見たくない
潤んだ瞳でケンちゃんは、私を見た。
ケンちゃんの鼻の頭は、真っ赤になっていた。
........『 ケンちゃん君を元気に出来るのは琴ちゃんしかいないから。 』
....原先輩の言葉が思い返される。
(そうか........私しか........)
「いいよ........」
私は、ケンちゃんを優しく抱きしめた。
私の肩に頭を置くケンちゃんは
安心したように息を吐くと、微かに微笑みながら言った。
ケン「............ありがとう...........。」
私がケンちゃんを守らなきゃ。
私にしかケンちゃんを元気にできないんだ。
........と考えていたら
ずっと我慢してた涙が溢れだした。
「う........ぅ........」
ケン「...............こ、琴?」
「うあぁぁ........ああ...」
ケン「えっ、ちょっ........何で琴が泣いて.....」
ケンちゃんの涙は、もう止まっていた。
「もう、ケンちゃん泣かないでよおぉ........もらい泣きしちゃったじゃんんん........」
ケンちゃんは、目を丸くした後
吹き出して笑った。
ケン「ゴメン。もう........泣かないよ。琴を困らせちゃうからね。」
「困るどころじゃないよおぉ........どれだけ心配したかぁぁ........」
ケンちゃんは、眉を下げて
今度は私の頭を優しく撫でてくれた。
ケン「ありがとう、琴のお陰で元気出たし............戻ろっか?部室に....。」
「グスッ) うん........」
もうケンちゃんには、泣かないで欲しい。
あんな、悲しんだ顔は
もう見たくないから。
心からそう思った。




