表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第四章 頼もしい奴
38/101

38話 半信半疑の国王



《ムジーク城ー王室》



 「貴様・・・手練れだな」

4代目ムジーク王が驚いた顔をしている。近衛兵をなんなく制した俺を見て、好奇の目を俺に向けていた。


「お前達は色々なモノに頼りすぎている。基本的な戦術がなっていないだけだ」

本当に情けない。兵力が落ちている。


「お、お前、一体何者なんだ?」

「俺の名は、フレデリック・ショパニ。3代目ムジーク王に仕えていた者だ」


「何を言ってるんだ。若いじゃないか君は!」

まぁ、誰もがそう思うだろう。


「未来に飛ばされてきたんだ」

「過去から来たという事か?馬鹿を言うな」

「魔法が存在するんだろ。あり得なくない」

「むむむ・・・」

 ムジーク王は頭を悩ませている。過去からきたということを信じてはいないようだが、俺が俺であることを、強さが証明している事を目の当たりにしている。半信半疑だ。


「もう一度問う。ツヨシという男は、もうこの城にいないのか?」

俺は王に再び尋ねた。


「いない」


「なら、ここに用は無い」


 くそう・・・ここまで来て収穫ナシかよ。

 俺は振り返り、王室を出ようとする。


「待て、貴様、本当に過去から来たのだと言うのか?」

「何度も言わせるな」

「どうだ?それなら、十分な褒美を与える。お前の強さは目にした。我々の元で働かないか?」


「随分と都合の良いものだな」


「分かるであろう。この国は、今もなお攻撃を受けている。ノイズ派というアホ共にな」


「攻撃は時期に止まるだろう」

きっとマタタキ達がなんとかしているはずだ。ビゼの事は気になるが・・・


「何を言っている」


 俺は説明が面倒なので辞めた。また国に仕えるチャンスが巡ってきたのだが、今のムジーク王国に価値は見出せなくなっていた。


なにより、あの男に一発お見舞いしなければならない。ここに用は無いのだ。


「頼む!国を救ってくれ!なんでも与えよう!そうだ!尋ね人がいるのだろう?大賢人様の力で探してみよう!」


「大賢人?」


「そうだ!ヒスショト様の魔法なら、お尋ね者探しぐらい容易いかもしれない!」


「・・・なるほど。ツヨシに会えたら、目的は果たされる。もし本当に会えるのであれば、この国を守る騎士として仕えよう」


「よし!決まりだ!フレデリック君!ついてきたまえ!」

 馴れ馴れしくなる4代目ムジーク王。




《ムジーク王国ームジーク城ーヒスショトの部屋》

 



王様さえもノックをする部屋に案内される。



「入りますよ、大賢人様」



大賢人の部屋は本が並べられていた。さすが賢い人。俺は感心する。余程の暇人じゃなければ、こんなに本は集められない。

大きな部屋に沢山の本棚。机には読みかけの本が置いてある。


・・・大賢人の姿が見当たらない。


「ご不在ですかぁ?」

王様が広い部屋で声を響かせる。


ごそごそ、と音がする。


「今行くよ」


遠くから、若い声が聞こえた。


俺と王様は入り口付近で待つ。


・・・なかなか現れない。


「大賢人ってのは、何者なんだ?」

なかなか現れないので俺は王様と適当に会話をしてみる。

「異国から技術を伝承してきた素晴らしいお方だ。大賢人様のお陰で蒸気や魔法が創り出されたのだ」

「ああ、そうだったな」

そういえば、図書館で読んだ年表にそんな感じの事書いてあったな。生きていたのか。


「そもそも魔法も、大賢人様の力を封じ込め、それを、代理で行使しているに変わりないのだ」

ああ、それもピエスパが言ってたっけ。

亡くなったのか、あの人・・・




・・・俺が50年余りの時を飛ばされている間。



大賢人によって蒸気文明が発達した。

そして、更には魔法が作り出された。


それによって国は発展した。

その副産物として、環境が悪化して

ノイズ派が現れて、国を脅かしている。


50年か。

本当なら俺は80歳を過ぎているのか。

ああ、そう考えると、変わっちゃうよな。

国、なんて。



「・・・お待たせ」


「ヒスショト様!」



俺は俯いた顔を上げる。




・・・大賢人ヒスショト




え?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ