫌な参加者なのだろうなと思う。ただしここで嫌な客は、私達にとって誉め言葉だ。


無事また奴隷にされた民族女性の安全を確保したところで、彼女もまた舞台からおそらくは買い取り決定した用の控え場所に連れていかれていった。

今のところは順調だ。開幕直後に商品変更や追加も順番と一緒に舞台上の進行役に説明されて把握している。あと三列リストが進めば、この不快な発表会も中断されると自分で自分に言い聞かせる。民族女性が舞台から引っ張り連れていかれて間もなく、

また新たに舞台へリストの商品が連れられてくる。また人間だ。五人目の奴隷に、もう説明を受ける前から眉間に力が入る。「本日最初の目玉商品です」と声高に進行役が語る奴隷は、格好もボロ切れではない綺麗な衣装を着せられていた。それだけで出品者の嫌な商売意欲がよくわかる。上等な恰好を見ると、誘拐された王侯貴族かもしれないと嫌な検討がついてしまう。ヒラヒラとしたドレスに全身包まれた姿と、その細い身体つきから女性だろうと



「─────!!!!」



声が、出なかった。

椅子に掛けていなかったらフラつくどころか腰を抜かしたかもしれない。自分でも瞼がなくなっていくのがわかる中、その横顔から目が離せなかった。数秒呼吸も止まってしまう。

傍にいたアーサーが囁く声で「どうしました?」と尋ねてくれる中、唇が震えてすぐには返事ができない。頭の中に膨大な記憶が一気に蘇ってきて、目が開いているのに見えなくなったかのようだった。待って、嘘、あの子は。

さっきまで、舞台の裾から鎖で引っ張られてくる角度では長い髪に隠れて顔が見えなかった。けれど、客である私達に向けて正面を向けさせられた途端、怖いくらいに今まで気づかなかった違和感が浮き上がる。あああああああなんでずっと気づかなかったの?!せめて変に思うべきだった!!!

その顔をもっとちゃんと見ようと、気付けば席から立ち上がってしまっていた。


奴隷扱いされてきたとは思えないほどに綺麗な白い肌、細い手足と首の小柄な身体、柔らかそうな亜麻色の長い髪と同色の瞳、もう疑いようがないゲームで見た姿そのものだ。

今にも飛び出したい欲求を抑えながら、歯を食いしばる。今まで、ティペットや先生、オスカー、それにレオナルドのことが立て続けて頭から抜けていた。言い訳だ、今までちゃんと違和感や疑問を持つきっかけは山ほどあったのに!!

目の前の舞台に立たせる子を見つめながら、口もぽかり開いて渇いた。今まで思い出せなかったどころか、忘れていたことに罪悪感までこみ上げる。進行役の説明が聞きたいのに頭に入ってこず耳の奥で反響する。


キミヒカの、第四作目。主人公はティペットでラスボスはオリウィエル。そして攻略対象者は隠しキャラをいれて五人。アレスとラルク、先生にオスカーとレオナルドだと、そう思い込んでいた……!

違う。違った。ぞわぞわと怖いくらい全身の毛が逆立つ感覚が止まらず震える拳を握る。

攻略対象者は、五人だったことは変わらない。だけど、認識は間違えていた。そこに彼ら全員は含まれない。第四作目の隠しキャラはティペットと幼馴染だったことが判明する先生だって思い出したのに、なんでそのままラルクを数に入れていたの?!ずっとラルクのゲーム攻略が思い出せなくて、隠しキャラだからだとそれまで思っていたのに!!


ずっとラスボスと一緒に行動をしていて、中ボスの立ち位置のラルク。アレスにとっての重要人物でも、他のルートでは操られていた悪役だ。

攻略対象者達がティペットと一緒にサーカスから逃げ出すのが物語のスタートなのに、どうしてラスボスと一緒に彼らを追い詰めるラルクが主人公と恋愛ができるのか。

オリウィエルが操れる人数が三人。アレスルートで、アレスを覗いた三人をラスボスが操ったからラルクは特殊能力が解けて解放されアレスと主人公を助けた。でも先生は??

最初からティペットの幼馴染として彼女に恋していた彼はオリウィエルに特殊能力で操られるわけがない。そうだアレスルートに一人、一人いた!!他の仲間がオリウィエルに操られた時たった一人!猛獣に押さえつけられていた人が!!

アレスルートの最終決戦。主人公とアレスを前に、次々と他の攻略対象者達が無力化される。ラスボスの支配下に落とされたり、猛獣に押さえつけられたりと様々だった。そう、とっくに思い出していた筈なのに。

ゲームをしていた時にはただラルクの猛獣使いとしての見せ場としか思わなかったけど、今わかる。

猛獣に押さえつけられていたのは先生だ。

アレスと、三人とそして押さえつけられていた隠しキャラである先生の五人こそが正しい第四作目の攻略対象者だ……!


そうだ、アレスルートで人数仮定した時だって、ラルクが隠しキャラと思ったのも、アレスとラルクを抜いてあと三人がオリウィエルの支配下になったから!!隠しキャラの先生が支配下にならないなら他にもう三人いるに決まってるでしょう?!

先生を思い出した時にだってちゃんと!あの人は離脱していることが多いって思い出したのに!!なんで一本に繋げられなかったのか!!

つまり、先生を抜いてもう一人オリウィエルの支配下へ一時的に落ちた攻略対象者がいる筈だった。そもそも、第四作目の攻略対象者は全員特殊能力者の設定だ!ラルクは猛獣使いだけれどそれも本人の素養であって特殊能力ではない。特殊能力がないとラルクに確定した時点で攻略者候補から外すべきだった。

ラルクは隠しキャラじゃ、ない。彼は



第四作目〝ファンディスク〟で初めて導入された攻略対象者だ。



第四作目だ。第一作目とも二作目とも違う、第三作目が大ヒットしたあとの新シリーズの第四作目にはファンディスクが存在する。第四作目のラスボスを倒した後の世界だ。

アレスルートでも他のルートでも悲惨な死が多かったラルクへの救済処置かのように追加されたラルクルート。そこで、ラスボスから生きて解放されたラルクが、自分の罪と向き合いながら主人公と恋に落ちるルートがある。ああああああそりゃあ他のアレスのルートみたいに思い出せないわけだ!!ストーリーの開始からして彼らと違うのだから!!

だから、攻略対象者はもう一人いる。サーカス団の一員で、特殊能力を持っていて、恋をしたことがない人物。ティペットと出会って初めて恋を知り、心の傷を癒される人物それこそが。




「ミシェルっ……!」




「さぁそれではご拝聴ください!かのフリージア王国の特殊能力者!!〝奇跡の声〟を持つ歌鳥です!!」

第四作目でもラスボスプライドが嫌われた理由。第四作目の攻略対象者全員が〝奴隷の過去持ち〟もしくは〝奴隷狩り被害者〟だったから。

正真正銘最後の攻略対象者。私の零した声など打ち消しながら進行役が軽やかな声でドレスに身を包む〝彼〟を観客の前に晒した。


ラス為アニメSeason2・第11話が<<本日>>放送です!

https://lastame.com/

TOKYO MXで毎週火曜22:00~

無料のABEMAで毎週火曜22:30~

放送です。

皆様に心からの感謝を。

本日2話更新分、次の更新は木曜日になります。

Ⅲ165-1.222.189.181


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― 新着の感想 ―
ファンディスクときたか。 今後もリメイク版とかスピンオフみたいな設定も出てくるのか気になる。
サーカスに歌姫とかいないのかな?とちょっと思ってたけどいたのか...
鳥肌が止まりませんでした…!予想外の展開にプライド様と一緒に呆然としてしまいました、今でも心臓がバクバクしています!
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