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その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第五章 その座を奪われた主人公 
43/101

43話 流れ入る情報


 それは俺がその戦うためにその剣を握った時。

きっと時間にしてほんの一瞬。

全ての情報が俺の脳みそに流れてきた。



 ー〝俺の名前は、時度トキタビ知広トモヒロ。俺は異世界から来た〟


 最初に入ってきた情報はトキタビのものだった。


 ー〝俺は巨大地震が起きた時、バイト先の書架で本に埋もれて死んだ。俺らしい死にかただったのかもしれない〟


 ー〝そうして、転生して手に入れた力は、超脳力と呼ばれるチートだった〟


 ー〝この力を持った瞬間、この力について理解した。凄くシンプルに説明するのであれば、この力は凄く頭の良くなる力だ。おおよそ俺たちの脳味噌の容量を越える知識量、理解力、閃き・・・〟



その力を、俺は今体験しているのか?

脳内への情報がどんどん入っていく。

容量を超える知識、理解・・・


そして、この目の前にいる男を倒す為だけの情報が取捨選択され、順を追って説明されていく。


 ー〝魔法、というものは、大賢人ヒスショトの力を閉じ込めた、力の結晶を代理行使する〟



 ー〝魔法、は異世界転生者にも有効〟



 そうだ。あまり深く考えていなかったが、透明化出来たのも、転移出来たのも魔法の力だ。そこにはマタタキやシズカもいた。


 異世界転生者のチートが異世界転生者には効かないのに、魔法という形であれば有効。矛盾のような、裏技のような法則。



 ー〝これは魔法に限らない。仮説ではあるが、チートという力は、人以外の何かに宿し、代理行使する事で、異世界転生者に効くのではないか、という仮説。〟



 思い出す。力の代理行使。



 マタタキに初めて会った頃、アイツの剣を握った時。俺はマボロシを見た気がした。あれは、マタタキのチート能力が一時的に剣に宿ったんだ。それを俺が代理で行使した。


 そういう事だ。


 ー〝こうして今、貴方の持つ剣には、俺の仮説を立証する為に、俺、マタタキ、シズカのチート能力をこの剣に託した。後は戦い方次第。〟




 マタタキの力もあるのか?それなら俺は、目を閉じちゃ、瞬きしちゃいけない。

 逆を言えば、目を閉じなきゃ、ツヨシの動きを回避できる行動が分かるという事か。



 俺は・・・マタタキの進むべき未来を見る力、シズカの叫ぶ事で音を消す力、そしてこのトキタビの超脳力を手にした!




 「行くぜ!」

 俺は剣を握る。



 あの日と同じ構え方をするツヨシ。魔法陣的なものが彼の周りに展開される。


 俺は未来を見る。


・・・真横に向かって走っている!


 「・・・バイバイ、英雄さん」


 俺は見えた未来の通りに、真横・・・右に向かって全力疾走する。ぐっ、っと我ながらすごいスピードだ。時を同じくして、俺がいた場所の床が吹き飛ぶ。


 「・・・マジ?」

 ツヨシの驚く声が聞こえる。

 ツヨシの攻撃は失敗していた。



 「ひと昔まえの俺とは違うんだ!」



 目を開けたままってのは、辛いけど、俺は更に先の行動を予測していた。俺はビゼのように身を捻って回転しながら勢いをつけて、ツヨシに斬りかかっている。


 見様見真似で、上記の行動を取る俺。身体の動かし方を、脳が理解し、この洗練された俺の筋肉を動かす。それは綺麗な斬撃!


 ーしかし。


 腕をクロスしたツヨシの身体は盾のような硬さがあり、跳ね返される。


 この目が見開いている限り、ツヨシの攻撃は避けられるが、俺の攻撃もまた一筋縄ではいかないようだ。



 これは長期戦になるぞ・・・



 なんだこれ、久しぶりにワクワクする戦いじゃん。俺、ワクワクすっぞ!


 チートってものは嫌いだったけど、自分の力になるとなんて頼もしいんだ!


 倒す!倒してやるぞ!この男を!



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