人影
学校中を走り回ってケンちゃんを探した。
でも............なかなか見つからない。
♪~♪~♪)
ポケットの中で私のケータイが鳴った。
画面を見ると....
(........原先輩.........?)
「もしもし....」
原『あっ、琴ちゃん?ケンちゃん君大丈夫なの?!』
少し早口で焦ったように話す原先輩。
(原先輩もケンちゃんの演奏、聴きに来てたんだ....)
「今探してるんですけど、なかなか見つからなくて........」
原『そーなんだ........あ、こっちはもう演奏終わったよ。』
「わかりました。じゃあ、部室とか行ってみます。」
原『うん....................あのさ、琴ちゃん。』
「はい?」
原『..........ケンちゃん君を元気に出来るのは琴ちゃんしかいないから................頑張って。』
そんな原先輩の言葉に、強く背中を押された気がした。
「......はい。」
....................................
軽音部の部室に向かうと、ケンちゃん以外の部員たちは
全員揃っていた。
静まっている部室で、少し居づらい雰囲気だ。
部員A「君は........あの時賢也君の名前を叫んでた子か。賢也君見つかった?」
「いや........どこ探してもいなくて........」
部員A「そう.......もし、見つけたら。ちょっと、賢也君に伝えてもらっていいかな。」
(伝える........?)
部員A「最後に一緒に演奏できて、楽しかった。失敗なんて気にするな。って。」
部員B「そうだよ、緊張して固まるのはよくあることだし。........むしろ、また賢也と演奏したいし。」
少しだけ部室の雰囲気が和んだ気がした。
(........ケンちゃん、いいなぁ。こんなに優しい先輩たちがいて。)
そんなことを思いながら私は、先輩たちのお願いを了解した。
「わかりました!伝えておきます!」
................................
校舎内から外へ出て、中庭に向かった。
今にも雨が降りそうな微妙な空だった。
周りを見渡すと、ベンチに座っている
一人の人影を見つけた。
恐る恐る近くへ寄って、声をかけてみた。
「............ケンちゃん................?」




