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可能性で山道をたまたま通りかかった車にヒッチハイクするかどちらかだ。そこでようやく村に着く」
「・・・マジ?・・・すごいな、その村」
「ここまで支度して帰らせるなよ。電車には終電まで二時間乗るから、切符買って」
「金足りるよな?ちょっと不安になってきた」
「少なくとも宿代に困ることはない。安心しろ」
不安そうにする夏目に亜紀穂は一瞥しながら冷ややかに答える。その姿を切符を買いながら夏目は感心するように眺めた。二人分の切符の片方を亜紀穂に手渡す。終電行きの電車に乗るのは二年と半年振りだ。切符を一瞬だけ指でなぞる。しかしすぐに改札に滑り込ませ、亜紀穂はズボンのポッケトにそれをしまった。
「お前、もしかしていつも野宿してたのか!いやだ!それだけはいやだ!大丈夫だから普通の宿に泊まろう!そこの村まさか宿もない所なのか?どうすんだよー!」
「泊まるのは俺の別荘だ。何か文句あるか?あるなら池田は野宿でいいよ」
パニックしながら頭を抱える彼は本当に鬱陶しい。こんな奴と夏休み中一緒に居なくてはいけないのか。自分で言い出したこととはいえ、今すぐにでも帰りたくなってきた。別荘、と聞いて夏目は心底驚いた様子だ。二重の目を更に大きく見せている。階段を下りるペースが少し上がった。夏目は興奮すると早く歩くということを、このまえの合宿のハイキングで学ばせてもらった。さすがスポーツ特待生。
「別荘!櫻井お前、お坊ちゃまだったのか?もしかしてどこぞの御曹司とか?」
「別荘は俺の家じゃなくて、遠い親戚の。元はそこに住んでたらしいんだけど、都会のほうに越したらしいんだ。今は誰も持ち主が居なくなったから俺の家の名義になってる」
「それにしても凄いじゃん。別荘だぜ?そこで毎年避暑とかしてさ。




