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その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第四章 ふたつの国
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37話 叫ぶ貧乳


私のせいで・・・

フレデリックさんが・・・撃たれた・・・


落ち着いて・・・私。

私は、貧乳。異世界からの転生者。名前は西蓮さいれん静香しずか


今、ここは、グラフィカ帝国という国の・・・

自然都市テコンという場所で・・・

今この場所は、建物が壊され、人々は逃げ惑い、ある人は倒れ、血を流している。


遠くには3つの集まりがある。

互いに干渉しない様にしている・・・


マタタキと浮遊男は会話を続けたまま。


アシトは爪を持った男と探り合いの戦いをしている。

そしてその横には・・・倒れたフレデリックさん。


そして最後の集団には、血だらけの魔法使い・・・

そしてなんだかフレデリックさんに似た大男・・・そして私の親友、ビゼがいた。



魔法使いは、たしかにフレデリックさんに切られたはずなのに・・・生き返った?

そして私はフレデリックさんの指示に従って、チートの発動をやめた。その時、その動向を追っているうちに、魔法使いは復活していて・・・

私のチートが発動していないうちに、魔法を使われた。



私に今出来ること・・・

叫ぶ事しか出来ない。



私は叫ぶ。

私の力は、私が叫んでいる間だけ、その音の届く範囲を無音にするということ。


これによって魔法は発動不可能になる。


私に出来ることはこれだけだ。

私は他のみんなを見てみる。



アシトは相手の爪を避けながら、楽しむ様に、運動をする様に戦っていた。あの子は武器を使っていない。それでも、果敢に攻めている。拳で、相手の顔を捉えるが、相手も上手だ。身体をうまく翻し、反撃する。

実力が拮抗しているのだろうか。



大男は、何度も何度も、その魔法使いに斬りかかっていた。それは恨みを晴らす様な、そんな斬り方。力任せに・・・それでも、魔法使いは身体が別れた瞬間にすぐ結合していた。

魔法なの?チートなの?あれが、死者を復活させる魔法???私は非現実的なこの世界で見る、非現実的なこの状況に追いつけない。


あ、ああ・・・フレデリックさんを、なんとかしないと。ビゼが倒れたフレデリックを介抱しようとすると、爪男がビゼに襲いかかる。応戦するビゼ。



私だ・・・私が何とかしなくちゃ。

でも、あの人を担ぐなんて無理。

戦いの場所に向かうなんて無理。



私は叫んで、魔法の発動を無効化させて、援護するしか無い。




その時、目の前に・・・

マタタキがいた。対峙していた、浮遊男と一緒に。

マタタキは私のチートを受けない。だから私の叫び声も聞こえている。



「シズカ。もうちょっとだけ、叫んでいられるかな?」


「叫べるだけ叫ぶわよー!!!!」

私は声をあげて返す。


「分かった。この国のために、頑張って。僕たちは、塔へ向かう」


「塔!?」



「馬を借りるよ」




そう言って、マタタキは馬に乗る。

浮遊男は、マタタキの動きに合わせる様にぷかぷかと浮いている。



「アシト!馬に乗れ!」

「マタタキ先輩!?コイツは!?」

「いいから!乗るんだ!」


手を引き、身体を翻し、マタタキの後ろにタイミングよく座るアシト。



塔を目指す・・・?

私は遠くを見る。

大きな塔がある。



っていうか、フレデリックさんを置いて、アシトを連れて行ったら・・・ビゼが応戦してるけど・・・



でもきっと、何か考えがあるはずだ。



私は、叫ぶしかなかった。


声を枯らすまで。

叫ぶしかなかった。



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