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君の歌が聴きたくて  作者: ネロ2世
49/54

人影




学校中を走り回ってケンちゃんを探した。






でも............なかなか見つからない。







♪~♪~♪)





ポケットの中で私のケータイが鳴った。





画面を見ると....





(........原先輩.........?)





「もしもし....」



原『あっ、琴ちゃん?ケンちゃん君大丈夫なの?!』





少し早口で焦ったように話す原先輩。





(原先輩もケンちゃんの演奏、聴きに来てたんだ....)





「今探してるんですけど、なかなか見つからなくて........」




原『そーなんだ........あ、こっちはもう演奏終わったよ。』




「わかりました。じゃあ、部室とか行ってみます。」




原『うん....................あのさ、琴ちゃん。』



「はい?」







原『..........ケンちゃん君を元気に出来るのは琴ちゃんしかいないから................頑張って。』







そんな原先輩の言葉に、強く背中を押された気がした。







「......はい。」







....................................







軽音部の部室に向かうと、ケンちゃん以外の部員たちは


全員揃っていた。





静まっている部室で、少し居づらい雰囲気だ。





部員A「君は........あの時賢也君の名前を叫んでた子か。賢也君見つかった?」





「いや........どこ探してもいなくて........」




部員A「そう.......もし、見つけたら。ちょっと、賢也君に伝えてもらっていいかな。」





(伝える........?)





部員A「最後に一緒に演奏できて、楽しかった。失敗なんて気にするな。って。」





部員B「そうだよ、緊張して固まるのはよくあることだし。........むしろ、また賢也と演奏したいし。」





少しだけ部室の雰囲気が和んだ気がした。






(........ケンちゃん、いいなぁ。こんなに優しい先輩たちがいて。)





そんなことを思いながら私は、先輩たちのお願いを了解した。






「わかりました!伝えておきます!」






................................







校舎内から外へ出て、中庭に向かった。





今にも雨が降りそうな微妙な空だった。





周りを見渡すと、ベンチに座っている


一人の人影を見つけた。







恐る恐る近くへ寄って、声をかけてみた。









「............ケンちゃん................?」




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