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救世チュートリアル  作者: 紫吹
第四章:海上の死踏会 ~愛は闇夜で輝くか~
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Stage14 ―― Another Side 3 脱出へ

「あ、多分もうそろそろ……逃げなきゃいけないと思うんですけど、どうしよ、このタブレット持ってったほうがいいですか?」

 入り口の様子を伺いながら会長に尋ねた。

「そこに情報が入ってるんだな?」

「はい、でもパソコンの方が色々入ってます。全部は見れてませんが」

 話ながら部屋に降りるときに吊るしておいたロープの片方を自分の腰に巻きつけてしっかりと結ぶ。もう片方はこの部屋の中で一番重そうだった椅子の背もたれの部分に結びつけた。

「……タブレットだけでも持っていけるなら持ってってくれ」

「分かりました! 一度切りますね」

 通話を終え、身体とロープの間に差し込んだ。心許ないけど、両手を開けておかなきゃいけない。

 自分側のロープを手繰り、椅子を床から持ち上げていく。これで準備はできた。天井付近まで上げたら、上へ跳ぶと同時に左手を離す。

 重力に従って椅子は下へ、そして私は自分で跳んだ力とロープに引かれる力によって上へと移動する。開いている左手で一番端の鉄格子を掴んだ。勢いのままに足を振り上げ、穴の縁にかける。そのまま下半身を天井裏の通路に入れた。これで今、身体の半分が穴から出て、腕の力で支えている状態だ。あとは腰、肩を通路内へスライドさせる。最後は腹筋の力で起き上がれば無事、部屋からの脱出成功。昔は体力がなくて運動も全然できなかったが、楓に刺激されて筋トレをするようになった成果が出たんじゃないだろうか。まさかこんなところで役に立つは思わなかったな。

 でもまだ終わりじゃない。ちゃんと一緒に上がってきたタブレットを横においてロープをほどき、身を屈めながら椅子を引き上げる。筋力の大事さを思い知りながらなんとか椅子に結んでいたロープもほどき、今度は引っかけるだけにしてゆっくり下ろす。元の位置ではないけどとにかく床に下ろし、ロープを回収した。続いて開けてしまった鉄格子を戻す。これは横に押してはめるだけだし、最初に外したときより楽だった。

 仕事を終え一休みする。ちゃんとできたかな。震える手でタブレットを抱えた。

 これで時雨と戦える。私も役に立てる。それが何より嬉しくて、達成感に溢れていた。この中にはもっと色々な情報が入っているはずだ。それを調べて、まずはここから脱出する。早く楓達と合流しなくちゃ。

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