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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

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そして覚悟する。


「ごめんなさいレオン。アネモネ王国にとっても大事な催しを前にこんなこと……」

「君が謝ることじゃないさ。憤りを感じるのは僕らと同じだろう?君らにとっても大事な催しでもあった筈だ」


滑らかな笑みとともにかけてくれるレオンの言葉が五臓六腑まで染み渡る。本当に、その通りだ。

もともとミスミオークションに今年参加を決めたのは我が国としては外交目的が大きい。けれど、…………今回私達にとって、ミスミ王国のオークションにもそれなりに思い入れがある。我が国は競り落とす側の招待ではあるけれど、アネモネ王国からはオークションに商品も出される。その中の一つが我が国の特殊能力者が作った希少な発明、という名のネイトの発明だ。

ネイトが!!頑張って作った発明の大事な華々しいデビュー戦なのに!!直接は関係しないとわかっていても、その真下で闇オークションなんか行うっていうだけでも許せない。せっかくネイトの発明を最良の形でプロヂュースしてくれようと出品枠をくれたレオンにもアネモネ王国にも本当に申し訳ない気分になってしまう。

闇オークションと違って、公式のミスミ王国オークションはそもそもそういう互いの国の交流と文明や功績発表の場でもある正統な催しだ。

カラム隊長だってきっと良い気はしないだろうと、さっきまでは説明役に努めてくれておいた彼を目だけでこっそり覗く。きゅっと引き締まった顔がいつもよりも表情筋に力が入っていた。ネイトの発明を橋渡ししてくれているだけでなく、プラデストを通してネイトにも騎士の中できっと一番思い入れの人だもの。

そしてネイトだけじゃない。確か、あのネルの……!!!


「ローザ女王は何と?まさか憤るだけではあるまい」

「ええ。もちろん事実なら見過ごせないと言ってくれたわ。流石にこれからミスミ王国の国王と話すのは難しいけれど、明日のオークションで会う予定だから直接事実を確認するみたい」

「しかしそれでは間に合わない。開催が同時である闇オークションについては、俺から提案をした」

セドリックからの問いかけに返した私に、ステイルが続きを請け負ってくれる。ここは甘えてバトンを託し、私は皿の料理へと再びナイフとフォークを手に取る。食欲があるわけではないけれど、前世の影響もあって理由もなく食事を残すことに未だ抵抗がある。


通信の特殊能力を持つ騎士に馬を走らせるとしても、今この時間帯からでは難しい。明日はミスミにとって大きな催し当日だし、我が国でも時間を割いてもらうことは無理だと判断された。

最大かつ確実な機会はやはりオークション当日の出席時だ。もともと我が国との交流を求めて招待した主催国なのだから、こちらが黙っていても必ず挨拶には来る。話す機会もその時にいくらでもあるだろう。関係していようと無関係であろうとも、我が国に知られた時点でミスミ王国の国王も目を逸らすことはできない。

ただ、開催同時ということは、その間に刻一刻と闇オークションも開催が進んでいるということになる。もし迅速にミスミの国王が兵を動かしてくれたとしても、闇オークションの関係者を全て取り締まることは難しい。

同規模の大規模なオークションで、地上では主要国の為の警備もある。

そこから別兵力を呼んで突入させても、壊滅どころか逃げられる可能性の方が高い。形式によっては競り落とされた商品が持ち帰られた後かもしれない。

当然母上もヴェスト叔父様もそれまで日和見はする気はなく、騎士団長も呼んで具体的な対処を命じようとしたところでステイルが手を挙げた。「僕に提案が」と、その場の思い付きだけではない策を提案してくれた。間違いなく、闇オークションの存在を知ってからずっと考えてくれていたのだろうなと思う。

母上達にも話したその策を、今この場でも「内密に」とセドリックとレオンに念押ししてから改めて語った結果。…………二人とも目を見開いたまま、しばらく放心したかのように表情が固まっていた。うん、気持ちはわかる。でも、私にとっての都合だけでなくミスミ王国との軋轢も生まず、国家間の越権行為の問題も考えた上で確実に闇オークションを壊滅するにはそれが一番確実だと私も思った。

母上とヴェスト叔父様も提案を聞いた時は、あまりの構築具合に驚いていた。ヴェスト叔父様の方は関心していたようにも見えたけれど。

最後まで言い切った後に、一瞬はっとした顔のステイルが同じく驚いている私を見て「もちろん、御三人の了承をいただいた上でですが」とちょっと私に姿勢を低くしていた。多分、事前に私に相談しなかったことを考えて申し訳なくしてくれたのだろうなと思うけれど、むしろ今あの場で母上と叔父様も含めて私達三人に相談してくれていたのだから良かった。

結果、ステイルの策と提案が認められてさっそくその方向で騎士団長にも任務依頼と連携協力を命じてもらうことになった。騎士団長もステイルの策ならきっと納得してくれる。

そして当然、策を提案したステイルにも一部任されたこともある。


「さっそくこの後本格的に詰めていくつもりです。アネモネ王国にはご迷惑はおかけしませんので、ご安心ください」

ミスミのオークションも滞りなく終えることは我が国にとっても望むところですから。と、にこやかにレオンへ笑いかけるステイルから、それでもうっすらと黒い気配が見える。腹黒策士、の言葉が頭に過る。いやレオンやアネモネ王国に滞りなくご迷惑をかけたくないのは本心なのだろうけれども!

綿密な策を提じてくれたステイルだけど、母上達に許可を得ただけだ。騎士団は騎士団長に任せれば大丈夫だろうけれど、問題は騎士〝以外〟だ。母上達から条件とともに正式に許可を得たこちらに迷いはない。

レオンは母上達と同じくミスミ王国の正式なオークション参加だけれど、他の動きは別だ。さっそくこの場でステイルがセドリックに尋ねたら、二秒くらい葛藤した後に「奴隷解放のためにできることがあれば!!!」と力強く答えてくれた。……本当にセドリックありがとう。

ステイルもセドリックにお礼を返してから、テーブルに両肘を置いて指を組んだ。


「ところでセドリック王弟、ティアラとはもう話は終えたか?」

途端、さっきまで勇んだセドリックの身体が大きく揺らた。

眼球がこぼれてしまいそうなほど大きく開いたところで、顔が驚くほど一瞬で真っ赤になる。しゅぼんっと音まで聞こえた気がした。……うん、どうやらもう話した後ではあるらしい。

にこりと、ちょっと意地悪も含んだ気がする笑みで尋ねるステイルに、セドリックがもう通信兵を介して会話は終えたと弱弱しい声で教えてくれた。続けてものすごく丁寧に、通信兵を手配したこととティアラとの会話許可をしたことに感謝の言葉をくれたけれど、見事に目の焦点が合っていなかった。多分、ティアラとの会話をいろいろ思い出しているのだろうなぁと思う。

この様子だとまさかまた恥ずかしいことでも言って怒られたのだろうか。数秒前の力強さが嘘のようだ。さっきまで申告な表情だったレオンまで心なしかセドリックを見つめる眼差しが温かい。「良かったね」と伝わるような優しい笑みに、レオンにも恋心がバレバレなのだとわかる。まぁ式典であれだものね。


「もしや……か、会話の内容も………ご報告すべきでしょうか……」

「いいや必要ない。これから俺もティアラと話すつもりだったから、もしお前がまだならば優先しようと思っただけだ」

たどたどしいセドリックへはっきりと告げるステイルは、そのまま「寝る前に急がなければな」と食堂の時計を見た。

ティアラと?と瞬きをするセドリックに、ステイルはにっこり笑顔だけで今度は返した。そういえばまだそのことは言っていないと私も気づく。多分セドリックに配慮したのだろうなと思う。

ここでまだセドリックがティアラと通信兵を介してなかったら「いえ!私のことよりもステイル王子殿下の用を優先していただければ!」と遠慮して身を引くセドリックの姿が目に浮かぶ。すでに終わったならばステイルも遠慮はいらないだろう。


皿を片付けられ、食後の紅茶を出されたステイルは得意げにカップを手に取った。

なんかもう一周回って今はこの得意げなステイルに安心してしまう。それだけ彼の中でも策が順調ということだろう。むしろこれから交渉に難があるのは…………。……そう思った途端、さっきまで感じてなかった筈の一方向からの視線がチクッと感じた。母上達の前では無言を通して聞き流してくれた彼だけど、交渉はきっとこれからだ。私もきちんとステイルとすり合わせをこの後もしたいと思えば、頼るだけの私はまだしもステイルの方はちょっと心配になる。

騎士団長とも打ち合わせしたいだろうし、「詰める」ということは明日の策をより完璧にしたいのだろう。今夜ちゃんと眠れるだろうか。


「す、ステイル、あまり無理はしないでね……?もう夜も遅いけれど、明日が一番大事なのだから……」

「ええ勿論です。むしろ姉君にそのままお返ししたいくらいです」

下手すれば気合が入ったまま徹夜しそうなステイルにお願いすれば、今度は手痛いお返しをいただいた。これにはぐうの音も出ない。正直、私も明日の策について全部把握するまで眠れる気がしない。できる限りはステイル達とともに策と詰めに参加させてもらうつもりだ。

ただの検挙や摘発じゃない。オークションにかけられている大勢の民の人生がかかっているのだから。

それでもただ落ち着かない私と違い、さっき許可をもらったばかりの策を可動させる為に動くステイルはずっと頭を動かさないといけない。明日も私に付いていてくれるつもりの彼が、無理をしては元も子も




()()()()()()()()()()()考えますのでご心配なく」




…………おっ……と…………?

思わず口の端がヒクついた。にっこり笑顔で言い放ったステイルの言葉を頭の中で反復する。今、当然のような口調でこの国にいない人物の名前が上がったのは間違いない。いや、ティアラと同様で距離なんてステイルにとって関係ないのはわかっているけども!!

もう私達が宿に到着した時点でジルベール宰相は帰っていておかしくない時間だ。それをもう決定事項のように言うステイルの目は、冗談を言っているものではない。むしろ漆黒の瞳が鈍く光っている。


「もう父上の耳には入っているでしょうし、母上にヴェスト摂政そして姉君もお怒りだと知ればそれはもう喜んで協力するかと」

ははははは、と棒読みの笑い方をするステイルに私も今は枯れた笑いしか出てこない。怒ってるのはステイルもよね??と言いたくなる。

確かに最上層部全員お怒り案件で、しかも今回の策の内容を思い返せばここにジルベール宰相の知恵を借りない方が悪い。きっと、ジルベール宰相も闇オークションのことを聞いたらそれはもうお怒りになるのだろう。

そこまで考えたところで、切れ長な目を鋭くする絶対零度のジルベール宰相が目に浮かぶ。うん、むしろここで省いちゃいけない気もする。明日の朝まで知らずにもう策が進んでいますとか知ったら、公務としては父上が呼び出しをしなかった時点でジルベール宰相に問題はなくても本人が気にするだろう。

母上、ヴェスト叔父様、父上、ジルベール宰相、ティアラ、騎士団にそしてこの場にいる全員を思えば、ふとレオナルドの言葉が頭に浮かんだ。明日まで起きないだろう彼が、約束を守って身を引いてくれるのを祈るしかない。

彼が闇オークションの奴隷達を見過ごせないのはわかる。けれど、こっちはこっちで国の矜持として動かせてもらう。



〝全面戦争〟



そう呼べるほど被害は出さずとも、フリージア王国は同等の覚悟で動くことが決まった。



ラス為アニメSeason2・第5話が<<本日>>放送です!

https://lastame.com/

TOKYO MXで毎週火曜22:00~

無料のABEMAで毎週火曜22:30~

放送です。


是非、よろしくお願い致します。

皆様に心からの感謝を。


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