表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その座を奪われた主人公   作者: 大野春
第二章 存じない存在
13/101

13話 国営の図書館


 「起きて!フッさん!」


マタタキが俺の身体を揺らす。それで目が覚めた。

あれ?俺は眠っていたのか?


 「おい!マタタキ!おじさんは?」

 「おじさん?何言ってんだよ!おじさんはフッさんの事だろ?」

 「ち、違う!おじさん・・・いや、おじいさんだよ!オレンジ色のフード被った!」


 「ええ〜?わからないよ」


ーーーーー


 自分の髪の匂いを気にしているシズカ。元気なマタタキ。

 俺たちは歩き出して、昨日の老人との出会いについて語った。


 その老人が確かに語った、魔法、という言葉。


 「魔法、本当にあるのかしら?」シズカが呆れた顔で言う。

 かくいう異世界転生者こいつらだって、魔法のような力を持っているではないか。


 「俺が時を飛ばされたこの50年で魔法というものが現実になった可能性はある」

 「なるほどなー」


それから、この大きな河を北上し、2日歩いた。


 途中、シズカの不満が爆発した。


 オンナはどうしても綺麗でいたいようだ。とにかく風呂に入りたい!騒ぎ始めた。


 そういうわけで俺たちは少し道を逸れて、半日ほど歩き、地方都市リバンタンに到着した。




《ムジーク王国ー地方都市リバンタン》




俺もこの街は名前しか知らなかったが、王都から離れたこの地方で最大の大きさを誇る都市だ。


 「図書館があるのか。これは市民の閲覧も可能なのだろうか?」案内板を見ながら言う俺。

 「何言ってるの。図書館は市民の為にあるんでしょ?」シズカが呆れている。


 俺の時代では、国に貯蔵されている文献の大半は平民は見る事は出来なかったはずだ。

 時代も変わったのだろうか。


 図書館にたどり着く。


 「2階建てのコンビニみたいなショボい図書館ね」

 シズカが言う。コンビニって何!?


 「本の閲覧でしょうか?」

 司書が受付で俺たちを見るや否や話しかけてきた。


 「そうだ」

 「右手の甲を見せてもらえますか?」

 「右手の甲?」


 俺たちはなんの変哲もない右手の甲を差し出す。


 「ありがとうございます」

 「何の意味が?」

 「ノイズ派には閲覧を許可しておりません。ノイズ派は右手の甲に印をつけていますので」

 「そうか・・・」


 こうして数ある本棚を前にする。


「俺はちょっと歴史書を読み漁るよ」

 マタタキやシズカは正直本には興味がなさそうだ。


 本ほどありがたい情報源は無い。

 俺が飛ばされたこの50年の経過を知る事が出来るはずだ。


 俺は始めに最新版の王国史を探し見つけた。

 正確な年代から遡るか・・・

 俺はこの国の年表を調べる。


 俺があの日・・・ツヨシと出会い、吹き飛ばされたのが・・・地平暦239年。

 ここから・・・地平暦は・・・262年迄・・・つまり23年が経過している。

 いや、マジで本当に未来に来てたのかよ!俺!


 そして、革命暦が始まる・・・現在15年。



 俺は48年後の世界にいた。




 本当に・・・訳の分からない事ばかりだ。

 俺は歴史を読み漁っていく。

 しかし、ツヨシの事については、触れられていない。

 あくまでアイツは騎士のポジションだからであろうか?

3代目ムジーク国王・・・地平暦250年に死亡。

 死因は老衰・・・4代目ムジーク王即位。

 そしてその頃・・・



 その頃、大賢人ヒスショトが現れる。



 ・・・大賢人???なんだそれ。



 異国から現れた大賢人は我が国の水源に目をつけ、技術開発を始める。

 彼が発明したものは多い。

 その最たるものが〝蒸気〟であり、その後我が国は革命暦へ突入する・・・



・・・なんとなく、俺がこの世界の粗筋を読み解こうとした時。



ばんっ!



「逃げて!!!!」

 遠くから、受付にいた司書の声が聞こえた。

 と思った瞬間には、爆発が起きていた。

 図書館内は瞬く間に煙が充満する。

 もしかして、テロ?この前の・・・ノイズ派・・・!?


マタタキやシズカは!?無事か!?

すぐに蔓延する煙に視界を奪われる。

・・・時折、無音になる。

もしや、シズカが叫んでいるのか???


「シズカ!どこだ!」


シズカは焦っているようだ。

俺への返答を大声で行っている為、能力が発動し、俺は声が聞こえない。


「マタタキ!どこにいる!?」

「フッさん!」


マタタキの声が聞こえる。

しかし、俺も俺で混乱している。

位置関係がよく分からない。


「皆!自分の位置を思い出せ!そして最短距離でここを出るんだ!」


俺は指示を出す。

そして俺も走り出した。

本棚にぶつかりながら、記憶を辿って、出口を探す。


燻る煙にやられそうだ・・・

しかし、俺の肺は鍛えられている。

こんなものではくたばらないぞ・・・


とにかく走り、出口を抜ける。


身体は煤だらけだ。



あたりを見渡す。



「フッさん!!!!!」

マタタキがいる。


「無事か?」

「シズカがいない!」

「お前はここで待っていろ!」



俺は再び、煙の中に入っていく。



シズカ、無事でいてくれ!







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ