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カラフルピース —探偵の自罰的事件収集—  作者: 秋野キリン
『下心・真心』

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第2片「おねショタにおけるショタはスイカの塩のようなモノ」

「キング……」

「なぁんてね。ジャストキッディ~ングってね。あれ? これあんまり上手くないか?」

「……はぁ、えっと「キング」ってのは冗談ってことで良いの?」

「そうそう。ぼくは王だなんて器じゃないさ。せいぜい顔役ってところかな。皆の支えが無ければ。なぁんにもできないからね」


 イマイチ真意が読み取れない。


性性せいしょうが所属している? 率いている? グループって言うのは何なんだい?」


 聞きづらい感じは否めないけれども、ここまで匂わせるようなことを言っておいて、まさかどうしても秘密にしなければならないってことはないだろう。


「ふっふっふ。聞いてしまいますか」


 待ってましたと言わんばかりに興奮気味に語り始める。欲しがりめ!


「L&Gそれがぼくらの組織だよ」




 どうしよう。だいぶ勿体ぶって明かされた割には知らない組織だった。


「あれぇー。知らないか。まっそういう人もいるか……」

「そんな有名なの?」

「そうだとも。そうだとも。有名さ。んーでも組織って言うのはちょっと違うのかな。ぼくら幹部はリアルで活動することもあるけれど、一般会員はゆるく所属しているだけだし……」

「あんまり実像がはっきりしてこないんだけど?」

「一言で言えばR18のサイトってところ」


 えぇー……。


「なんだい。その目は。別に良いだろうさ。時にはそういうことも必要だ。紳士淑女が集まる憩いの場がさ」

「待って。もしかして……。L&Gってレディース&ジェントルメンの略だったりする?」

「そうだけど?」

「うわぁ……。なんだか時代に逆らっててロックだねぇ」

「別に無理に褒めなくても良いよ……」


 EENとはまた違うんだろうな。あっちが蜘蛛の巣状のネットワークとするのならこっちはピラミッド型のヒエラルキーを持った、社交場ってところだろうか。


「君は見たところおねショタが好きそうだね」

「なんだいそれ? おねしょが何だって?」

「違う違う『おねショタ』だ」

「うーん?」

「まずショタって分かる?」

「少年の事だっけ。確か『鉄人28号』」の主人公金田正太郎から来ているとか」

「合ってる合っているけれど……、なんでそんなに詳しいの……」

「まあいいですか、そう具体的にはその1小学生以上の少年。その2可愛らしい容姿。そして最も大切その3女装をしていない」


 指を一本づつ勿体ぶって立てて妙な熱を持って語り始めた。

 それにしても……、女装か。どうだったのだろうか。瑞葵さんのことを語ろうとするとき、「彼」も「彼女」も不適当な呼び方のような気がしてならない。瑞葵さんは自分のことを何と呼んでいたっけ。それももはや確認する術は無くなって、——亡くなってしまったけれど。いや、そうでもないかアッキーがいる。誰よりも瑞葵さんに精通しているであろう。うん? 何だろう何か僕の語彙が話題に引っ張られていやしないか?


「そんな純粋無垢なるショタをお姉さんがリードするのさ」


 ああ成程。「おね」ってのはお姉さんの略か。


「おねショタと言う以上おねが攻めでショタが受けだ!! これは譲れない!!! いやさ、譲る譲らない以前にこの世の真理!!! ショタ側がリバって攻めになるなら最初からショタおねと表記しろーーーー!!!」


 すっごいエキサイトしてる。


「フーッ。話がそれたが……。どうだい? 幼気な少年に色ごとを教えるお姉さんの様子。最高にエッチだと思わないかい?」

「確かに悪くないけどショタってそんなに要らないよね」

「へっ?」

「おねショタにおけるショタはお姉さんの魅力を最大限に引き出すための装置に過ぎなくて、それっていわばスイカにおける塩みたいなもので別に必須ってわけじゃないよね。より深い味わいには貢献するんだろうけど元のただのスイカだけで美味しいし、あんまり塩によって生まれる甘味って僕好きじゃないんだよね。」

「ちょっ、ちょっと、どうしたの……?」

「そっちから始めた話だろ。良いから聞きなって」

「お姉さんの魅力ってのはさ何でも知ってて何でもできる身近な大人に見えるところにあると思うんだ。ここでミソなのは「大人に見える」ってところだよね。大人になった今になってみると背伸びしてしっかりした態度を取ろうとしているだけで、それはどこまで行っても大人びた振りをしている子供なんだよ。だからこそ良い。これから精神的に成長していこうとする中に、大人の振りをするというある意味最も子供らしい行為が垣間見える。逆説的に、まだ完全には大人になってはいないことを露呈してしまっているんだ。そこが最高にいじらしくて気持ちが昂る。ショタっていうのはそれを子供の視点から捉えることになるだろう。子供と大人の両方から見ることでお姉さんの魅力が最大限映えるのは分かる。まだ青くて未熟なショタだからこそお姉さんの大人ぶる様子が強調されるというのも分かる。だが、そのためには大好きなお姉さんが見ず知らずのガキに好意を寄せる様を見なければならないんだ! 赦せない!! お姉さんというものは成熟途中の少女の事なのだから相対的なモノではなく、絶対的なモノだ。だからショタなどという不純物はいらない!! そうじゃないか?」

「あーっ……………………、ぼくの思っている以上に何か異常に拗らせているようだね……」

「―――――――あるいは、君から感じる不思議な感じはもしかしたらそこと関係があるのかもしれないね」

「別に僕はそんなに不思議な奴じゃないだろう?」

「いいや、そんなことはない。滅多にお目にかかれないレアケースかもしれない。君さ、生まれついてのカラフルピースじゃないだろう?」

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