表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第二章 自警団の大男
68/101

17話 少し開いた細目




《グラフィカ帝国ー自然都市テコン》



《スプレ自警団の詰所》


自警団は20人ほどいて、帝国の役人が現れると、レオナルドを含めた全員が腰を引くして頭を下げた。

自警団の詰所に役人が現れ、部屋に入る。


その役人の名はディエゴと言う。


初老の男で、常に目を閉じてるように見えるほど、目が細い。

不気味なほどに、装飾をしている。

レオナルド曰く、皇帝には〝選ばれし3人の側近〟がいるらしく、ディエゴはそのうちのひとりだそうだ。



「ごきげんよう。レオナルドくん」

ディエゴは口角を上げて笑いながら第一声を発した。



「ディエゴ様。この度は遠路はるばる・・・足を運んで頂き、ありがとうございます」


「気にしなくて良い。足を動かしたのは雄馬達だからね。ところで、どうかな?今月の収穫は・・・ま、ウワサは聞いているんだけど・・・ね」


ディエゴは指につけた数々の指輪を見ながら、にやけている。


「・・・ディエゴ様・・・申し訳ございません」


「うん。謝罪は良いんだ。結果だけ伝えてもらえるかな?」


「今月の収穫はゼロ・・・そして地下円型闘技場はムジーク王国の目に留まり、運用不能となりました」


「・・・ふむふむ。やっちゃったね。さて、どうしようかな?約束は約束だからねぇ、どこから燃やそうか?」

その細い目は変わらない。

ディエゴはニヤけながら、指輪を触り始めた。


「ディエゴ様・・・我々は闘技場を追い込んだ人間を捜索し、捕らえました」


「ほう。それはそれは」

細い目が少し開く。

彼にとっては想定外の展開だった様だ。



レオナルドが合図をすると、自警団に連れられ、手錠をかけられた俺、登場。



「この男が張本人です。名前はフレデリック・ショパニ。国の騎士団の団長だそうです」



「ふむふむ。これも運命というやつかな?」

ディエゴは俺の顔をマジマジと見ている。俺もディエゴを睨む。見れば見るほど優しそうな顔をしているのに、おっかない奴だ。


「どうか・・・今月はこの男の身柄を渡しますので、なんとか納めていただけませんでしょうか?」

ディエゴに嘆願するレオナルド。


「うんうん。構わないよ。むしろ大きな成果だ。ムジーク王国を強請ゆする為のカードを手に入れることが出来たからね。うん。許そう。今月は、ね。来月、また顔を出すから、その時は分かるよね?もし変わらなかったら・・・」


そう言ってディエゴは指輪に向かって何かを唱え始めた。

・・・その指輪には力の結晶が埋め込まれていた。


「燃やしちゃうからね」

そういって、火球を出現させ、俺に向けて放つ。俺は左腕を焼かれた。


「ゔあぁぁぁぁぁっ!!!!」

思わず声の出てしまう俺。



「うんうん。良いね。君、来てもらうから。要塞に」



俺の身柄が、自警団からディエゴサイドに引き渡される。



狙い通りだった。



レオナルドに話をしたのは、俺を取引の材料に使え、という事だ。レオナルドは俺を使う事で・・・結果的に今月だけだがこの都市を守る事が出来た。


そして俺は俺で、殺されない自信があった。うまく事が運んだ。やはり帝国の〝上〟まで招待されるようだ。敵の本拠地に侵入できる。


ま、武器もないし・・・無防備なんだけど。


きっと何か逃げる策はあるはずだ。


アシトにはマタタキ達の合流があるため、隠れてもらう事にしている。



これで良かったんだ。

レオナルドは都市を守れるし、俺は俺で真相に近づけるかもしれない。


これが俺の思いつきだった。



「さぁ、フレデリックくんと言ったね。一緒に来てもらうよ」



馬車で連行される俺。




「暴れられては困るからね」



そういってディエゴは魔法を唱える。

氷柱のような鋭い氷の針が、俺の両脚を刺した。


・・・耐えろ・・・俺。


「これでもう、逃げられないね」

ディエゴの目は細い。

流石の俺も恐怖を感じていた。



俺、どうしたらいいんだ!?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ