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と貼ってあるシート、押された印が邪魔で仕方なかった。何より扱いの下手な人間が借りると痛みが激しくなる。しかし、図書館の本ほど多くの人の念がこめられた本は他にないだろう。古本もありえない話ではないが、二週間という期間で本を売りには出さないだろうし、サイクルの回数が違いすぎる。しかも借りた人間の記録も残らない。買ったぐらいの本なのだから、主人の思い入れは借りるのとでは余りにも違うが、長く持ちすぎると持ち主の念が籠りすぎてしまうと思う。そう亜紀穂は考えている。一つの強いそういった念を振り払い、新しい持ち主である自分が、長い過程を経てまた新しい念を染み付かせてみるのも好きだが、様々な念を本の隙間から色々と覗いてみるのも楽しい。持参できる期間が限られているから念は比較的淡い。けれどその気持ちは淡いながらもずっと図書館の蔵書として、長く保管され続けるのだ。
貸し出しカウンターのテーブルの引き出しの中には生徒全員の図書カードが学年、クラスごとに分けられ使われることなくぴっちりとケースの中に収められていた。毎年新入生が入ってくる度に、使われもしないカードを作るのはどうかと思う。何も書き込まれない真っ白い無機質な大量のカードを見るたび借りている自分が異質な存在に感じてしょうがない。いつものようにそこから亜紀穂は自分のカードを抜き取り、昔ながらのアナログを語るカードにボールペンで本のタイトルと貸出日、返却日を書き込んだ。本に挟まれたシートにも自分の名前を書く。私立なんかじゃ今本の貸出しはバーコードが主流だけど、亜紀穂はこのアナログなシステムが気に入っている。自分の読んだ本の記録が残るからだ。何の本をいつ読んだか分かるし、どんどん増えていく本の読書数がいとおしくなる。高校に入ってから図書室では六十八冊の本を読んだ。カードに書き込むタイトルも今では十三枚目になっている。前から中学校の図書室や、地元の図書館に通っていたけれども、ここにはマイナーな本も多く揃っているから凄く貴重なのだ。
期待の本を借りてから、亜紀穂はそこら辺の本棚を暫く散策する。ここに入り浸るようになってから、国語の担当教師が頻繁に本の新規




