知り合い
そして、文化祭当日....
「いらっしゃいませ!すみませんチョコドーナツは売り切れてしまって....」
午前中。
私のクラスの出し物のドーナツ屋さんが、思ってたより繁盛してしまっていた。
友達A「琴ーー!チョコスプレーってまだ残ってる?」
「あと少しだけ!」
友達B「こっちにあるよー!!」
(ケンちゃんと文化祭回るのに........時間あるかなぁ........)
ケンちゃんの軽音部の演奏は、午後1時15分からだ。
私の仕事のシフトは、午前10時から12時。
(でも、このままだとドーナツ全部売り切れて早く店閉まりそう........汗)
友達C「えっ!ちょっとあの人かっこよくない?!」
突然周りの女子たちが、ざわめき始めた。
大勢の人たちが教室に入ってくる中で
私は、ひと目でその人が誰であるかわかった。
「あっ........」
?「琴ちゃーーん♪どーお調子は?」
いつものエプロン姿と違って、明るい色のカーディガンに
お洒落な帽子を被って、馴れ馴れしく接してくるその人は....
友達C「え?!ちょっと琴!知り合い?!」
友達は、興奮しながら私の肩をバシバシ叩いてくる。
「し、知り合い...だけど................てか何で来たんですか原先輩。誘った覚えない気が....」
原「近所歩いてたらポスター貼ってあったから( ´∀`)来ちゃったよ。」
原先輩の後ろに大勢の女子が集まる中。
そんなの気にせずにドーナツを大量に買っていった原先輩。
そのまま教室を出ていくかと思ったら
教室の隅に行って一人で黙々とドーナツを食べている。
(何やってんのこの人........仕事は、どーしたんですか!仕事は!!)
?「あの....ミルクドーナツ、一つください。」
「あっ....ハイすいまs............ケンちゃん!!?」
いつの間にケンちゃんが目の前にいた。
ケンちゃんは、ドーナツから視線を移して小声で言った。
ケン「........もしかしてあの人、原さん?」
「そーなんだよ........誘ってないのに来たんだよ、しかもドーナツ残り少ないのにめっちゃ買っていったし。」
ケン「へぇ........誘ってないのに.....か.......へぇ。」
ケンちゃんは冷めたような目で
原先輩を見ながら買ったドーナツを口にする。
「あ、ケンちゃん私一緒に回れる時間あんまり無いかもしれない....」
ケン「えっ。」
残念そうな、声を出したケンちゃんの隣から
ぴょこっと顔を出した雅は明らかに、わざとらしい口調で言った。
雅「えーなにー?琴、賢也君と一緒に回るのー?もーしょうがないなぁ、いいよあとウチらにまかせて。」
「え....でも....」
雅「ゴラァ!!男子いいぃ!!ちゃんと仕事せぇぇい!!!」
のんびりしている男子たちに、大きな声で気合いを入れた雅は
フンッと鼻を鳴らし、そのまま自分の仕事に戻っていった。
(............み、雅.....ありがとう。.......汗)
ケン「.........よかった。じゃあ......行こっか、琴(笑)」
「(笑)うん。」




