48話 一度死んだ人たち
《ムジーク王国ー旧・グラフィカ帝国領》
《自然都市テコン》
《リザレクト街》
僕はその場所を視察に来ていた。
興味本位という理由は、あまり好まなかったけど、シズカとビゼ、アシトもいる。
この街に住む人たちは、一度死んでしまった人たちだ。あの忌まわしき魔法・・・リザレクションによって生き返らされた人達。多くは殺された結果、無理やりその命を復活させ〝られた〟人たち。
ムジーク王国は当初、死んだ人たちの処遇に困っていた。
生き返った人間に指示を出す魔法、インストラクションがあれば、人を襲う事ない生活を保障することが出来る。
・・・それでも、一度死んだ人たちだ。
僕だってそうだ。
ここにいる、ビゼを除く、シズカやアシトもそう。
一度死んで、ここにいる。
何がどういう仕組みで、この世界にいるのかは分からない。でも、前世の記憶はあるし、今、確実に生きているという感覚がある。ここは天国でも何でも無い。
僕は僕を否定したく無い・・・
でも・・・
「マタタキ先輩?どうしたンすか?小難しい顔して」
アシトが僕の顔の前で手を振っている。
「アシト。この街の人たちは、一度死んで、生き返って、〝普通の生き方をしろ〟と命令を受けて生きている」
「そうッスね」
「アシトはどう思う?」
意地悪かもしれないけれど、僕は聞いてみた。
「う〜ん・・・ワイはバカだからよくわかんねーッスけど・・・」
その時、小石が飛んでくる。
それがアシトにぶつかった。
「んぁっ!?喧嘩売ってんのか!?テメェ!」
アシトはぶわっ、っと頭に血が上ったように、小石を投げた相手に啖呵を切る。
その相手は、少女だった。
その眼は赤い。この街の人間はその眼が赤く、それが一度死んだ人間である事を示していた。
「オマエラ、ナンのヨウだ」
「おい、小娘。質問の前にワイに石を投げた事、謝れ」
「イヤダ」
「ああん!?」
「キシダンのニンゲンか。オマエラさえイナケレバ、ワタシタチは、コンナコトにナラナカッた」
その一言に、僕らの動きは止まった。
確かにそうかもしれない。
この子達は、全く罪が無いのに、殺されて・・・
「ワイはな!女には優しいが!信じる人を傷つけようとする人間はゆるさねぇ主義だ!小娘!もう一度言うぞ!謝れ!」
「イヤダ!!!」
「って、てメェっ!」
「やめろ!アシト!」
アシトは本気なのか分からない、その拳をポケットに仕舞った。
「君・・・僕たちの、せいだよね・・・きっと、普通に暮らしていたはずなのに・・・誰も望まない戦争に巻き込まれて・・・」




