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開いている姿では分からない。教室で見せる人畜無害な亜紀穂とはあまりにも違う変化に驚きを隠せないことは確かに分かった。初日からこんな雰囲気を作ってどうするんだ。しかしどうしようもない。夏目と亜紀穂は根本的な部分で異なる要素が多すぎるのだ。徐々に電車が速度を落とし始めている。次の駅のアナウンスが流れた。どんどん近づいている。もうすぐ一つ目の駅が通り過ぎる。ここで降りてしまおうか。そうすればこれから先夏目とは関わることは、おそらくないだろう。冷たい空気に触れながら、額にはじんわりと汗が浮かび上がる。眩暈が起きる。地に着かない足をばたつかせている様な、焦燥感が駆け巡った。一瞬迷った。
「これが俺の本音。俺のこと理解してくれた?こういう人間だよ?これから長期間一緒に行動するんだから、俺も猫被るの止めることにする。この方がお互い気兼ねしないだろ?だから池田も遠慮とかしないで、疲れるから」
本に視線を落としながら、連絡事項の手順の様に自分のことを亜紀穂は説明する。説明を聞く夏目は静かに驚愕しながら息を止めている様だった。本当に驚いている時って、案外表情は乏しくなるらしい。でも夏目は薄々勘付いてはいたようだから、さほど驚きはしないと思っていたが、人の印象って意外と根強いものだなと、少し思った。別に傷つけようとか、悲しませようとかそんなことは企んでいない。けれどそれが自分に不利益な不快にさせる要因が多少なりとも含まれているのならば、関わりたくないだけだ。ただ面倒なだけ。それしか理由がない。
「・・・別に珍しくもないだろ?」
黙りこむ夏目に苛立ちを感じ、少し顔を上に傾けながら亜紀穂は彼を見つめた。こんな人間がこの世界にどれだけ腐るほどいようか。亜紀穂が特殊なのではない。冷やりとするような笑みから、亜紀穂は暑い季節に悪寒がする無表情に変わり、関心のなさそうに目を伏せる。するといきなり夏目はこの探偵の助手みてえ、と呟いた。訳の分からない台詞が思わぬ人から発せられたので、思わず口が小さく開いてし




