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第4片 小休止

 会議がヒートアップしてきたところで小一時間ほどの休憩がとられることとなった。どうやらそれぞれ案を出すための相談時間ということらしい。

 一度元来た部屋に帰ると瑞葵(みずき)さんは申し訳なさそうにアッキーに謝罪した。


「すいません暁人(あきひと)様。私が遅れたばっかりに、西鳥(ひしゃく)に付け入る口実を与えてしまって……」

「いいんだよ。元はといえば俺がこいつを連れてこようとしたのが発端なんだからさ」


 そう言われた後もどこか瑞葵(みずき)さんはバツが悪そうだった。そりゃそうか。事故ってなければもう少しは早くついてただろうしね。会議中も発言が無かったのは落ち込んでいたということらしい。


「そんなことより『怪人』とやらの対処法をどうするかだよなー」

「詳細が対して分かって無いのに対応策を考えろってのは少し不親切ですよねー」

「僕から一つ良い考えがあるんだ」

「と、言いますとー?」

「全員に会って話をつける」

「「アホかっ!」」


 見事にハモったツッコミだった。この二人って結構息ぴったりだよね。


瑞葵(みずき)さん」

「何ですー、探偵君?」

「僕たちはここに来るまでに会っているでしょう。『白黒無常』という『怪人』に」

「えっ?」


 正確には轢いたんだけどね。僕は恋愛漫画の鈍感系主人公ではないのだ。あそこまで異様な存在と出会たうえ、服装の特徴を聞いておいて何も思い至らないほど察しは悪くない。瑞葵さんはあのときパニッていただろうし、あの異常なキャラクターとやり取りしたわけではないからピンと来ないのはしょうがないところはある。


「お前らそれを早く言えって!」

「会議中に話すよりもこうしてじっくり僕たちで話あってからの方がいいと思ったんだよ。今回は協力するといっても基本的に四家はライバル関係なんだろ? この前の東花家でのことだって、『人類最果て』とやらのことだって、見てればわかるさ。だったら、できることなら僕たちの手柄は多い方がいいだろ。だから、こうして小休止が挟まれて良かったよ。」

「んで、それはいいとして……。会ったからって、何がどう役に立つんだよ」

「意外と会話のキャッチボールができそうな奴だったんだ。——ただし、彼が使う異能は何て言うのかな……。世界観が違うって言うと少し紛らわしいか。うーんとね。『作品が違う』ってのが率直な感想なんだよ。あるいはそう。異世界からやってきたみたいっていうか……。他の『怪人』がどうなのかは分からないけれど最低でも『白黒無常』はそんな印象だった」

「だから俺たちじゃあ武力ではどうしようもないって?」

「そう。だから。話合いなんだよ」

「はっきり言って僕たちじゃどうしようもすることができない存在かもしれない。それこそ、神様みたいなね」

「……なるほど。神道における神は信仰の対象である以前に畏怖の対象でもあります。むしろ、祀ることによって人々に危害を加えないようにする。それと似たようなイメージですかねー」

「そうです。それでお帰り頂く。それが駄目でも何人かと協力関係を結ぶことができれば……」

「化けもんに化けもんをぶつけられるかもしれない、か」

「正面から武力で制圧しようとしたら、甚大な被害が出かねない。策を弄そうにもそんなものが通用するのか分からない」

「……それでも、神出鬼没なんだから話会いなんて出来ねぇんじゃねぇの?」

「そうだね。だから標さんが言っていたように補足の段階まではプロを雇う必要があるだろうね」

「あと、一番でかい問題として誰が何を話すんだよ?」

「……そこはホラッ説得のプロとかさ」

「そこは考えてねぇのかよ……。まっ、そこはおいおいかな。実際にその目で見たってんならお前ぇの言ってることは一理あると思うぜ。そこらへんは議題に挙げて他の奴に考えてもらえばいいか……」

「ですが、他の皆さんが納得しますかね? 証拠なんてありませんし」

「あるさ」

「えっ?」



「このご時世まさかドラレコをつけてないなんてことはあるまい?」

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