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第35話 「どこだったか」

 数年後。

 道は、きれいに整っていた。

 まっすぐで、広い。

 迷うこともない。

 似たような建物が並ぶ。

 静かだ。

 整いすぎている。


 翔は、立っていた。

 少しだけ、歩いてみる。

 でも——分からない。

 ここがどこだったのか。

 あの坂は?

 あの路地は?

 あの灯りは?

 何も、ない。

 目印が、一つも残っていない。

「……ここ、だよな」

 誰に聞くでもなく言う。

 答えはない。

 風が、通り抜ける。

 音が軽い。

 混ざらない。

 ただ、流れるだけ。


 翔は、少しだけ目を閉じる。

 思い出そうとする。

 でも——

 形は、浮かばない。

 景色は、もう出てこない。

 ただ——

 音だけが、残る。

 遠くで。

 薄く。

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