◇Square 7
※野中湖一視点
なんだか真凛と直喜の距離が近くないか?
そう思って見ていると、真凛の隣にいるアリスの表情が悲しそうだ。
「アリス?」
「ん?」
なんでも無いという表情を貼り付けてアリスが振り向く。
「何かあったか?」
「ううん」
「だけど…」
「何でもないよ?」
「なんだよ。 何かあるなら言えよ」
「コイチは今も優しいままだね」
「俺? そうかぁ? おい、俺って優しいか?」
調子に乗って側に居る真凛と直喜に訊く。
「うん。湖一は優しいよ」
少し硬い表情で真凛が答えてくれた。 何故硬い表情なんだ?
「楽しいヤツではあるよな?」
と直喜。 そして、直喜は真凛の頭にポンと手を乗せて、「行こうぜ」と言った。
そっと直喜に視線を向けて、頷いた真凛。
その雰囲気が妙に親密に見える。
「コイチ・・・ナオキとマリンは付き合ってるの?」
アリスがそんな事を言う。
「はぁ!? 無い無い!!! 今日集まってる奴らの中で付き合ってる奴は居ない」
「そうなの?」
「こんな田舎じゃすぐに噂になるから幼馴染で付き合うのは恥ずかしいって気持ちが大きいんだ」
それは俺もだから。
高校生の頃、幼馴染や近所同士で付き合っていても高校を卒業してそれぞれの進路が別れて、それでも付き合い続けて結婚したという人は少ない。
それを自分の従兄などで知っているからこそ、軽はずみに行動できない。
何歳になっても会う相手だ。 友達なら友達のままの方が一生付き合い続けられる。
それこそ、将来結婚しようと想えるようになって初めて手を出して良い相手。 それが、幼馴染という存在だと俺は思っている。




