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その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第五章 過去の過ち
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41話 英雄の解決法



ブリゲル皇帝。

アンタの事はよくわかった。

この男の戦い方は、打撃や斬撃を受け流す反射神経を極めた護身術を持っている。


故に、ある意味無敵。もちろん銃撃や魔法を喰らえばそれまでだが、今の俺の殴り、蹴りではダメージを与える事は出来ない。


ましてやこの身体能力・・・何歳だか知らねーが、現役だ。このジジイ。

なんとか、動きを止める方法・・・それを考えねーと。


「不貞団長ォッ!ワイとマタタキさん!3人で捕まえましょうや!」



俺はその言葉を無視する。



アシトは、それを理解した。



これは1対1の戦い。

卑怯な手は使わない。

チートを使わないもの同士の、ガチの戦い。



改めて、ブリゲル皇帝の姿を見る。

身長はこの俺と同じぐらい。脇を締めて剣を持っている。白髪と白髭が生えていて、年齢はよー分からん。

打撃や斬撃を受け流すファイトスタイル。今持っている剣は金色でその硬さや軽さは未知数だ。

魔法を使ってくる気配はないが・・・


さて、そんな観察も間も無く、目の前の敵が動き出す。足も軽やかだ。その金の刃先が輝き、閃光のような光が向かってくる。

出来れば剣で受けたかったが・・・格好つけて武器を使わずに戦う事になっている。


しゅん!


剣を避ける。その途端、また、拳が飛んでくる。皇帝は剣だけの攻撃をしない。今度は避ける。


その攻撃が繰り返される。

一歩一歩・・・退いている。英雄らしく無いぞ!俺!


狭い部屋の中・・・気がつくと逃げ場が無くなっていた。俺の後ろは、先程俺がぶち破って来た穴の空いた壁。これ以上避けたらこの高い塔から転落しちまう。



「さて、どうする?お前も戦士なのだろう。それも手練れの・・・また、2つやろう。選択肢」



問いかける皇帝。



「またか・・・」



「ひとつめ。戦士として、負けを認めろ。武器を持たせての再戦など温いことは認めない。負けだ。潔く。手を打とう。それで・・・今回は引き分けにしてやる・・・ふたつめ。戦士として、負けを認めずに死ね」


英雄は判断が早い。

俺は答える。

「戦って引き分ける」


「意味が分からんな。死ね」


そう言い放った瞬間、防御姿勢を取った俺の身体に金の刃が刺さる。



・・・今だ!



殴打も斬撃も避けられるなら、俺はコイツを掴む!

剣の刺さった右手は使い物にならない!

左手の!左手の握力でブリゲル皇帝を掴み、そして、

引きずる様に・・・



「フッさん!!!」

「団長ォッ!!!」



皇帝を掴んだまま、俺は塔から落ちていた。



道連れ、という奴だ。



ボボボボボ・・・

耳をつんざくような、空気の音。

落下している。すげー高いところから。

皇帝を掴んだまま・・・


「離せ!!!このままだと2人とも死ぬぞ!」

「死ねば英雄だ!」


そうだ。託すんだ・・・


「剣がある!剣を塔に刺すんだ!そうすれば助かる!」

「まだ助かろうとしているのか!クソ皇帝め!」


こうなりゃ、ヤケだぜ!

俺はその力を振り絞り、空中で競り合って、自分に刺さっていたその剣を奪い取り、投げる。



「何をやっている!!!!」



「そうだな!2人とも死ぬ!そして!魔法で生き返らせて貰えば良いじゃねーか!」



そう!

これが英雄フレデリックの解決法!

圧倒的閃き!



皇帝を道連れにする!

そして俺はコイツらが開発した禁忌魔法とやらで生き返るのだ!



近づく地面。



「何を言ってるのだバカ者め!死兵には限りがある!完全な蘇生など不可能だ!!!」




「えっ!?今、なんて?」




「何を言ってるのだバカ者め!死兵には限りがある!完全な蘇生など不可能だ!!!」




えっ?





そして、大きな衝突音。






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