↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘の向こう側  作者: 亀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

167/590

第一百六十七章 未取得

「照会結果――未取得。」


女は、その文字を見つめた。


「未取得。」


「そう。」


「つまり。」


「うん。」


「外部照会は行われた。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「結果は取れていない。」


「そう。」


女は画面を指でなぞった。


「じゃあ。」


「うん。」


「何を照会したの?」


「そこが。」


「うん。」


「まだ分からない。」


「照会対象は?」


透が詳細を開いた。


「本人所在関連情報。」


女は少し黙った。


「また。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「さっきと同じ問題。」


「そう。」


「本人所在関連情報。」


「うん。」


「それが何を意味するか。」


「まだ広い。」


「そう。」


「物理的な所在かもしれない。」


「うん。」


「連絡経路かもしれない。」


「うん。」


「照会先かもしれない。」


「うん。」


「業務上の管理位置かもしれない。」


「そう。」


女はため息をついた。


「言葉だけでは。」


「分からない。」


「じゃあ。」


「うん。」


「未取得というのは。」


「照会したけど。」


「うん。」


「何もなかった?」


「それとも。」


「うん。」


「回答が来なかった?」


「その二つも。」


「分ける必要がある。」


透が詳細欄を開いた。


「照会状態――回答待ち。」


女は画面を見る。


「じゃあ。」


「うん。」


「未取得は。」


「回答がなかったという意味。」


「少なくとも。」


「現時点では。」


「そう。」


「照会自体は成立している。」


「そう。」


女はノートに書いた。


「照会実施。」


「うん。」


「回答未取得。」


「そう。」


「回答なし。」


「まだ同じではない。」


「そう。」


「回答待ち。」


「そう。」


彼女はその三つを分けた。


「また。」


「うん。」


「言葉を分ける。」


「そう。」


透は次の項目を開いた。


「照会先――外部。」


「具体的には?」


「記録対象外。」


女は黙った。


「また。」


「そう。」


「相手が分からない。」


「うん。」


「依頼者も?」


「記録対象外。」


「回答先も?」


「同じ。」


女は画面を見た。


「じゃあ。」


「うん。」


「誰かが外部に問い合わせた。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「誰に。」


「分からない。」


「何を。」


「本人所在関連情報。」


「でもその中身は。」


「分からない。」


「なぜ。」


「記録上は。」


「うん。」


「照会先情報を保存しない方式。」


女は少し考えた。


「それも。」


「そう。」


「以前からある?」


「検索する。」


透は過去の履歴を調べた。


「三年前から。」


「じゃあ。」


「うん。」


「兄の日だけ。」


「違う。」


「特別な記録方式ではない。」


「そう。」


女は頷いた。


「また。」


「うん。」


「特別に見えるものが。」


「そう。」


「実は。」


「以前から存在している。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「兄の日の後に。」


「そう。」


「何かが重なっている。」


「そう。」


透は検索結果を整理した。


「Q―1から本人所在関連情報確認。」


「うん。」


「過去三年間で四件。」


「そのうち。」


「X―4から外部照会。」


「兄の日だけ。」


「そう。」


「照会結果未取得。」


「兄の日だけ?」


「いや。」


「うん。」


「別の二件でもある。」


女は少し安心したように頷いた。


「じゃあ。」


「うん。」


「未取得も特別ではない。」


「そう。」


「でも。」


「兄の日の記録には。」


「そう。」


「Q―1。」


「うん。」


「X―4。」


「うん。」


「外部照会。」


「そう。」


「この順番がある。」


「そう。」


女は画面を見た。


「他の二件は?」


「Q―1の後に。」


「うん。」


「X―4は使われていない。」


「なるほど。」


「だから。」


「うん。」


「兄の日の特徴は。」


「未取得ではなく。」


「そう。」


「X―4を経由して外部照会に進んだこと。」


「そう。」


女はしばらく考えた。


「X―4。」


「うん。」


「個人関連情報。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「本人一致確認は。」


「未実施。」


「そう。」


「それなのに。」


「うん。」


「外部照会に使われた。」


「そう。」


女は画面を見つめた。


「これは。」


「うん。」


「今までより。」


「少し違う。」


「そう。」


「今までは。」


「うん。」


「個人関連情報を。」


「うん。」


「業務範囲に適用した。」


「そう。」


「今回は。」


「うん。」


「外へ出そうとしている。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「誰の情報かは確認していない。」


「そう。」


女は椅子から少し身を起こした。


「外部照会の前。」


「うん。」


「何か確認している?」


透が履歴を開く。


「X―4。」


「うん。」


「参照目的――外部照会条件確認。」


「本人確認?」


「対象外。」


「また。」


「そう。」


「照会条件。」


「うん。」


「何を照会するか。」


「そう。」


「どの情報を使えるか。」


「そう。」


「誰の情報か。」


「対象外。」


女は黙った。


「だから。」


「うん。」


「外部照会をする条件は確認している。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「対象者の本人確認はしていない。」


「そう。」


女はノートを見た。


「条件は確認する。」


「うん。」


「本人は確認しない。」


「そう。」


「それで。」


「うん。」


「外部照会は進められる。」


「そう。」


彼女はゆっくり言った。


「これも。」


「うん。」


「業務継続を優先した結果かもしれない。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「それだけではない。」


「何が?」


「外部照会を出す以上。」


「うん。」


「照会先に。」


「何らかの情報が渡る。」


「そう。」


「その情報が。」


「うん。」


「誰のものか確認されないまま。」


「そう。」


「外へ出る可能性がある。」


「可能性はある。」


「ただ。」


「うん。」


「実際に何が送られたかは。」


「分からない。」


「そう。」


女は頷いた。


「だから。」


「うん。」


「ここでも。」


「そう。」


「可能性と事実を分ける。」


「そう。」


透は画面を見た。


「送信内容。」


「ある?」


「記録上は。」


「うん。」


「『所在関連情報』。」


女は苦笑した。


「また。」


「そう。」


「具体的な内容は。」


「別管理。」


「どこ?」


「外部連携履歴。」


「X―4?」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「内容の詳細は。」


「権限制限。」


女はしばらく黙っていた。


「じゃあ。」


「うん。」


「今のところ。」


「そう。」


「外部へ出たかもしれない情報は。」


「所在関連情報。」


「そう。」


「でもその中身は見えない。」


「そう。」


「誰に送ったかも。」


「記録対象外。」


「そう。」


「回答も。」


「未取得。」


「そう。」


女はノートに書いた。


「送信内容――不明。」


「うん。」


「送信先――不明。」


「うん。」


「回答――未取得。」


「うん。」


「本人一致――未実施。」


「そう。」


「それでも。」


「うん。」


「処理は。」


「続いた。」


「そう。」


女は筆を止めた。


「ここ。」


「うん。」


「これだけを見ると。」


「そう。」


「兄がどこにいるか。」


「分からない。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「誰かが。」


「そう。」


「兄かもしれない人の所在を。」


「うん。」


「外部に聞いたようにも見える。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「それも確定できない。」


「できない。」


女は頷いた。


「なぜなら。」


「うん。」


「本人一致確認をしていないから。」


「そう。」


「照会対象の『本人』が。」


「誰なのか。」


「記録から確定できない。」


「そう。」


彼女は画面を見た。


「なら。」


「うん。」


「この外部照会は。」


「うん。」


「誰か一人を探したものではなく。」


「そう。」


「記録上の所在関連情報について。」


「うん。」


「外部に確認しただけの可能性もある。」


「そう。」


「それなら。」


「うん。」


「兄の所在と直接関係ない可能性もある。」


「そう。」


女は深く息を吐いた。


「また。」


「うん。」


「どちらにも行けない。」


「そう。」


「兄に関係あるとも。」


「うん。」


「ないとも。」


「そう。」


「まだ言えない。」


「そう。」


二人はしばらく黙っていた。


透は外部照会の前後をもう一度確認した。


「一つ。」


「何?」


「照会前に。」


「うん。」


「旧名称関連情報が参照されている。」


女が顔を上げた。


「どこから?」


「R―3。」


「またR―3。」


「そう。」


「目的は?」


「外部照会条件確認。」


「本人識別?」


「対象外。」


女は苦笑した。


「また同じ。」


「うん。」


「R―3で。」


「そう。」


「旧名称を確認して。」


「うん。」


「Q―1で。」


「そう。」


「個人関連情報を確認して。」


「うん。」


「X―4で。」


「そう。」


「外部照会条件を確認して。」


「そう。」


「それから。」


「うん。」


「外部へ照会。」


「そう。」


女はその流れを書いた。


「R―3。」


「うん。」


「Q―1。」


「うん。」


「X―4。」


「うん。」


「外部。」


四つを矢印でつないだ。


「この線。」


「うん。」


「初めて。」


「そう。」


「一本になった。」


透は画面を見た。


「でも。」


「うん。」


「人の線ではない。」


「そう。」


「処理の線。」


「そう。」


女は矢印を見つめた。


「じゃあ。」


「うん。」


「兄を探すなら。」


「そう。」


「この線を。」


「うん。」


「そのまま人の移動だと思わない。」


「そう。」


「どの記録から。」


「うん。」


「どの記録へ。」


「そう。」


「どんな目的で。」


「そう。」


「情報が移ったか。」


「そう。」


「それを見る。」


「そう。」


女はノートに書いた。


「人を追う前に、情報の経路を追う。」


透は頷いた。


そのとき、画面の下に新しい項目が現れた。


「外部照会後――回答受付履歴。」


女が画面を見た。


「未取得だったよね。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「受付履歴はある。」


「そう。」


「回答は取れていない。」


「うん。」


「それでも。」


「そう。」


「何かを受け取った可能性は?」


透が開く。


最初の項目に、


「回答受付――一件。」


と表示された。


その下には、


「受付内容――照会対象関連情報。」


さらに、


「本人識別――対象外。」


女は画面から目を離さなかった。


「回答そのものは。」


「まだ見えない。」


「でも。」


「うん。」


「回答として受け付けた何かはある。」


「そう。」


「未取得なのに。」


「そう。」


「受付はされている。」


「そう。」


女は小さく呟いた。


「未取得なのに。」


「うん。」


「何かが届いている。」


透は次の詳細を開いた。


「回答状態――内容未確定。」


二人は同時に画面を見た。


内容は、まだ分からなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。