尾行……の前に軽く情報整理
故意か偶然かターゲットを発見した私たちは、意気込んで尾行を開始しようとした……のだが、猫は道端に丸まり目を閉じてしまった。
「しばらく待とうか」
鈴音は石塀に体重を預け猫を眺める。
「鈴音、いろいろ考えたんだけど、今のうちに言っといていい?」
目を輝かせて振り向いた。
「うん! わくわくするね」
「そう? ちゃんと聞いてよ?」
念を押してから話し始める。
「五十嵐がさ、私たちがSOの拠点を探してること、向こうに伝えたって言ってたでしょ? これってつまり、実は五十嵐とSOがグル、それか仲間がSOに潜入してるってことだと思うの。なんでも疑ってたんじゃきりがないから、とりあえず五十嵐のこと信用しとくとして、仲間が潜入してる場合ね。これってもう、拠点の場所分かってんじゃん。」
鈴音は目を丸くした。
「あー、確かに!!」
「でも、私たちの任務はSOの拠点を探すこと。ねぇ、どういうことなのかな?」
うーんと考え込み、小首を傾げる鈴音。少しして彼女が出した答えは、
「潜入してる人の言ってることが本当に正しいか確かめるため?」
私も思いつかなかった可能性だった。
「あ……なるほど。でも待って、それだと相手に教えちゃダメじゃない? 極秘で調査しないと」
危ない、一瞬納得しかけた。
「そっかー。じゃあ楓はなんだと思うの?」
「……私たちがどれくらい役に立つか試すため、とか?」
念のため周囲に気を配り、人気のないことを確認する。
「見つけられなかったら、会員にしてもらえないってこと?」
「いや……分かんないよ? そうかもってだけ。そんなに会員になりたい?」
尋ねると鈴音は唇を尖らせた。
「断られるとか悔しいじゃん」
……確かに。
「ただ、やっぱりさ……五十嵐のこと、警戒しなきゃいけないと思う」
私は真剣に言っているのだが、
「分かってるよ、そういうのは楓に任せる」
鈴音は涼しげな笑みで私に丸投げした。




