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嘘の向こう側  作者: 亀


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第一百六十章 別管理

「設定根拠――別管理。」


透は、その文字を見たまま検索を止めた。


「参照先がない。」


「うん。」


「番号もない。」


「うん。」


「でも。」


「そう。」


「別管理にある。」


女は画面を見た。


「それなら。」


「うん。」


「別管理そのものを探す。」


「どうやって?」


「関連する言葉。」


「条件追加?」


「そう。」


「整合性確保?」


「そう。」


「記録外情報?」


「そう。」


透は検索条件を一つずつ入力した。


しばらくして、いくつかの記録が表示された。


女は最初の記録を開いた。


「設定理由――旧記録との整合性確保。」


「さっきと同じ。」


「うん。」


「設定対象――処理条件。」


「そう。」


「設定日――兄の日。」


「うん。」


「設定者――権限制限。」


「M―2?」


「そう。」


女は画面を見た。


「ここまでは。」


「うん。」


「さっきと同じ。」


「そう。」


「その下。」


透がスクロールした。


「設定背景――旧名称関連情報の再利用。」


女が止まった。


「再利用。」


「そう。」


「旧名称関連情報を。」


「うん。」


「また使う必要があった。」


「そう。」


「だから条件を追加した。」


「可能性がある。」


「でも。」


「うん。」


「なぜ、その日だったのか。」


「まだ分からない。」


女はさらに下を見た。


「設定前の状態。」


透が読む。


「旧名称関連情報――業務名称として利用可能。」


「うん。」


「外部入力――受付可能。」


「うん。」


「所在関連情報――処理可能。」


「うん。」


「記録外情報――補完条件なし。」


女が顔を上げた。


「つまり。」


「うん。」


「10時37分までは。」


「そう。」


「記録外情報があっても。」


「うん。」


「補完確認をする条件がなかった。」


「そう。」


「それが。」


「うん。」


「10時37分に追加された。」


「そう。」


「記録外情報が存在した場合。」


「うん。」


「補完確認をする。」


「そう。」


女は黙った。


「じゃあ。」


「うん。」


「この条件追加がなければ。」


「そう。」


「15時12分の本人識別情報補完は。」


「発生しなかった可能性がある。」


「可能性はある。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「記録外情報そのものが。」


「そう。」


「存在していた。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「条件が追加されたから情報が生まれたわけではない。」


「そう。」


女は頷いた。


「先に。」


「うん。」


「何かがあった。」


「可能性がある。」


「そして。」


「うん。」


「それを処理する条件が。」


「そう。」


「後から追加された。」


「そう。」


「この順番。」


「うん。」


女はノートを開いた。


「情報。」


「うん。」


「条件。」


「うん。」


「補完。」


「そう。」


「この順番かもしれない。」


透は何も言わなかった。


女は続けた。


「でも。」


「うん。」


「本当にそうなのかは。」


「分からない。」


「そう。」


彼女は書いた。


「10:37 条件追加」


その横に、


「条件追加前――記録外情報の扱いなし」


と書いた。


さらに、


「15:12 補完」


と書いた。


「じゃあ。」


「うん。」


「次。」


透が検索を続ける。


「設定背景の詳細。」


「ある?」


「一件。」


開く。


「過去記録との整合性確認。」


女は首を傾げた。


「過去記録?」


「そう。」


「どの記録?」


「旧名称関連情報。」


「また。」


「うん。」


「第三の記録?」


透が確認する。


「参照先――複数。」


「複数?」


「R―3。」


「うん。」


「P―4。」


「うん。」


「第三の記録。」


女は黙った。


「三つ全部。」


「そう。」


「つまり。」


「うん。」


「10時37分の条件追加は。」


「うん。」


「一つの記録だけを対象にしていない。」


「そう。」


「旧名称関連情報全体。」


「そう。」


女は少し考えた。


「それなら。」


「うん。」


「兄の日のためだけに作られたとは。」


「言えない。」


「そう。」


「複数の旧記録をまたいで使うための条件。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「業務上の必要性はある。」


「そう。」


女は画面を見た。


「でも。」


「うん。」


「三つの記録のうち。」


「うん。」


「なぜ兄の日に第三の記録が使われたのか。」


「まだ分からない。」


「そう。」


「それが。」


「うん。」


「今回の中心。」


女は頷いた。


「条件の存在は説明できる。」


「うん。」


「でも。」


「うん。」


「条件を実際に使った理由は。」


「そう。」


「まだ説明できない。」


「そう。」


彼女は次の記録を開いた。


「条件追加申請。」


「申請者。」


「権限制限。」


「所属――C―12。」


「M―2。」


「そう。」


「申請時刻。」


透が読む。


「10時31分。」


女が画面を見た。


「設定の六分前。」


「そう。」


「申請理由。」


「旧名称関連情報を含む外部入力における確認条件の不足。」


女は黙った。


「確認条件の不足。」


「そう。」


「つまり。」


「うん。」


「10時31分の時点で。」


「うん。」


「すでに。」


「そう。」


「何か足りないと判断されていた。」


「可能性がある。」


「何が足りなかった?」


「詳細は権限制限。」


女は眉を寄せた。


「でも。」


「うん。」


「その直前に。」


「そう。」


「何かの入力があった。」


「うん。」


「あるいは。」


「そう。」


「確認があった。」


「そう。」


「申請前処理。」


透が検索する。


「10時24分。」


「何?」


「旧名称関連情報――参照。」


「目的。」


「外部入力条件確認。」


「結果。」


「条件不足。」


女は画面を見た。


「10時24分。」


「うん。」


「参照。」


「そう。」


「10時31分。」


「申請。」


「そう。」


「10時37分。」


「設定。」


「そう。」


「11時14分。」


「外部入力。」


「そう。」


女はノートに四つの時刻を書いた。


10:24

10:31

10:37

11:14


その間を線で結ばなかった。


「ここ。」


「うん。」


「時間は近い。」


「そう。」


「処理も連続している。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「一つの案件だとは。」


「言えない。」


「そう。」


「別々の処理かもしれない。」


「そう。」


女は四つの時刻を見た。


「それでも。」


「うん。」


「少なくとも。」


「うん。」


「兄の日の午前中に。」


「そう。」


「旧名称関連情報について。」


「うん。」


「確認条件が変更された。」


「そう。」


「その後。」


「うん。」


「外部入力が行われた。」


「そう。」


「これは事実。」


「そう。」


女は画面を閉じた。


「じゃあ。」


「うん。」


「次は。」


「設定申請の根拠。」


透が開いた。


「申請根拠――前処理確認結果。」


「10時24分の?」


「そう。」


「その結果。」


「条件不足。」


「具体的には?」


「本人識別情報――未受信。」


女の表情が変わった。


「また。」


「うん。」


「本人識別情報。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「この時点では。」


「そう。」


「まだ外部入力は始まっていない。」


「そう。」


「なのに。」


「うん。」


「本人識別情報が未受信。」


「そう。」


女は画面を見た。


「じゃあ。」


「うん。」


「10時24分の処理には。」


「うん。」


「何かの入力が。」


「そう。」


「すでに存在していた。」


「可能性がある。」


「でも。」


「うん。」


「11時14分の外部入力とは。」


「別の記録。」


「そう。」


「つまり。」


女は考えた。


「兄の日の午前中には。」


「うん。」


「外部入力の前に。」


「うん。」


「別の旧名称関連情報が。」


「そう。」


「確認されている。」


「そう。」


「それが。」


「うん。」


「本人識別情報がないことを。」


「そう。」


「条件不足として扱った。」


「そう。」


「そして。」


「うん。」


「その不足を補うために。」


「そう。」


「条件が追加された。」


「そう。」


女は黙った。


「それなら。」


「うん。」


「15時12分の補完は。」


「うん。」


「もっと前から始まっていた処理の。」


「そう。」


「後半なのかもしれない。」


「可能性はある。」


「でも。」


「うん。」


「10時24分の記録と。」


「うん。」


「15時12分の補完が。」


「同じ案件だとは。」


「確認できない。」


女は頷いた。


「また。」


「うん。」


「分からない。」


「そう。」


彼女はノートに書いた。


「10:24――本人識別情報未受信。」


「10:31――条件追加申請。」


「10:37――条件設定。」


「11:14――外部入力。」


「15:12――本人識別情報補完。」


その下に、


「同一案件とは未確認。」


と書いた。


「でも。」


「うん。」


「もう一つ。」


「何?」


「10時24分の参照対象。」


透が確認する。


「第三の記録。」


女は黙った。


「やっぱり。」


「うん。」


「また。」


「そう。」


「第三の記録。」


「そう。」


女は画面を見つめた。


「10時24分。」


「うん。」


「第三の記録を見て。」


「うん。」


「本人識別情報がないことを確認。」


「そう。」


「10時31分。」


「うん。」


「条件追加申請。」


「そう。」


「10時37分。」


「うん。」


「条件追加。」


「そう。」


「11時14分。」


「うん。」


「外部入力。」


「そう。」


「15時12分。」


「うん。」


「本人識別情報補完。」


「そう。」


女は静かに言った。


「この一連の中で。」


「うん。」


「第三の記録だけが。」


「そう。」


「最初から最後まで。」


「うん。」


「残っている。」


透は画面を見た。


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「第三の記録が。」


「そう。」


「何を伝えたのかは。」


「権限制限。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「今のところ。」


女はノートを閉じた。


「第三の記録が人を示していたのか。」


「うん。」


「仕事を示していたのか。」


「うん。」


「経路を示していたのか。」


「うん。」


「あるいは。」


「うん。」


「単なる過去の名称情報だったのか。」


「そう。」


「分からない。」


透は頷いた。


女は最後に画面を一度だけ確認した。


そこには、新しい記録が表示されていた。


「10:24 参照結果――記録外情報あり。」


その下には、


「情報内容――権限制限。」


さらに、


「補完要否――条件追加後に再評価。」


女はその三行を見た。


「補完要否。」


「うん。」


「最初から決まっていたわけじゃない。」


「そう。」


「条件が変わった後に。」


「うん。」


「再評価された。」


「そう。」


女は小さく頷いた。


「じゃあ。」


「うん。」


「兄の日に起きたことを。」


「うん。」


「一つの出来事として見るのは。」


「そう。」


「やっぱり難しい。」


「そう。」


「いくつもの処理が。」


「うん。」


「少しずつ重なって。」


「そう。」


「後から一つに見えているだけかもしれない。」


透は答えなかった。


女は立ち上がった。


「次は。」


「うん。」


「10時24分に。」


「そう。」


「第三の記録から。」


「うん。」


「何を受け取ったのかを見る。」


透が画面を開いた。


しかし、そこに表示されたのは一行だけだった。


「参照項目――連絡内容。」


その下には、


「参照結果――記録外情報あり。」


そして最後に、


「原情報――参照不可。」


二人は、その画面をしばらく見ていた。


今度は、すぐには次の検索をしなかった。

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