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その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第五章 過去の過ち
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48話 一度死んだ人たち



《ムジーク王国ー旧・グラフィカ帝国領》



《自然都市テコン》



《リザレクト街》




僕はその場所を視察に来ていた。

興味本位という理由は、あまり好まなかったけど、シズカとビゼ、アシトもいる。


この街に住む人たちは、一度死んでしまった人たちだ。あの忌まわしき魔法・・・リザレクションによって生き返らされた人達。多くは殺された結果、無理やりその命を復活させ〝られた〟人たち。


ムジーク王国は当初、死んだ人たちの処遇に困っていた。

生き返った人間に指示を出す魔法、インストラクションがあれば、人を襲う事ない生活を保障することが出来る。



・・・それでも、一度死んだ人たちだ。



僕だってそうだ。

ここにいる、ビゼを除く、シズカやアシトもそう。

一度死んで、ここにいる。

何がどういう仕組みで、この世界にいるのかは分からない。でも、前世の記憶はあるし、今、確実に生きているという感覚がある。ここは天国でも何でも無い。


僕は僕を否定したく無い・・・

でも・・・



「マタタキ先輩?どうしたンすか?小難しい顔して」

アシトが僕の顔の前で手を振っている。



「アシト。この街の人たちは、一度死んで、生き返って、〝普通の生き方をしろ〟と命令を受けて生きている」

「そうッスね」



「アシトはどう思う?」



意地悪かもしれないけれど、僕は聞いてみた。



「う〜ん・・・ワイはバカだからよくわかんねーッスけど・・・」



その時、小石が飛んでくる。

それがアシトにぶつかった。



「んぁっ!?喧嘩売ってんのか!?テメェ!」



アシトはぶわっ、っと頭に血が上ったように、小石を投げた相手に啖呵を切る。



その相手は、少女だった。

その眼は赤い。この街の人間はその眼が赤く、それが一度死んだ人間である事を示していた。


「オマエラ、ナンのヨウだ」


「おい、小娘。質問の前にワイに石を投げた事、謝れ」


「イヤダ」


「ああん!?」


「キシダンのニンゲンか。オマエラさえイナケレバ、ワタシタチは、コンナコトにナラナカッた」




その一言に、僕らの動きは止まった。




確かにそうかもしれない。

この子達は、全く罪が無いのに、殺されて・・・


「ワイはな!女には優しいが!信じる人を傷つけようとする人間はゆるさねぇ主義だ!小娘!もう一度言うぞ!謝れ!」

「イヤダ!!!」

「って、てメェっ!」


「やめろ!アシト!」


アシトは本気なのか分からない、その拳をポケットに仕舞った。



「君・・・僕たちの、せいだよね・・・きっと、普通に暮らしていたはずなのに・・・誰も望まない戦争に巻き込まれて・・・」




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