表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2327/2329

Ⅲ276.王弟は謝罪し続け、


『でっ……ですから!謝らなくて結構です!!』


いやしかし、と。セドリックは正面に映る映像に向けていた顔をわずかに俯ける。せっかくの待ちわびた時間だというのに、やはり自分では彼女を不快に思わせてしまうばかりだということが今も歯痒い。


レオンとの話し合いも一区切り付き、プライド達の帰還よりも先に夜が来てしまったセドリックはもうすでに異なる内容で数回謝罪を映像の先に繰り返していた。

自分以外は誰もいない宿泊部屋で、彼が話をしているのは他でもないティアラだ。今日、レオンとともに待機を命じられたセドリックはその引き換えにと通信兵による連絡手段と、そしてティアラとの通信をプライドとステイルに許可を得ていた。公務の補佐を終えた夜の時間帯であればと、その申し出に返事をしたティアラと念願叶い、フリージア王国とラジヤ帝国の一端で特殊能力による通信を繋げられた。


部屋の一か所に視点を置き、騎士も退室した双方で事実上二人きりでの会話はそれだけでセドリックもティアラも緊張はひとしおだった。

改まって二人きりで会話することなど、ティアラに至れば恥ずかしい時しか思い出せない。唯一の救いは、セドリックの顔が今は自分の目には別人である分違和感で逆に話しやすいことくらいだ。


本来ならば別の話題から入るつもりのセドリックだったが、神子の想定以上の状況が動いた為、それどころではなくなった。

「公務補佐で疲れているところですまない」から始まり、プライド達は一度宿に帰ってきてからまだ帰還していないことを隠さず伝えればそれだけでティアラの表情が曇ってしまったから仕方がない。ただでさえ昨日プライドにとっての大事件があった後だ。心配するなという方が無理な話だった。

自分がティアラと会話する頃にはプライドが無事戻ったと伝えられるだろうと思っていたセドリックも、これには申し訳なさが募った。プライドのことで胸を痛めている彼女に余計に不安を煽ることになってしまった。

そこでまた謝罪し、ティアラから昨日のプライドの様子はどうだったかと尋ねられれば自分の記憶の限りは正確に答えたが、やはり自分は彼女を元気づけることすらもできなかったことに謝罪した。そして今、プライドが帰りが遅い理由を尋ねられればセドリックも話そうとした口を一度閉ざした。

フリージア王国の第二王女とはいえ、潜入中の身でフリージア王国の騎士団まで動いた事態を自分が勝手にティアラに教えて良いのかと躊躇った。きょとんとするティアラに「俺の一存でどこまで話していいか……」と正直に伝えれば、また彼女の不安を煽ってしまうばかりだと謝罪しか出てこない。もっとやりたいことがあった筈なのに、通信をつないでからまだ自分は彼女の役に立つどころか謝罪しかできてない現状に、セドリックはじわじわと表情が険しくなるばかりだった。

映像のティアラから「こちらもある程度は知ってますから!」と潜めた声で逆に助け船をよこされる。


『奴隷収容所の件とっ、あと例の一人が貧困街で発見されて確保次第我が国で保護するということは父上とともに共有されていますっ』

今までのティアラならば知りえなかったが、今は次期王妹として王配である父親の補佐や宰相であるジルベールの手伝いをしている。

プライドの状況についても詳細に摂政のヴぇストから報告を受ければ、ティアラが知るのも自然な流れだった。今日貧困街で予知した民の一人をプライドが発見した、そして奴隷収容所にも捕らえられているだろう特殊能力者もまた予知した民であると。その為に騎士団が動かされたことも、ヴェストが直接協力し足を運んだことも少し前に報告されたことだ。無事動かぬ証拠である被害者を見つけたことで、騎士団による操作も行われ、今はもう収容されていた奴隷達の確認と施設の調査にも許可が下りていることも知っている。

むしろ騎士団の状況についてはセドリックよりも知っていた。


『領主からも早々に対処と厳罰が約束されたということですけれど』

「ああ、賢い領主で幸いだった。恐らくは切り捨てただけで、無関係ではないのだろうがお陰で穏便に処理された。ラジヤ本国との摩擦の心配もない」

自分は関係ない、初耳だ、許されないと。そう主張を一貫する領主は、フリージア王国の騎士団から女王の名の元に協力を求められれば全て快諾し応じた。生き延びるには正しい判断であるとセドリックは思う。

本音を言えば協力していなかったわけがない領主も罰せられるべきだと思うが、ここは自分の国ではない。フリージア王国の民が今も不当に奴隷にされようとしていた事実を認め、無駄に騒ぎ立てることをせずフリージアの介入を認めただけ良かったと思うことにする。ここで言い逃れをしてラジヤ本国を巻き込むような騒ぎにされれば、不要な争いが増えるだけだ。


ティアラがこくこくと頷きながら「その通りですね」と律した表情で返せば、そこでうっかりセドリックは見惚れかけた。

彼女の表情がまた以前よりもさらに風格を増していると鮮明な記憶とともに思う。やはり次期王妹となるべく今も経験を積んでいるのだなと、ふと感慨にまで耽ってしまう。自分の歩幅など、彼女の歩数と比べれば他愛もないと本気で思う。

映像越し、しかも視点と映像に映る彼とは別であるにも関わらず、それでもティアラはその熱視線を感じてしまった。気のせいだと思おうとしても、セドリックを相手だとそうは思えない。沈黙になってしまったことも気づかないで真剣な眼差しで見つめてくるセドリックに、ティアラも振り払うように口を動かす。おかしくもないのに緊張で口が笑ってしまい、実際は目が合っているわけでもないのに映像の彼と目を逸らす。


『ヴェスト叔父様はっそのっ、もう帰られたようでしたので!てっきりお姉様達もそろそろかと思いました……!』

「俺もそう思ったのだが……しかし、心配はない。何かあればステイル王子殿下から知らせがあるはずだ。近衛騎士達も全員が彼女の傍にいる」

そんなティアラの焦りにも気づかず、あっさりと言葉の誘導先へと話題を向けるセドリックは落ち着いた声色で彼女に返す。

そうですよね……!とティアラもこれには相槌を打つだけでとどめた。余計なことを言えばまた彼がプライドのことで自分に謝罪するとわかった。別に自分は謝って欲しくて今日の通信連絡を受け入れたわけじゃない。

姉が今日も調査に動くことも、その為に近衛騎士やステイル、そしてヴァルが離れず傍にいてくれるだろうことはティアラもわかっている。いつの間にか自分が連絡をよこした方のセドリックに気を遣ってしまっていることに自覚した途端不思議と気恥ずかしくなる。


セドリックからおそらくは今も捕らえられている奴隷被害者の保護で貧困街に引き渡しをごねられているか、もしくはその被害者が会話できる状況ではないか、説明に時間を取られているのだろうと可能性をいくらか提示されるのを聞きながら、ティアラは別のことを頭の隅で考えてしまう。今のところはいつもよりはちゃんと素直に話せていることに、やはり直接目の前にはいないからだろうと思えば今度からは暫くこのやり方で話をしたいとまでこっそり思う。

彼女から相槌しか受けられないことに、セドリックはやはり自分との会話に疲れたのだろうかと考える。ただでさえプライドのことで心を痛め、今日も忙しない公務の後だ。そう思えばまた謝罪が口についてしまいそうになりながら、セドリックは改めて話題を決める。


「……昨日、プライドはどのような様子だった?」

『あっ……えっと、最初はとても戸惑っている様子でしたけれど……さっ、最後は大分いつもの調子だったと、思います……そちらではいかがでしたか?』

「お前の言う通りのままだ。ステイル王子から事情を聞き、お前のお陰なのだろうと思っていた」

『わっ、私だけではありません!父上もジルベール宰相もいましたしっ……』

プライドのことを尋ねられ、またティアラの視線が泳いでしまう。

ただ事実を話しているだけなのに、少し胸騒ぎを覚えてしまう自分がいる。大好きな姉の話はいつだって聞きたいし話したい筈なのに、今この状況でセドリックに聞かれるのは話題にうまく集中できない。早く話題を変えてしまいたいとすらうっすら思ってしまう。聞くのは良いのに、聞かれるのは胸がもやりと雲がかる。

もうセドリックが誰を好きでいてくれているのは、痛感といえるほど思い知っている。しかし、今はせっかくこうして話ができているのにと、姉の嬉しい話題ならばまだしも暗い気持ちを思い出す話題に気づけばぎゅっと見えない位置で拳を小さく握ってしまう。


「しかしお前の支えあってこそだろう。だからこそステイル王子もお前の元にプライドを託したと思っている。やはり兄弟姉妹とは良いものだな。お前も、突然のことに戸惑ったわけではないだろう」

『そっ、それは勿論っ……ですけど、お姉様はちゃんとお話ししてくれたらわかってくれました!私は妹ですから!お姉様のこともそれなりにわかってますもの!』

流石だな、と。セドリックに評されれば、そこでやっと心も持ち直す。ただただプライドが取り乱していたことを思い返させられるかと思えば、もっと明るい話題でとどまった。

ほっと、静かに息を吐きながらティアラは表情には出さないようにしてしまう。そして、会話は流れるように互いに今度は止まらない。


「兄様の判断のお陰ですっ。兄様が託してくれたのは私も本当に嬉しくて……あっ、でも変な誤解はしないでくださいね?!あくまで兄様として嬉しくて……!」

「!そ、れはわかっている……!もう……~っすまない、兄妹の関係に勘ぐったことは心から謝罪する。ステイル王子から聞いたのか?」

「??何のこと…………!まさか貴方!兄様にまで余計なことを言ったんですか!!!」


バンッ!と思わずくつろいで座っていた椅子から立ち上がってしまう。


ラス為アニメSeason2・第4話が<<本日>>放送です!

https://lastame.com/

TOKYO MXで毎週火曜22:00~

無料のABEMAで毎週火曜22:30~

放送です。


是非、よろしくお願い致します。

皆様に心からの感謝を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ