◇Square 8
※関アリス視点
もちろん、あの頃に遊んでくれたクラスメイトに会いたかった。
でも、幼い頃に二年だけ住んだこの地にわざわざ一人で訪れたのは・・・彼に想いを伝えたかったから。
年賀状で毎年挨拶だけのやりとりをしてきた。
いつも【いつか会おう】と書いてくれていた彼からの言葉を叶えたいと思った。
「今日はありがとう」
みんなにお礼を言うと、みんな「元気で」「また会おう」と笑顔を向けてくれた。
転校する時の様な涙は無い。
あの頃、みんなと離れることが寂しく泣いてしまった。
でも、今はそんな感情は湧かない。 時間は進んだのだと実感する。
それでも・・・
「連絡先を・・・教えてくれない?」
「俺の?」
驚いている表情。 ダメなのかな? なんでもいいから、年賀状以外にも繋がりを持ちたい。
一方的に私から手紙を出すことはできるけど、彼からの返事がもらえないのなら、寂しい。
声を聞ける手段が欲しい。
「ダメかな?」
「ダメじゃないけど・・・みんなに訊かなくて良かったのか?」
「女子みんなには、さっきトイレで教え合ったの」
「どうりで、長かったもんな」
「ごめんっ」
「俺も教えてもらおうかな」
柔らかく笑う彼。 変わってないな。
お兄ちゃんみたい。
一歩引いている様で、ここぞって時にはみんなを気にして。
真凛の頭を撫でていたのは、きっと真凛を励ますためだったのだろう。
「ナオキ・・・私、絶対にいつか会いに来ようと思ってたの」
「ああ、みんな喜んでる」
「みんなに会いたかったけど・・・それだけじゃなくて、私、ナオキに会いたかった」
「俺?」
「ナオキが私の初恋の人だから」
「え!!!」
「ナオキが変わっていなくて嬉しかった。 お揃いの髪にしたいと思っていたのに切ってしまっていて寂しかったけど…」
「アッアリス!?」
驚く直喜の胸に私は飛び込んだ。
大胆過ぎたかな。




