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嘘の向こう側  作者: 亀


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第一百七十章 再利用条件

「次回利用条件――業務名称区分一致。」


女は、その文字を見ていた。


「また、条件。」


「うん。」


「本人ではない。」


「そう。」


「個人識別情報でもない。」


「そう。」


「業務名称区分。」


「そう。」


女は画面を拡大した。


「つまり。」


「うん。」


「この外部照会の結果は。」


「そう。」


「一度使って終わりじゃない。」


「そう。」


「同じ条件を満たせば。」


「うん。」


「もう一度使える。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「そのときも。」


「そう。」


「本人確認は不要。」


透が詳細を確認した。


「本人識別――対象外。」


「やっぱり。」


「そう。」


女は少し黙った。


「じゃあ。」


「うん。」


「この情報が次に使われるときも。」


「そう。」


「名前が業務名称として扱われている限り。」


「そう。」


「同じ情報として。」


「うん。」


「再利用できる。」


「そう。」


「誰の名前なのかは。」


「対象外。」


「そう。」


女はノートを開いた。


「最初の処理。」


「うん。」


「名称照合。」


「うん。」


「業務名称。」


「そう。」


「外部照会。」


「そう。」


「結果。」


「該当情報あり。」


「そう。」


「そして。」


「うん。」


「再利用条件。」


「業務名称区分一致。」


「そう。」


女はその流れを見つめた。


「一度、業務名称になったものは。」


「うん。」


「その後も。」


「そう。」


「業務名称であることを条件に。」


「うん。」


「使い続けられる。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「最初の分類が。」


「そう。」


「後の利用条件になる。」


「そう。」


女はペンを置いた。


「やっぱり循環している。」


「そう見える。」


「最初の分類が正しいかどうかを。」


「うん。」


「もう一度確認するのではなく。」


「そう。」


「最初の分類を前提に。」


「うん。」


「次の処理をする。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「最初の分類が間違っていても。」


「そう。」


「その後は一貫して見える可能性がある。」


「そう。」


女はしばらく黙っていた。


「一貫しているのに。」


「うん。」


「最初が間違っている可能性がある。」


「そう。」


「これは。」


「うん。」


「記録だけでは見つけにくい。」


「そう。」


透は画面を見た。


「だから。」


「うん。」


「今回も。」


「そう。」


「過去記録を何度も見ている。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「過去記録と一致することが。」


「そう。」


「最初の分類が正しかった証拠にはならない。」


「そう。」


女は頷いた。


「一致した。」


「うん。」


「だから正しい。」


「違う。」


「一致した。」


「うん。」


「だから同じ人。」


「違う。」


「一致した。」


「うん。」


「だから同じ案件。」


「違う。」


「一致した。」


「うん。」


「だから本人。」


「違う。」


女は一つずつ言葉を切った。


「何に一致したか。」


「そこを見る。」


「そう。」


透は次の履歴を開いた。


「再利用条件の設定履歴。」


「いつ?」


「一年半前。」


女が画面を見る。


「旧名称関連情報を再利用するため。」


「そう。」


「条件設定者。」


「M―2。」


「また。」


「そう。」


「本人識別用途。」


「禁止。」


「業務名称用途。」


「許可。」


「旧記録参照。」


「許可。」


「そう。」


女は少し考えた。


「兄の日より。」


「うん。」


「ずっと前。」


「そう。」


「つまり。」


「うん。」


「この再利用条件も。」


「そう。」


「兄の日のために作られたわけではない。」


「そう。」


「兄の日は。」


「その条件が。」


「そう。」


「実際に使われた日。」


「そう。」


女は画面を見た。


「また。」


「うん。」


「仕組みが先。」


「そう。」


「出来事が後。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「出来事を見て。」


「そう。」


「仕組みが作られたと思ってはいけない。」


「そう。」


女は頷いた。


「でも。」


「うん。」


「その条件が。」


「そう。」


「兄の日に。」


「うん。」


「使われたことは。」


「確定。」


「そう。」


彼女はそこだけをノートに書いた。


「設定――事前存在。」


「適用――兄の日。」


「目的――一致とは別。」


透はその文字を見た。


「目的――一致とは別。」


「うん。」


「つまり。」


「うん。」


「条件が存在していたことと。」


「そう。」


「兄の日に何のために使われたか。」


「そう。」


「別に考える。」


「そう。」


女は画面を戻した。


「じゃあ。」


「うん。」


「次。」


「何を見る?」


「再利用された後。」


「うん。」


「誰が。」


「そう。」


「どこで使ったか。」


「そう。」


透が履歴を開いた。


「過去三年間。」


「うん。」


「再利用された記録。」


「何件?」


「十三件。」


「兄の日も?」


「含む。」


「十三件のうち。」


「うん。」


「外部照会まで行ったもの。」


「三件。」


「本人所在関連情報確認まで行ったもの。」


「二件。」


「両方が重なるのは。」


透が止まった。


「兄の日だけ。」


女は画面を見た。


「また。」


「そう。」


「完全に同じケースはない。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「似た処理はある。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「兄の日だけを見ても。」


「そう。」


「意味が分からない。」


「そう。」


女は過去二件を開いた。


「一件目。」


「うん。」


「業務名称として再利用。」


「そう。」


「旧記録参照。」


「そう。」


「その後。」


「業務名称更新。」


「外部照会は?」


「なし。」


「二件目。」


「うん。」


「業務名称として再利用。」


「そう。」


「外部照会。」


「そう。」


「回答あり。」


「うん。」


「本人所在関連情報確認。」


「なし。」


女は三件を並べた。


「同じところ。」


「うん。」


「違うところ。」


「そう。」


「兄の日だけ。」


「うん。」


「本人所在関連情報確認まで行く。」


「そう。」


「そして。」


「うん。」


「X―4から外部照会。」


「そう。」


女は画面を見つめた。


「だから。」


「うん。」


「ここが。」


「そう。」


「今のところ一番特殊。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「特殊だからといって。」


「そう。」


「兄のためとは限らない。」


「そう。」


「業務上の別条件が。」


「うん。」


「重なっただけかもしれない。」


「そう。」


女は頷いた。


「じゃあ、その別条件は?」


透は条件比較を開いた。


「名称使用区分。」


「業務名称。」


「うん。」


「業務区分。」


「所在関連情報。」


「うん。」


「入力経路。」


「業務窓口。」


「うん。」


「外部連携。」


「あり。」


「記録外情報。」


「あり。」


「補完。」


「あり。」


「差異。」


「あり。」


「その全部が。」


「そう。」


「兄の日の条件。」


「そう。」


女は少し黙った。


「この組み合わせ。」


「うん。」


「過去には?」


透が検索する。


「二件。」


「二件ある。」


「そう。」


「その二件は?」


「一件は外部照会なし。」


「もう一件は。」


「外部照会あり。」


「本人所在関連情報確認は?」


「なし。」


女は頷いた。


「じゃあ。」


「うん。」


「兄の日だけ。」


「そう。」


「ここまで重なった。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「特殊性は。」


「処理の組み合わせ。」


「そう。」


「名前そのものではない。」


「そう。」


「本人そのものでもない。」


「そう。」


「組み合わせ。」


「そう。」


女はノートに書いた。


「単独の条件は普通。」


その下に、


「組み合わせが珍しい。」


と書いた。


「これは。」


「うん。」


「少し大事。」


「そう。」


「一つ一つは。」


「そう。」


「普通。」


「うん。」


「でも。」


「うん。」


「重なると。」


「そう。」


「珍しくなる。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「誰かが意図的に作ったとは限らない。」


「そう。」


「偶然でも起こり得る。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「偶然だったと断定することもできない。」


「そう。」


女は頷いた。


「だから。」


「うん。」


「ここも。」


「そう。」


「保留。」


「そう。」


二人は画面を見ていた。


透がさらに一つの項目を開いた。


「再利用後監査。」


「監査?」


「そう。」


「兄の日の処理。」


「うん。」


「監査された?」


「未実施。」


女は画面を見た。


「まだ?」


「そう。」


「理由。」


透が読む。


「業務継続優先。」


女は少し黙った。


「また。」


「そう。」


「業務継続。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「兄の日から。」


「そう。」


「何日も経っている。」


「そう。」


「それでも。」


「監査されていない。」


「そう。」


女は考え込んだ。


「この『未実施』。」


「うん。」


「監査する予定がないという意味?」


「違う。」


「じゃあ。」


「監査予定――未設定。」


「未設定。」


「そう。」


「つまり。」


「うん。」


「実施していない。」


「そう。」


「予定も決まっていない。」


「そう。」


女は画面を見つめた。


「だから。」


「うん。」


「処理は終わっても。」


「そう。」


「検証は終わっていない。」


「そう。」


「条件が合っていたか。」


「うん。」


「情報が正しかったか。」


「うん。」


「本人と関係があったか。」


「うん。」


「そういうことは。」


「確認されていない。」


「そう。」


女は静かに言った。


「業務は完了している。」


「うん。」


「でも。」


「うん。」


「事実確認は。」


「終わっていない。」


「そう。」


透は画面を見た。


「ただ。」


「うん。」


「この監査未実施も。」


「そう。」


「兄の日だけじゃない。」


「そう。」


「過去三年間。」


「うん。」


「同じ理由で未監査の案件が。」


「多い。」


「何件?」


「四十六件。」


女は少し目を細めた。


「じゃあ。」


「うん。」


「これも制度上の状態。」


「そう。」


「兄の日だけを特別扱いできない。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「兄の日の処理も。」


「そう。」


「監査されないまま残っている。」


「そう。」


女は頷いた。


「だから。」


「うん。」


「私たちが今やっていることは。」


「そう。」


「本来の監査ではない。」


「そう。」


「外から。」


「うん。」


「断片的な記録を。」


「そう。」


「自分たちでつないでいる。」


「そう。」


女は画面を閉じた。


「その結果。」


「うん。」


「システムが何をしたかは。」


「そう。」


「かなり見えてきた。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「人間が何を意図したかは。」


「まだ。」


「分からない。」


「そう。」


女は静かに頷いた。


そのとき、透が一つの古い履歴を見つけた。


「監査予定未設定。」


「うん。」


「でも。」


「そう。」


「過去に一件だけ。」


「何?」


「後から監査された案件がある。」


女が画面を見る。


「どの案件?」


「兄の日から一年ほど前。」


「同じ条件?」


「一部。」


「何が違う?」


透が比較する。


「外部照会あり。」


「うん。」


「本人所在関連情報確認あり。」


「うん。」


「X―4使用あり。」


「うん。」


「ただし。」


「何?」


「本人一致確認――実施。」


女の手が止まった。


「初めて。」


「そう。」


「ここで。」


「うん。」


「本人一致確認がある。」


「そう。」


「それで。」


「うん。」


「何が分かった?」


透は詳細を開いた。


「本人一致結果――不一致。」


女は黙った。


「不一致。」


「そう。」


「つまり。」


「うん。」


「業務名称は一致していた。」


「そう。」


「外部照会も。」


「そう。」


「本人所在関連情報も。」


「そう。」


「X―4も。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「実際に本人確認したら。」


「そう。」


「一致しなかった。」


「そう。」


女はその記録から目を離さなかった。


「……これ。」


「うん。」


「今まで見てきたことと。」


「そう。」


「つながる。」


「どういう意味?」


女はゆっくり答えた。


「名前が一致しても。」


「うん。」


「業務が一致しても。」


「うん。」


「外部連携が一致しても。」


「うん。」


「本人とは限らない。」


「そう。」


「それを。」


「うん。」


「実際に確認した記録がある。」


「そう。」


彼女は画面を見つめた。


「なら。」


「うん。」


「兄の日の『本人一致確認――未実施』。」


「そう。」


「それだけでは。」


「うん。」


「兄だったとも。」


「そう。」


「兄ではなかったとも。」


「そう。」


「言えない。」


「そう。」


女は頷いた。


そして、もう一度その古い記録を見た。


「でも。」


「うん。」


「この不一致案件。」


「そう。」


「その後。」


「何をした?」


透が履歴を下へ送る。


「不一致処理。」


「うん。」


「旧名称関連情報――利用停止。」


女は顔を上げた。


「利用停止。」


「そう。」


「つまり。」


「本人一致しなかったから。」


「うん。」


「業務名称としての再利用も。」


「そう。」


「止めた。」


「そう。」


女は黙った。


「兄の日には。」


「うん。」


「本人一致確認をしていない。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「この利用停止条件が。」


「そう。」


「適用されていない。」


「そう。」


女は画面を見つめた。


「じゃあ。」


「うん。」


「次に見るべきなのは。」


「そう。」


「兄の日の情報が。」


「うん。」


「その後。」


「そう。」


「利用停止になったかどうか。」


透は検索を始めた。


画面に一件の履歴が表示された。


「旧名称関連情報――利用状態変更。」


女が息を止める。


「変更前――利用可能。」


「うん。」


「変更後――?」


透は詳細を開いた。


「……確認待ち。」


女は黙った。


「利用停止じゃない。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「利用可能でもない。」


「そう。」


画面には、


「利用状態――確認待ち。」


と表示されていた。

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