前へ(賢也side)
隣で、俺の為に泣いてくれている琴。
ケン「ほ、ほらもう泣くなよ........部員たちに変に思われるじゃん....」
琴は、まだ泣きながら何度も頷いた。
(さっきは、俺を一生懸命励ましてくれたのに(笑))
俺の涙は気づくと、すっかり止まっていた。
それは、きっと琴が俺を抱きしめてくれたから。
琴の身体は、とても暖かくて何も言われなくても
素直な優しさが伝わってきた。
不思議と安心できた。
だから....琴のパワーは、すごいと思う。
魔法みたいに不安が、綺麗さっぱり吹き飛ばされたんだ。
部室につくと、部員たちがすぐに寄ってきてくれた。
部員A「クスッ).......賢也君、おかえり。」
ケン「あ、あの........すみません。迷惑かけてしまって....」
部員A「何も迷惑じゃないよ。また、一緒に演奏しような。」
そんな優しい言葉で俺の心は少し楽になった。
部員B「ったく、心配したんだからな!賢也が見つからないってその子が言うから........ってなんで、その子泣いてんの?!」
「ゔっ........ぅ.......」
ケン「え........あ、すみません。何か........あの、スミマセン。」
(『もらい泣きです。』なんて言ったら、俺が泣いてたってこと知られちゃうじゃん。)
「ううぅぅ........」
(いい加減泣き止んで........汗)
部員C「とにかく........失敗は、失敗でも........ソロは初めてだったんだし仕方ないよ。」
部員A「そーだよ。誰だって失敗は、あるもんさ。その失敗をバネに、これから後輩たちを引っ張っていってくれ。」
ケン「........後輩たちを........。」
そうだ........先輩たち、今日の演奏で最後なんだ。
部員B「賢也ならできる!」
先輩は、俺の背中を力強く叩きながら言った。
周りを見ると先輩たちは、皆
俺に視線を向けて微笑んでいる。
「......はい!俺頑張ります!」
クヨクヨしてる暇なんてないよな。
俺は........夢のために
....前に進まなきゃ。




