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その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第五章 その座を奪われた主人公 
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49話 回帰した英雄



《ムジーク王国ームジーク城》



向かい合うように並べられたとてつもなく長い机が2つ。そしてそれに向き合うようにして対峙する人々。


片一方がムジーク王国側で、もう一方は旧ノイズ派である環境団体シブオンプ。


このシブオンプという団体名の由来は、シズカがつけたらしいのだけれど、当の本人はビゼと旅に出て、もうここにはいない。



「これより、第5回国家発展における環境戦略会議を行う」



会議が始まる。ピエスパさんや鎖に繋がれているザークが目指した、国との対話の場、これは継続的に行われていた。


魔法、はツヨシ・・・いや、大賢人ヒスショトが行方不明となり、地下の結晶が無くなった為、基本的には今後一切の使用を認めない事となった。


蒸気は発展に向けて、様々な意見が交わされている。国を発展させるための蒸気列車の更なる路線の拡大。環境問題についての議論。先日の会議では隣国への貿易のスピードを上げるために線路を伸ばさないかという話が上がっていた。


これはきっと、ピエスパさんが夢見ていた景色だ。



俺はその会議を部屋の入り口付近で立ちながら見ていた。



・・・フレデリックショパニ、無事再雇用されました。



とはいえ、国王のお情けみたいな感じで雇われてる俺は、昔のようなリッチな生活は出来ていない。それでも良い。賃金も低いわけで、馬の移動も無ければハーレムもない。クソ狭い寮で他の兵士達と一緒に夜を共に過ごしている。



俺は騎士団の中の騎士団長としての位置付けを手に入れた。英雄よりは格下なのかもしれねーけど。

それはそれで気持ちの良い肩書きだ。



50年近く経って、魔法や技術が発展した事により、兵士たちの質が落ちていて、騎士団長として俺は兵士の育成も兼ねるようになった。



・・・まったくコイツらは、本当に軟弱だ。




《ムジーク王国ー剣技練習場》




「次!かかってこい!」


今日は実戦の訓練だ。兵士達は鎧と兜を身にまとい、1対1ではあるが本気で俺を殺すつもりでかかってくる。


 蒸気を利用した武具は使わせてはいない。まずは基本から学ぶ事、これが騎士団長フレデリックの方針だ。


 相手の剣を弾く。まだまだだな。


 「いいか!?戦士たるもの死んでも剣は離すなよ!次っ!」


 おお、いい手捌きだ。まるで俺の動きを読んでいるかのような・・・ってコイツ、見覚えあるな。



 「おい、チートは使うなよ」



 俺はソイツの剣を弾く。



 「やっぱり、強いね」

 兜を脱ぐと、少し大人びて見えるマタタキ少年の顔が現れた。




 休憩時間。




 「僕、強い人に憧れちゃって、フッさんが騎士団長やってるって言うから、志願しちゃった」


 「兵力が増える分には構わないが・・・お前、人斬ったり出来ないだろ?」


 「うん」あっさりと答えるマタタキ。


 「良かったのか?」


 「誰かを守る力はつけたいんだ」


 ああ、コイツ。やっぱり顔つき変わったよなぁ。


 「そうか。それなら俺も手は抜かない。よし、マタタキ。まずは走り込んで体力をつけろ」


 「ええーっ!」


 嫌そうに走りだすマタタキ。

 それを見る俺。


 多分、大丈夫だよ、マタタキ。


 きっと皆んなの想いが繋がって、この国は平和が訪れて、それが続くはずだ。



 実戦で剣を握る事なんて、もう無いはずだ。






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