冒険者に朝は早い
遅くなってごもねなっさい。ワンピース、面白すぎてついつい……
誕生日パーティーの翌朝。
バタバタと、部屋の外のダイニングで、誰かがさわぐ音がした。窓の外を見ると、まだ夜が明けていないらしい。まだぐっすり眠っているレイチェルを起こさないように、ベッドから抜け出そうと、俺はドアの前まで歩いて行って、開けた。
「サラ?」
革の鎧を身につけ、槍を手にしたサラである。その姿から、おそらくは仕事の準備――つまりは冒険者としての準備なのだろう。
サラは、俺が声をかけると、ちらりとこちらを見ただけで、開いた玄関の近くのキャビネットで何かを探しているところへ戻っていった。
そこで俺は、ドアの前に誰かがいることに気づいた。黒髪の短髪で、そばかすだらけの優しそうな顔をした13歳くらいの少年。背中には弓がついている。
「あ、ロビンさん」
「おはよう、ゲイル君。お邪魔するね」
彼はサラの冒険者のバディーのロビンさん。冒険家はともすれば命がけの危険な仕事であるため、信頼できるバディを持つのが常識らしい。
ロビンさんが話しかけてきたとき、サラはキャビネットを閉めてから玄関のほうに歩いていった。
「魔物撃退の薬は見つかったか?」
「ああ」
そういって、サラは手にした小さな袋を見せる。それを見て、ロビンさんは「そう、それだ」と確認した。そうすると、サラは袋を胸のポーチにおいて言う。
「じゃあさっさと行くわよ、9時までに待ち合わせ場所に着かなきゃならないんだから」
「はぇい、はぇい――お姉ちゃん借りるね、ゲイル君」
「うん。いってらっしゃい」
「……行ってくるわ」
つぶやくように俺に返事をして、サラは後ろ手にドアを閉める。
彼らが去った後、壁の時計を確認すると、朝の5時だった。待ち合わせ場所まで歩くだけで4時間もかかるというのに、冒険者というのは大変なんだな。まあ、ジェームソンはもっと早く出勤してるけどね。
それにしても、なんというロマン。
冒険者といえば異世界の定番だろうし、俺もサラと同じ冒険者になりたいと思っている。
……いや、出来れば今すぐ冒険者ギルドに登録したい。
でも、5歳の俺はとんでもなく弱い。
ステイタス観れば分かる。
【ステイタス】
名前:ゲイル・サマー(リュウマ・ヘヴェンズゲート)
集簇:竜の実・ヒューマン
性別:男
年齢:5歳
HP:18/18
MP:20/20(封印)
筋力5 体力6 技量8 速さ4 魔力5(封印) 魔質50(封印)
これが5歳のお子様の実力なんだ、とても魔物と戦える力には及べない。
若さ故に発達途上の筋力などはさておき、俺の視線はMP、魔力、魔質の3つの封印表示に注がれている。
俺の魔力が暴走して爆発しないように、神獣ユニコーンが封印してくれているのだ。手足に1つ、首に1つ、心臓に1つ、合計6つの封印がある。
ユニコーンが言うには、この封印は俺が解くための錠前の役割も果たしているそうだ。自分の力で封印を解くことができれば、魔法を使っても魔法爆発の心配はないだと。
だから、封印を解こうとしているのだが、これがなかなか難しい。俺の魔力が拳大のエネルギーの塊だとすれば、錠前は針の穴だ。どうにもこうにも入らない――!!
ぐう~とおなかの声が聞こえるから、俺はキッチンで冷箱(宝箱の形の冷やし《魔道具》)から昨夜のマッシュポテトを取り、鍋に移し、バターを少し加えてから加熱の《魔道具》で温める。
ちなみに、加熱の《魔道具》は火が出ないから子供にも安全だよ~ん!
って、誰に言ってるんだろ、俺?
食べて、洗い物した後、どうにかしてこの封印を解き、ありえないくらい小さな穴に魔力を導こうと思案しているうちに、いつの間にか2時間が経過し、外は明るくなり始めていた。
そう思っているとき、誰かが俺を呼んだ。
「あら?起きていたんだ、ゲイル。朝ごはんは?」
「お母さん……うん、さっきね」
「ならちょうどいい。お母さん今日買い物に行くから、ついてくれるかな?」
「うん、いいよ」
「よかった。じゃあ準備するから、ゲイルは着替えててね」
「分かった」
マーガレットさんにそう返事して、俺は部屋に戻る。
パジャマから着替えた後、玄関で待っていたマーガレットのもとに近寄る。
靴を履いて、二人で家を出ようとすると――
「出かけるの?」
レイチェルの声がした。
振り向くと、俺たちの部屋のドアの前にレイチェルが眠そうながらこちらを見てくる。
「うん、買い物」
「レイチェルも行く」
俺が答えると、レイチェルが一緒に行きたがって来る。
しかし、それをマーガレットさんは却下した。
「ダメ。あと1時間で教会に行くんでしょう?もうすぐお父さん起きてるから、お父さんに送ってもらうんだよ」
「えぇ〜!ゲイルは教会に行かないのに、ずるい!」
「ゲイルは読み書きも数学も上手だから、行く必要ないの」
「そんな、レイチェルの方がお姉ちゃんだったのに!」
そういって、レイチェルは顔をしかめる。
この世界には義務教育は存在しないが、まったく教育がないわけではない。毎朝、子供たちは教会に通い、基礎教育を受けている。読み書きや数学、簡単な歴史も教えてもらえる。
ただ、教育費は安くはないですから、基礎教育の必要がない俺には教会には行かない。出来るだけ節約するからだ。
「ごめんね、レイチェル。またね」
「いい子にしててね。お父さんに鍵かけるようにと伝えて」
というわけで、すねたままのレイチェルを残し、マーガレットさんと家を出る。
この小説を書くことは自分に対する挑戦であり、成長の証でもあります。まだ日本語を覚えている途中なので、どのように文章を改善すればいいか教えていただけると助かります。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします!




