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嘘の向こう側  作者: 亀


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第一百五十一章 第三の記録

「第三の旧記録。」


女は、その言葉を見つめていた。


「R―3でもない。」


「うん。」


「P―4でもない。」


「そう。」


「じゃあ。」


透は参照欄を開いた。


「旧管理系統――照会連絡記録。」


「番号は?」


「まだ制限されている。」


「名前も?」


「権限制限。」


女は画面を見た。


「どうして。」


「うん。」


「関連候補として出てきた?」


透は記録を確認した。


「名称。」


「また?」


「うん。」


「同じ名称?」


「そう。」


「それだけ?」


「名称と旧業務区分。」


「業務区分は?」


透が読む。


「照会連絡。」


女は黙った。


「R―3は旧照会関連業務。」


「うん。」


「P―4は旧個人照会履歴。」


「そう。」


「第三は照会連絡。」


「うん。」


「三つとも。」


「そう。」


「名前が一致している。」


「うん。」


女はノートに三つを書いた。


「R―3。」


「業務照会。」


「P―4。」


「個人照会。」


「第三。」


「照会連絡。」


女はその下に、


「同じ名称」


と書いた。


「でも。」


「うん。」


「三つの業務区分。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「兄の日の入力が。」


「うん。」


「どれに関係しているか。」


「最初から一つに決められなかった。」


「そう。」


女は画面を見た。


「じゃあ。」


「うん。」


「Q―1の再参照が三回あった理由。」


「うん。」


「候補が一つずつ減ったから?」


透が履歴を開いた。


「最初の参照。」


「うん。」


「R―3とP―4。」


「二件。」


「そう。」


「次。」


「第三の記録が追加。」


「うん。」


「その後。」


「候補の比較。」


「そう。」


「それで?」


透は記録を追った。


「R―3――名称一致。」


「うん。」


「業務区分――不一致。」


「そう。」


「P―4――名称一致。」


「うん。」


「業務区分――不一致。」


「そう。」


「第三――名称一致。」


「うん。」


「業務区分――条件不足。」


女は画面を見つめた。


「全部。」


「うん。」


「名前は一致する。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「業務区分が合わない。」


「そう。」


女は少し考えた。


「なら。」


「うん。」


「名前だけなら。」


「三つ全部。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「業務として見ると。」


「そう。」


「どれも完全には合わない。」


「そう。」


女はノートに書いた。


「名称一致。」


「うん。」


「業務不一致。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「関連性未確定。」


「そう。」


女は画面を見た。


「これなら。」


「うん。」


「兄の日のQ―1再参照条件。」


「説明できる。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「まだ。」


「何?」


「第三の記録が何なのか分からない。」


「そう。」


女は参照権限を確認した。


「誰なら見られる?」


透が読む。


「旧管理系統記録参照権限。」


「M―2?」


「現在はM―2。」


「現在?」


「当時はK―3。」


女は少し笑うように息を吐いた。


「また。」


「うん。」


「権限が変わっている。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「古い記録を見るための権限は。」


「続いている。」


「そう。」


女は画面を見た。


「第三の記録。」


「うん。」


「K―3時代の記録。」


「そう。」


「だから。」


「うん。」


「今の名前や番号では。」


「そう。」


「直接検索できない。」


「そう。」


「古い識別子を経由する必要がある。」


「そう。」


女は考えた。


「じゃあ。」


「うん。」


「ここまでの記録が。」


「そう。」


「全部。」


「うん。」


「古い記録を新しい記録につなぐためのものだった。」


「そう。」


「兄の日の処理で。」


「うん。」


「その接続が。」


「そう。」


「うまく決まらなかった。」


「そう。」


女は画面を見た。


「だから。」


「うん。」


「関連候補が増えた。」


「そう。」


「二つから三つに。」


「うん。」


「それでも。」


「うん。」


「本人には戻らなかった。」


「そう。」


女は少し黙った。


「じゃあ。」


「うん。」


「第三の記録を開く。」


透が操作した。


画面に古い記録が表示された。


「登録日――十一年前。」


女が止まった。


「十一年前。」


「そう。」


「最初に見た。」


「うん。」


「一番古い記録と同じ頃。」


「そう。」


「内容は?」


透が読む。


「照会連絡受付。」


「うん。」


「処理目的――照会先案内。」


「うん。」


「対象――業務名称。」


女は画面を見た。


「業務名称。」


「そう。」


「個人照会じゃない。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「同じ名前を使っている。」


「そう。」


女は黙った。


「つまり。」


「うん。」


「第三の記録は。」


「業務名称として。」


「そう。」


「この名前を使っていた。」


「うん。」


「P―4は。」


「個人照会関連名称。」


「そう。」


「R―3は。」


「業務名称。」


「そう。」


「第三も。」


「業務名称。」


「そう。」


女は画面を見た。


「じゃあ。」


「うん。」


「R―3と第三は。」


「同じ?」


透は首を振った。


「別。」


「なぜ?」


「管理系統が違う。」


「でも業務名称。」


「そう。」


「同じ名前。」


「そう。」


女は静かに言った。


「また。」


「うん。」


「同じ名前が。」


「そう。」


「複数の業務に使われている。」


「そう。」


「そして。」


「うん。」


「その一部が後から統合された。」


「そう。」


「R―3は。」


「旧照会関連業務。」


「第三は。」


「旧照会連絡。」


「うん。」


「それが。」


「うん。」


「第七管理系統に統合された。」


「そう。」


女は記録を追った。


「統合履歴。」


透が開く。


「旧照会連絡――第七管理系統へ。」


「うん。」


「統合理由――照会先情報の一元化。」


「また。」


「うん。」


「一元化。」


「そう。」


「じゃあ。」


「うん。」


「第三の記録は。」


「現在の第七管理系統の。」


「旧参照先。」


「そう。」


女は少し考えた。


「だから。」


「うん。」


「兄の日の新方式が。」


「うん。」


「旧名称を検索すると。」


「そう。」


「R―3も。」


「うん。」


「P―4も。」


「そう。」


「第三の記録も。」


「そう。」


「検索候補として出てくる。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「業務区分が違う。」


「そう。」


女は頷いた。


「だから。」


「うん。」


「自動的には一つにできない。」


「そう。」


「人が勝手に一つにしたら。」


「うん。」


「誤った関連付けになる。」


「そう。」


女は画面を見た。


「だから未確定。」


「そう。」


「分からないものを。」


「うん。」


「分からないまま残している。」


「そう。」


女は少し黙っていた。


「それなら。」


「うん。」


「兄の日のQ―1処理は。」


「うん。」


「誤りを見つけた処理ではなく。」


「そう。」


「誤りを作らないための処理だった可能性がある。」


透は頷いた。


「その見方はできる。」


「でも。」


「うん。」


「それも。」


「そう。」


「記録上の構造から言えるだけ。」


「そう。」


女は頷いた。


「分かった。」


彼女は画面を閉じずに続けた。


「第三の記録。」


「うん。」


「十一年前。」


「そう。」


「業務名称。」


「うん。」


「個人識別用途――禁止。」


「そう。」


「R―3と同じ。」


「そう。」


「そして。」


「うん。」


「P―4だけが。」


「うん。」


「個人照会に使っている。」


「そう。」


女はP―4の古い記録を開いた。


「でもP―4も。」


「うん。」


「現在は個人照会履歴として残っているだけ。」


「そう。」


「名前の使われ方は。」


「そう。」


「途中で変わった。」


「うん。」


「個人照会関連名称から。」


「うん。」


「業務名称へ。」


「そう。」


女は画面を見た。


「つまり。」


「うん。」


「一つの名前が。」


「そう。」


「個人から業務へ。」


「うん。」


「業務から別の業務へ。」


「そう。」


「さらに統合後の業務へ。」


「そう。」


「移っている。」


透は頷いた。


「だから。」


女は言った。


「名前を追うだけでは。」


「うん。」


「人を追えない。」


「そう。」


「仕事を追っても。」


「うん。」


「人には戻らない。」


「そう。」


「じゃあ。」


「うん。」


「兄を探すなら。」


「うん。」


「名前でも。」


「うん。」


「番号でも。」


「うん。」


「業務区分でも。」


「うん。」


「直接は無理。」


「そう。」


女は画面を見た。


「じゃあ何を追う?」


透はすぐには答えなかった。


女自身が考えた。


「時間。」


「うん。」


「変更前後。」


「そう。」


「誰が。」


「うん。」


「どの処理を。」


「そう。」


「どの順番で。」


「うん。」


「行ったか。」


「そう。」


女はノートに書いた。


「名前ではなく。」


「うん。」


「処理の連続。」


透は頷いた。


「それなら。」


「うん。」


「第三の記録も。」


「そう。」


「兄の日と。」


「うん。」


「どこで接続したか。」


「見られる。」


女は検索した。


第三の記録から兄の日への参照履歴。


一件。


「兄の日。」


「そう。」


「参照時刻は?」


透が読む。


「兄の日、十時三十六分。」


女が止まった。


「十時三十六分。」


「うん。」


「兄が南区に入ったのは。」


「その少し前。」


「そして。」


「うん。」


「第三の記録が。」


「そう。」


「兄の日の午前に。」


「参照されている。」


女は画面を見た。


「目的は?」


透が開く。


「旧名称関連情報の対応確認。」


「誰が?」


「記録上は。」


透は一行を読んだ。


「C―12。」


女は息を止めた。


「またC―12。」


「うん。」


「M―2?」


「そう。」


「氏名?」


「権限制限。」


女は画面を見た。


「そして。」


「うん。」


「この参照の後。」


透が次の記録を開いた。


「外部入力。」


女は動きを止めた。


「何分後?」


透が確認する。


「三十八分後。」


二人の間に、しばらく沈黙が続いた。


女は画面を見たまま言った。


「これは。」


「うん。」


「今までとは違う。」


透は答えなかった。


「第三の記録を参照して。」


「うん。」


「その三十八分後に。」


「外部入力が始まっている。」


「そう。」


「でも。」


「うん。」


「これだけでは。」


「そう。」


「同じ案件とは言えない。」


「そう。」


女は頷いた。


「だから。」


「うん。」


「次は。」


彼女は画面の下を指した。


「第三の記録を参照した理由の詳細。」


そこには、


「参照目的――旧名称関連情報の対応確認」


の下に、


「確認対象――照会先経路」


と表示されていた。


女は静かに言った。


「人じゃない。」


「うん。」


「経路。」


透は画面を見た。


「次は。」


「うん。」


「その経路が。」


「うん。」


「どこへつながっていたのか。」


二人は、その記録を開いた。

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